表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
#魔法探偵の日常  作者: てもちぶたさん
7/11

第7話 刻まれた符号と迫る影――最後の警鐘

 魔法陣の周囲で激しい戦闘が繰り広げられていた。

 澪は冷静に敵の動きを観察しつつ、記録魔術で戦況を刻んでいく。


「灯、後方支援を頼む!」

「了解!」灯は素早く防御魔法陣を展開し、敵の呪文を弾き返した。


 詩織は巻物の呪文に集中し、封印を強化するための魔術を唱える。

「時間を稼ぐわよ」


 敵の魔術師たちは攻撃の手を緩めず、連携して三人を追い詰める。

 しかし、澪と灯のコンビネーションは敵の予想を超えていた。


「澪、左に回り込む!」灯が叫ぶ。

 澪は瞬時に反応し、敵の背後を狙う。


「このまま押し切る!」詩織も援護魔術で支援。


 一進一退の攻防の中、クロが突然輝きを放ち、光の翼を広げて敵に向かって飛び出した。

「クロ、いくよ!」灯が叫ぶ。


 クロの輝きは敵の魔術をかき消し、隙を作り出す。


「よし、今だ!」澪が敵の中心へと飛び込む。

 鋭い一撃で敵のリーダーに切り込んだ。


     *     *     *


 敵の魔術師リーダーは苦し紛れに呪文を詠唱した。

 しかし、詩織の封印強化が完了しつつあり、効果は薄れていた。


「諦めろ!」澪は力強く言い放つ。


 敵は後退し、仲間と共に闇に紛れて消え去った。


 三人は深く息をつき、戦いの余韻を感じながらも油断は許されないと悟る。


「これで終わりじゃない。もっと大きな敵が動いている」詩織が厳しい表情で言った。


「私たちも準備を急がないと」灯が決意を込めて頷く。


 澪は魔法陣を見つめながら、静かに呟いた。

「この封印の本当の意味を知るために、もっと調べる必要がある」


     *     *     *


 夜が更け、三人は探偵社に戻った。


 クロは疲れた様子で膝の上で丸くなり、灯はそっと撫でる。


「クロ、お疲れ様。みんな、まだまだ頑張らないとね」


 澪はパソコンの画面に向かい、新たな資料の解析を始めた。


「敵の次の動きを探ろう」


 詩織が巻物の余白に記された古代文字を読み解きながら、警戒を強める。


「この古文書には、封印された力の真実が隠されているはずよ」


 灯は澪に笑顔を向け、強い信頼を伝えた。


「一緒に、この街を守ろうね」


 深夜の探偵社は静寂に包まれていたが、澪たちの心はざわめいていた。

 巻物の解読は難航を極めている。


「この文様……どうしても解けない」詩織が眉を寄せる。


 澪は資料の山を見渡し、考え込む。

「古代の魔術の中に、現代魔術には無い符号が混じっている」


「それはつまり?」灯が首をかしげる。


「封印の本質が、我々の知識を超えているということ」


 クロは澪の肩に飛び乗り、かすかに喉を鳴らした。


「クロ、何か感じる?」灯が声をかける。


 その時、スマホが震えた。着信は葛城涼真からだった。


「急ぎだ、澪。新たな情報が入った」


 澪は即座に電話に出る。


「涼真、何があった?」


「敵の手先が別の封印地点を探している。位置はまだ特定できていないが、時間がない」


「わかった、すぐに動く」


 詩織もすぐに身支度を整え、灯はクロを抱きしめて準備を始めた。


「また新しい戦いが始まる」澪は覚悟を決める。


     *     *     *


 翌朝、三人は早朝の街へ繰り出した。


 澪は魔力計で周囲を慎重に探りながら、灯と詩織に指示を出す。


「この辺りを中心に探そう。封印の兆候があるはずだ」


 街の喧騒の中、古びた神社の境内で小さな魔力の反応を検知。


「ここかもしれない」灯が指差す。


 三人は息を合わせ、再び封印の謎に挑むのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ