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愛妻弁当と白昼夢
コンビニ店員にエプロン着けてもらって笑顔で弁当箱を風呂敷で包み手渡しするとき店内の入り口で手を握って欲しい。ついでに申しますと行ってきますのチューを額かほっぺにして欲しい。常々想っていたことだ。コンビニに愛妻弁当と愛妻がいて毎日笑顔で送ってくれる夢を。
笑えないブラックジョークだが、この際気にしはしない。企画部動いてくれ!? この世界に必要なのは機械的に動く店員じゃなくまるで愛妻のような愛嬌溢れる天使ちゃんなんだ!?
おお。神よ!? 救いがあるならばコンビニで夢を実現させてくれ!?
『・・・・・・キモいんだけど? あんた、疲れてない?』
『ハッ!?』
文学少女の見た目のコンビニ店員が、キス顔の俺を引いた目で見てずいっとコンビニ袋を突き出す。
『後ろ向きなやつを毎日笑顔にさせて、勤めている時間でも思い出し笑いさせるような笑いを届けて、いつか隙間なく笑顔で埋め尽くせるような毎日に出来てこそ漫才師だよ?』