シャルの決意聞きました。
今週は急ピッチで序章終わらせていきます。
お付き合いください。
「入学おめでとう」
まさか高校生ですでにこの言葉を3回も聞けるのは俺ぐらいのものだろう。
あれから森の中の抜け道をシャルに案内してもらいシャルの家に向かう事になった。まぁ抜け道と言っても何度かモンスターと戦うハメになったが。シャルもなかなかに戦闘能力が高いらしくモンスター達を剣でばさばさとなぎ倒していた。
これ俺必要ないんじゃね?と思うレベル
シャルの家はかなりの豪邸で日本にいた頃はこんな大きな家は見たことがない。だって敷地が東京だか千葉だかにあるでかい遊園地と同じぐらいの大きさだし。
家の大きさからわかるようにシャルはお嬢様らしい。俺の事を眷属だと紹介した時はさすがの召使いさん達も驚いたような顔をしていた。
「私はこんな大きな家もこんな大層な扱いも欲しくはないわ。」
シャルが俺の部屋を案内するなり俺のベットに腰掛けながらいった。おい、それは俺のベッドだろ
「なんでだよ?こんないい家と大層な扱い受けてれば生活困んないし何でもできるしいいことづくめだろ?」
俺が当然の事のようにシャルにいってやった。
「何でもできるなんて思っているのはあんたみたいな一般人の考えることよ。私小さい頃にお父様と一緒に街に行ったの。街に入るなりお父様の周りに子供達が寄ってきて靴を磨いたりしていたわ。私と同じくらいの子達が明日を生きるために生活してたわ。私その時から思ったの。こんな子供が明日も分からないような世界は嫌だってね。
私達みたいな貴族がこんな豪華な生活をしてるから他の子供達は貧しく暮らしてるんだって感じた。だからこの家もこんな扱いも嫌。みんなが心から笑える世界を作りたいわ」
シャルが遠くを見つめるような目で俺に語ってくれた。俺は少しだけシャルの強さが分かった気がした。
「だからね」とシャルが続けると
「私は学園に入学して主席で卒業してこの世界の貴族制度なんかを全部ぶっ壊してやるの。それが私の目的。なんか大層な夢だしその割にはやる事はあなたにとっても何も得はないわ。だから断ってくれてもいいわ。なんか無理矢理だったものね。」
学園のことについてはここに来るまでにシャルから色々教わった。まず学園に入学するには必ず眷属が必要となるらしい。学園での評価は今後学園を出ても同じような評価を受けていくらしい。
特に主席なんかで卒業すればいきなり騎士団の団長なんてものもあるし1国の王にまでなるやつもいるって話だ。評価を上げるには学園の中で眷属と一緒に戦っていくしかない。この場合の眷属とは俺の事だろう。シャルは主席になってさらには国王レベルの役職を狙っているのだ。
「ねぇ……。」
シャルがこっちを真っ直ぐと見て、
「あなた私の眷属になってくれる?」
こう来たもんだ。俺の答えなんてさっきのシャルの話を聞いた時から決まってる。きっと俺がこの世界に来たのはこいつを助けるためなんだろうなとこの時おもった。
「当たり前だろ。俺は1度言ったことを後から変えるような事はしないよ。」
俺が優しく返してやると
「ほんとに?貴方には何の得もない話よ?これから戦う事になるしあなたはどんどん傷ついていくわ。もしかしたら死ぬ事だって……」
「それでもだ。お前の笑顔を見れるならそれだけで俺の得になってるぜ。もうこの世界に来た時からある程度の覚悟はもう出来てる。俺の人生をかけてお前を王の座までおしあげてやる。」
シャルに俺の決意を伝えるとシャルは少し涙目になりながら顔を赤くして、
「………………ありがとう。」
なんと可愛らしい返しだろうか。これから俺はこいつと一緒に主席を目指していこうと心に誓った。
そして今に至るよ。これからの学園生活を全力で生きていく覚悟を持った。
読んでいただきありがとうございました。
次回から学園編1部「入学騒乱編」が始まります
これからも純也とシャルの戦いを見守ってあげてください。ではまた。