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『ゴーレムを焼いたら溶鉱炉になった』 ~副作用で工業革命が始まった~
「ラルス、あれはゴーレムだな」
「そうだな。魔石炉心で動く、鉄と魔法の兵器だ」
「焼けるな」
「おい待て、今回はちゃんと状況を――」
バアアアアアアン!!!
次の瞬間、ゴーレムは溶けていた。
しかも、その場に残されたのは光り輝く鉄塊、そして……
「なにこの、急に現れた溶鉱炉とベルトコンベアと鋳造炉みたいな光景……」
「焼いたら中の精錬炉が目覚めたらしい」
「お前、また現地技術を勝手に発掘すんな!!!!」
その後、百目がゴーレムを量産的に焼いた結果、
周囲に**「ゴーレム村工業団地」**が形成される。
その地はのちに「異世界初の鉄鋼都市」となり、
現地民からはこう呼ばれた。
――"目玉の父"。




