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歳月が邪魔しなかった日

作者:白瀬 柊
最新エピソード掲載日:2025/11/17
16世紀、イタリア・フィレンツェ。
音楽と芸術が花開くこの街で、青年ルカは作曲家を志していた。
だが貧しい身分の彼には、貴族に仕えるような機会は訪れず、
教会の聖歌隊で日々をしのぐしかなかった。

そんなある日、教会に雇われていた老練なリュート奏者、マルコと出会う。
マルコはかつて宮廷で名を馳せた音楽家だったが、
今は失脚し、誰にも顧みられない存在となっていた。

若きルカは、マルコの技術に驚きながらも、
古い形式に固執する姿勢を嘲笑する。
一方のマルコは、ルカの才能を認めながらも、軽率な情熱を疎ましく思っていた。

だが、二人は同じ旋律を追っていた。
「魂を震わせる音楽を作りたい」——その一点で、心が重なっていく。

やがて、教会の命で二人が共同で作曲することになり、
若さと経験、理想と現実がぶつかり合う。
無数の夜を越え、完成した一曲は、
まるで歳月そのものが息を止めたかのように、
聴く者すべての心を打った。

——その日、人々は語り継ぐ。
——「歳月が邪魔しなかった日」——と。
第1話 出会いと旋律
2025/11/11 18:17
第2話 調和が崩れる時
2025/11/12 18:54
第3話 信仰の炎
2025/11/13 19:12
第4話 感情の奔流
2025/11/14 16:40
第5話 第三の音楽
2025/11/17 19:51
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