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「スライムを焼いたらプリンだった」 ~異世界スイーツの誕生と絶望~
焼き尽くされた森の片隅で、ピクピク震えるスライムがいた。
「ピルル……ぷるぷる……」
可哀想なほど透明感のある個体。
見た目はほぼゼリー。だが、百目の目には――
「これはもうスイーツ。熱で固める系。」
「やめろ百目、それは魔物だぞ!?攻撃されるぞ!?」
「いや、甘い予感がする」
【低温ビーム照射モード:とろける系】
ジジジジジ……
スライム、ほんのり色づく。
ぷるぷるが……プルンッ……!
「できたな……異世界プリン。」
「食べるなぁぁぁぁ!!」
ラルスの絶叫もむなしく、百目はスライムをスプーンで掬って――
「ほう……ほんのり魔素風味。カラメル不要。」
「魔素風味って毒じゃねぇか!?お前だけ胃が異次元仕様かよ!!」
こうして生まれた伝説のスイーツ《スライムプリン》は、後に「作り方が倫理的に最悪」として販売禁止になる。
だが、百目は言った。
「焼きの美学に、命の区別なし」
「その思想が地獄なんだよ!!!」