3話
そこに立っていたのは同じ高校の制服を着た少女だった。
「あら、気づいていたの?」
彼女はクスリと笑いながらゆっくりとこちらにあるいてきた。髪は肩の長さで切りそろえられておりその目は俺たちの方をジッと見つめていた。
「先生、あの制服を着てるって事は彼女はうちの生徒なの?」
先生はポケットからタバコを取り出し火をつけると深く煙を吸い込み吐き出した。
「いや、知らないな。俺はこんな格好でも一応でも教師だ。生徒の顔は一通り覚えているがあんな奴は見たことない。おそらくネットか何かでうちの制服を手に入れて忍び込んだんだろう。それと、さっきお前を襲った魔物の親玉は多分こいつだ」
「正解!そうよ、よく分かったわね。そしてさっきあなたたちを襲ったのは私の子たち。でもまさか学校の中に魔法使いが紛れ込んでいたとは思わなかったわ。」
彼女はそう言いながら歩みを止めた。
「魔法使い?」
そう、確かに彼女は今そう言ったおそらく先生の事を言ったのだろう。
結界を張ったり一瞬で周囲を火の海にしたり確かに先生がやった事は魔法のようだったが。
「いや、違うな、悪いが俺は魔法使いじゃぁない。」
先生がそう言った瞬間周囲の空気が変わり人気がなくなった。
「へぇ、呪文の詠唱もしないでこれだけの結界を瞬時に展開出来るなんて。あなた、やっぱり魔法使いじゃない。それもかなりの使い手じゃなきゃこんな事出来ないわ。」
先生がタバコ一度ふかすと周囲が炎の波に覆われた
「いや、悪いが俺はもう魔法使いじゃない、教師だ。」
大きな炎の波がうねりをあげ彼女を飲み込む!