出会いとこれからの事
投稿遅くなりました。読みやすい様にして見ました。
ここは、異世界アースガルド。アースガルドは、三大陸からなり後は大小様々な島があり周りを海に囲まれた世界である。その中でも大きな大陸でもあるアース大陸には、五つの王国と二つの小国からなる大陸でガルド王国が主な話の舞台となる。
そして、ガルド王国の王都オスニアから徒歩で半日ほどに行ったところにある迷いの森と呼ばれているルプルの森の奥に一つの丸太小屋がある。そこには、かつてアース大陸一の魔術師と呼ばれていた人物が隠遁生活を送っている。彼の名は、ホロイド・コルティリア90歳である。
彼ホロイドは、今森の中で薬草を摘んでいる。ホロイドは、抱えている籠が一杯になると腰を上げ体を伸ばした。
「やれやれ、この年になると薬草摘みも楽ではないの。わしも、年をとったという事かの。帰ったら、温かいお茶を入れよう。」
ホロイドは、丸太小屋に帰るためにその場を立ち去った。そこから歩いて、しばらくすると自分の丸太小屋が見えてきた。あと少しで、丸太小屋に辿り着けるという時にホロイドの使い魔である梟のバーニングが彼の肩に飛び下りてきた。その慌てた様子にホロイドは、バーニングに問いかけた。
「どうしたんじゃ?。そんなに慌てて。精霊樹に、何かあったのか?。ん?バーニング。」
そうホロイドが聞くと、バーニングは精霊樹の方をしきりと見つめていて様子がおかしかった。その為ホロイドは、精霊樹のある場所に様子を見に行くために籠をその場におき使い魔のバーニングに見張りを頼むとその場を後にした。
しばらくすると、精霊樹が見えてきてその傍に幼い子供が蹲っていた。その子供こそ、草薙翡翠である。
「どうしたんじゃ?こんな森の奥に。森で遊んでいて、迷ったのならミル村まで送ろう。」
そうホロイドが、声をかけた。度々、この様な事が起こっているのだ。ルプルの森のすぐ傍に、ミル村という小さな村がありそこの子供達が迷いの森と呼ばれているここを遊び場にしていて、時折りホロイドの丸太小屋の辺りまで迷い込んで来る子供がいたからである。
ただ、精霊樹がある場所はそれよりも更に奥なので不思議に感じた。ホロイドが、もう一度声をかけようとしてその子供に近寄ったその時、不意に子供が顔を上げてホロイドを見上げてきた。それを見て、ホロイドは驚愕した。その子供は、年の頃10~12歳位の少女でこの世界では珍しい黒髪黒瞳でその色は闇そのものであった。
また、容姿も人形の様に整った愛らしい顔で体は村の子供達よりも一回り小さく華奢な感じがした。それよりも、ホロイドが驚いたのはその少女が着ている服(着物)が自分がこれまで見てきた事がない物だった。材質は、よく庶民が着ている綿で織られてはいたが色は深い青(藍色)で見た事のない模様(花火の絵付け)だった。
それを見たホロイドは、この少女は異世界からの渡り人と確信した。渡り人とは、このアースガルドが誕生した時から時折り異世界から渡ってくる人たちの事をそう呼んでいた。ただ、ここ500年程はその様な事が起きてはいなかった。
「ここは、何処で貴方は誰ですか?。できたら、詳しい事を教えてほしいのですが。」
少女は、鈴を転がす様な愛らしい声でホロイドに話しかけてきた。ホロイドは、その少女の声で我に返り少女にこう話しかけた。
「日も暮れてきたから、わしの小屋で話しをせんか?。お茶を飲みながら、詳しい事を話そうかの。」
「それは、良いですね。その方が、私も落ち着いて貴方に詳しい事が聞けると思います。それに、私自身も冷静になれると思いますから。」
少女は、ホロイドにその様に話しをかえしてきた。その少女は、外見年齢とはつり合わない様な理知的な瞳でホロイドを見上げてきた。その様子に、ホロイドは微かな違和感を感じていた。
「では、行こうかの。小屋は、ここから少し行った所にあるのじゃよ。」
そうホロイドが、少女をうながしながら精霊樹に背を向けて丸太小屋の方へ少女を導いた。しばらくすると、丸太小屋が見えてきた。ホロイドは、そこから少し離れた地面に置いてあった籠を拾い籠の番をしていてくれた使い魔のバーニングに声をかけた。その様子を少女は、興味深そうに見つめていた。それを見てホロイドは、少女に話しかけた。
「この梟は、わしの使い魔で名はバーニングじゃ。使い魔は、始めてみるかの。」
「ええ、使い魔は初めてみます。貴方は、魔法使いなのですか?。」
「そうじゃ。だが、ここでは魔術師というがの。」
その様な会話をしながら、ホロイドは少女を丸太小屋に招きいれた。丸太小屋に入ると、ホロイドの肩にとまっていたバーニングは彼の場所である丸太小屋のドアの直ぐ横にある止まり木に飛び移ると羽を休めた。
ホロイドは、丸太小屋の奥にある戸棚の前まで行きその中から二つの無骨な木のカップと茶筒を取り出してテーブルにおいた。そして、暖炉の火の上にかけてある鉄のポットをもってテーブルによりお茶の支度を整えるとドアの前に立っている少女にイスを勧めるとホロイドもイスに座った。
「さて、わしの名はホロイド・コルティリアじゃ。先程ほど、お主に言ったようにしがない魔術師じゃ。」
「私の名前は、ロールドといいます。」
少女がそう名のると、ホロイドは少女をじっと見つめて静かに話しかけてきた。
「ふむ。それは、お主の真の名かの?。お主のような異世界からの来訪者は、ここアースガルドでは渡り人というのじゃ。じゃからの、それほど気がまえる必要はない。じゃが、気を付けるにこした事はないが。ここ、500年程渡り人は来てはおらん。」
ホロイドは、少女にそう問いかえしてきた。それを聞いた少女は、少し目を細めるとその深い闇色の瞳でホロイドをじっと見つめながら話しかけてきた。
「さすがですね。私の名前は、草薙翡翠。こちら風に言い直すと、翡翠・草薙といいます。翡翠とおよび下さい。ホロイドさん。」
「わしも、ホロイドと呼んでくれるとありがたいんじゃが。翡翠か、良い名じゃ。翡翠、お主どうやってここアースガルドに来なさった?。詳しい事を、聞かせてくれんか?。」
翡翠は、ホロイドに聞かれるままここアースガルドに来た経緯や自分がもう成人していて異世界地球(日本)から来た事、日本では退魔師という仕事をしていた事を話した。ホロイドも、翡翠に聞かれるままここが異世界アースガルドでここアース大陸でガルド王国の王都オスニアから徒歩で半日ほどにあるルプルの森(迷いの森)でその森の奥にいる事や、この辺りの事を話した
それで分かった事は、翡翠が何かの役目がありそれが終わるまでは日本に帰る事ができない事。また、どうするかは翡翠自身が決めてもよい事と、今後どの様にしていけばいいかという事である。その中でも、翡翠はアース大陸の共通語や他の言語の聞き取りと読みは出来る事がわかったが文字が書けない事もわかった。
その為、ホロイドにアース大陸の共通語および他の言語の文字やこの世界での常識・習慣などを教えてもらう事になった。蛇足だが、神様オプションとして記憶力のアップ、身体能力はもはやチート。魔力は、ホロイドいわくガルド王国の宮廷魔術師になれるくらいで使用できる魔法は四大魔法(火・水・土・風)、光・闇の魔法の中級程度は使用できるとの事。そして最後に、翡翠自身の22歳の若返り。
私としても、若返り過ぎだと思う。せめて、もう少し上の15歳くらいが良かった。これでは、何かするにしても11歳という肉体年齢の為出来ない事の方がありすぎる。役目をおしつけるのなら、その事も考えてほしい。
「ホロイド、これから迷惑を掛けると思うけど宜しくお願いします。」
「なんの。わしも、これからの事を考えると楽しみじゃわい。翡翠、宜しくの。」
そう言うと、二人はそれぞれの右手を出してしっかりと握手を交わした。ここに、世界を超えた祖父と孫の誕生である
おまけ
主人公:草薙 翡翠 33歳 アースガルドでの名前:ロールド(ロル)
職業:表、売れない小説家。裏、退魔師 アースガルド:剣士・魔術師・退魔師
容姿:トリップ前・並、黒髪黒瞳。後・容姿端麗、闇色の黒髪黒瞳。
武器:日本刀で銘は、水月。退魔師の時は破龍。破龍は、退魔刀の為使いわけていた。
草薙流剣術・体術を習得している。どちらも、達人並み。ただし、トリっプ後は、身体能力がチートの為それ以上。
神様オプション:記憶力、身体能力ともにアップ。アース大陸の全言語聞き読みともにクリア。ただし、文字は書けない。
性格:大らか、多少のことでは動じない、少し計算的なところもある。天然。トリップ後、自分の外見が多少は見目が良くなった位にしか思っていない。
式神:十二神将(十二匹いて、日本では鬼と呼ばれ異世界アースガルドにはいない魔物)
ホロイド・コルティリア 90歳
元筆頭宮廷魔術師(20年程前に引退)、今はルプルの森で隠遁生活を送っている。また、高名な医師でもある為周辺の街や村の人達に慕われている。薬草摘みの時に、翡翠を発見保護する。20代の頃に結婚するが、妻とは死別し子供はいない。その為か、翡翠を孫のように可愛がりアースガルドの一般常識・習慣を教える傍ら、一般学問(国語・算数・礼儀作法)の他に自分の魔法・医学・薬草の知識を伝授する。翡翠と一緒に生活するも、4年後に老衰で死亡。
アースガルド用語
精霊樹:その名の通り、精霊が宿る樹で他のどの樹よりも巨大で立派。(日本の神社にある御神木の様な物)
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