**『ペットが神格化された日』** ~「信仰の炎は物理的に燃えていた」
村の入口で、妙な行列ができていた。
セリナ「なにこれ……?人だかり?」
ユラン「いや、あれは……祭壇?」
そこに鎮座していたのは――
**金色に輝く、コロッポ像。**
その下には、こう刻まれていた。
> 《炎の導き手・コロッポ大明神》
> 灼熱にして慈悲、焼却にして叡智。
> 信じれば、やがてあなたも燃える。
セリナ「うちのペット、勝手に神になってない?」
ユラン「完全に宗教法人立ち上げてるよな」
群衆「我らに熱を!」
群衆「焼きたまえ!」
群衆「ウチの畑も燃やしてください!!」
実際、その“ご利益”はあった。
・不作だった畑を一掃→土壌が豊かになった
・家ごと燃えて再建→火災保険が降りて裕福に
・家畜が炭になった→燻製肉として高値で取引
セリナ「いやこれ、冷静に考えて**全部ただの被害では?**」
ユラン「でも信者、増えてるぞ」
コロッポ本人はというと――
祭壇の中でタオル巻いて寝ていた。
「いやー、燃えた燃えた……信仰の炎って、マジで熱いのな」
ある日、別の宗教団体が抗議に来た。
神官A「このペット神、焼きすぎだ!!信者の髪がなくなったぞ!!」
コロッポ「信仰とは身を焦がすもの……そうは思わないか?」
百目(横で無言のビーム準備)
神官A「わ、わかった……帰る……すぐ帰る!」
一方、焼かれた信者たちは全員笑顔でこう語る。
「焼かれてよかった……心が軽くなった」
「家も仕事もなくなったけど、神はそこにいる」
「あと一焼きで、俺は転生できると思うんだ……」
セリナ「これはアウトでは?」
ついに、王国から\*\*「信仰規制局」が派遣\*\*されるも――
役人「この像……妙に温かい……もしかして、あのコロッポ様……?」
1時間後、役人も信者になっていた。
レオ「もう手遅れだな」
ユラン「あいつ、どこまで進化する気だ……?」
そしてその夜、
コロッポは焚き火の中でうつ伏せになりながらこう呟いた。
「……神ってのは、案外チョロいな」
今日もまた、どこかで誰かがコロッポに祈り、
燃えていた。
それが信仰であるなら――
百目のビームもまた、ひとつの奇跡である。
(なお、信仰による焼却被害は自己責任である)




