『ドラゴン焼いたら保護団体が来た』 ~「火を噴くなら焼かれる覚悟をしろ」という間違った正義~
静寂な山岳地帯。
そこに現れたのは、全長30メートルの古代竜――アークドラゴン。
「グルルルルル……我を誰と心得る――」
「【軽く焼く】」
バァァアアアアアアンッ!!!
「グルゥウウウアアアアアア!!?」
その巨体は一瞬で表面パリパリ、中はジューシーな理想の火入れに。
焦げ目のついたウロコから、香ばしい匂いが漂う。
「……うむ。これはなかなか良いタンパク源……」
だが次の瞬間、空が暗くなった。
「ドラゴン保護機構《D.H.O(Dragon Hug Organization)》です!!この焼き行為は重罪です!!」
現れたのは、翼の生えたスーツ姿の団体職員たち。肩には「焼かないでドラゴン」と書かれたワッペン。
「あなた、アークドラゴンが準絶滅指定種だとご存じですか!? 年間生息確認数:3体ですよ!? そのうちの1体を“香ばしく”って何考えてるんですか!?」
「焼き加減の問題では……?」
「問題はそこじゃなァァァァい!!!」
こうして百目は、「焼かないと死ぬ病」と「焼いたら訴えられる現実」の板挟みに遭いながら、
ドラゴン保護団体に追われる日々を送ることとなった――
でも今日も言う。
「焼くとは、愛だ。」