プロローグ メンチ切ったら現世から切られました
この作品はTwitter(現X)にてとある人物のRPにて生まれたタイトルを元に、chatGPTが現文を作成しました。
加筆修正を行っていますがAI生成の文章が苦手な方は、ご注意下さい。
俺の名は荒木隆司、三十路の元不良。喧嘩に明け暮れていた若い頃は、その鋭い目力で喧嘩相手を震え上がらせ、ヤクザからも一目置かれていた。「メンチの隆」と呼ばれた俺の睨み、通称“メンチ”はまさに無敵。そこらの人間なら、その眼光に晒されるだけで立ちすくみ、戦う前に戦意を失ってしまう。だが、今はただのしがない無職だ。
そんな俺の人生が変わったのは、いつものように日々を怠惰に過ごしていた日のことだった。
「お前、メンチ切らせてもらうぜ」
コンビニでいつものカップラーメンとビールを買い込んで帰る途中、若いチンピラが俺に絡んできた。
懐かしい台詞。昔の自分もこうだったと思い出し口元が緩む。
「はっ、やれるもんならやってみろ」
軽く言い返し、俺もメンチを切り返す。相手の目をじっと見据え、そのままじわじわと圧力をかけていく。チンピラは目を見開き、顔を青ざめさせながら後ずさり始めた。
「ひ、ひぃっ……!」
口から情けない声を漏らすと、そのまま尻餅をついて動かなくなった。俺はふっとため息をついて、そんな姿を見下ろした。
「……まだまだだな」
その時だった。突然、辺りが眩しい光に包まれた。何が起こったのか理解しようとするも、その眩しさに思わず目を閉じ足元がぐらりと揺れ、意識が遠のいていくのを感じた。
目を開けると、そこは見知らぬ場所だった。周囲は見渡す限りの荒野。どこか遠くには、城壁のようなものが見える。頭が混乱する中、俺は周りを見回した。
「ここは……どこだ?」
何が起きたのか理解できずにいると、目の前に奇妙な格好をした男が現れた。古い絵本に出てくるような魔法使いのような姿だ。長い白髪と髭を蓄えたその老人は、俺を見て微笑んだ。
「ようこそ、異世界へ。私は召喚士のゼルド。この世界を救うため、お前を召喚したのだ」
「異世界……?召喚?」
何を言っているのかさっぱり分からない。だが、ゼルドと名乗るその男は真剣な表情で続けた。
「そうだ。この世界には、今魔王という恐ろしい存在″フェミニ″が君臨している。奴を倒すためには特別な力を持った者が必要だ。君の“メンチ”は、我々の世界を救う鍵となる」
俺の“メンチ”が世界を救う?
あまりにも突拍子もない話に、思わず笑いがこみ上げてくる。
「ははっ、冗談きついな。俺の睨み一つで、世界を救えるってか?」
「冗談などでは無い、本当のことだ。君のメンチは特別だ。見た者の戦意を削ぎ、時には心を折る。その力を使えば魔王の軍勢すら打ち倒せるかもしれない」
ゼルドの目は真剣そのものだった。俺はその視線を見つめ返し、ふと冷静になった。もし本当にここが異世界で、俺の力が役に立つというのなら……面白いかもしれない。
向こうでは就活に転けてそのままやさぐれてた俺でも何かできるんじゃないか?
それならば……!
「分かった。とりあえず、何をすればいい?」
「よく言った。そうなればまずは、この国の王に会ってもらおう。そして、彼の指示に従い、魔王討伐の準備を進めるのだ」
俺は頷き、ゼルドに連れられて馬車へと乗り込んだ。
ゼルドと共に馬車に揺られてしばらくすると、前方に大きな門が見えてきた。街へと続くその門は、馬車から見ていた村や畑の様子からは想像もつかない程に立派で、門に連なって城壁が街を守っていた。まるで中世ヨーロッパの都市のようだが、どこか異国の風情が漂う。
「ここが我が国の王都、アランベルグだ」
ゼルドが馬車から降りながら言う。俺も続いて足を地に着け、見上げるように城壁を見た。
「すげぇな……まるで映画のセットみたいだ」
「そうだな、君の世界では映画という娯楽があったようだったな。だが、ここにはこちらの現実の人々が生活している。隆、今後は君がこの国の守護者として、人々の生活を守ることになるんだ」
「守護者ね……俺は元々無職だぜ?そんな大役が務まるのか?」
ゼルドは微笑み、軽く肩を叩いた。
「君には力がある。それが何であろうが、使い方次第だ。さぁ、街の中を歩いてみよう。多に謁見する前にこの世界のことを知っておくといい」
俺はゼルドに続いて門をくぐった。目の前に広がるのは、活気に満ちた街並みだった。
舗装された石畳の道には、様々な人々が行き交っている。露店では果物や野菜、肉に魚。豊富な食材が並んでいる。露天とは違うがっしりとした白い煉瓦のような建物では衣服や武具が並び、行商人たちが右へ左へと忙しなく商品を売り込んでいた。大きな協会の外で祈る者もいれば、子供たちが元気に駆け回る姿もある。
「なんだ、普通の街じゃねえか」
「そう思うか?注意してよく見てみろ。彼らの顔には一様に影が差している」
ゼルドの言葉に、改めて人々の表情を見てみると、確かに笑顔の裏に不安の色が見て取れた。彼らの目は、何かに怯えるように、どこか落ち着かない。
道端で話している主婦らしき女性達の話し声に耳を傾けると、近くの村では魔物の混乱に乗じて山賊も暴れているようだった。
「魔王の影響か?」
「その通りだ。魔王の軍勢が国境付近を襲い、村々を次々と壊滅させている。壊滅した村には山賊も現れ、どこも混乱と恐怖ばかりだ」
「なるほどな……」
俺はしばらく街の様子を眺めていたが、一際騒がしい声が聞こえてきた。数人の兵士が、露店の主人を取り囲み、何かを怒鳴りつけている。
「税を払えないだと?ふざけるな、これがこの国の法律だ。従わないならば店を畳んでもらう!」
「ま、待ってください……今は客足が少なく、どうしても金が。それに、税金ならばつい先日納めたばかりでは……」
露店の主人は必死に訴えるが、兵士たちは容赦なく商品を次々と蹴散らし、沢山の野菜が散らばっていく。周囲の人々は怖がってその様子を見守るばかりで、誰も止めに入ろうとしない。
「おい、あれはどういうことだ?」
俺はゼルドに尋ねたが、彼は眉をひそめて首を横に振った。
「この状況では、税の徴収も厳しくならざるを得ない。王国軍も財政難で苦しんでいる。だが、あれではまるで……」
言葉を濁すゼルドに代わり、俺は兵士たちの方へと歩み寄った。
「おい、何やってんだ?」
兵士たちは俺の声に振り返ると、兵士の一人が乱暴に睨み返してきた。
「なんだてめぇは?余計な口を出すな、こいつは法律に従わなかった罪人だ」
「罪人ねぇ……ただの商売人だろ。税金払えないくらいで、そんな扱いするのか?それに、税金は既に払ったようじゃないか?」
その言葉に反応したのは一番後ろで静かに見守っているだけの大柄な兵士だった。
「確かに今月の税金はしっかりと受けとっている。だがな、この戦火の中では軍事にも金が要る。だから追加徴税に来たって訳だ」
大柄な兵士が落ち着いて説明すると、周りの兵士達はまた店主に怒鳴り始める。
「これじゃあ盗賊や魔物と大差ないじゃん」
俺の一言に兵士は全員こちらを向き、明らかな敵意を剥き出しにした。
「貴様、何者かは存じ上げぬが今の言葉を撤回しろ。我々は王家直属の兵士、我々への愚弄は王家への愚弄と見受けるぞ」
「そいつは俺が力で捩じ伏せれば許されるか?」
俺が睨みつけると、兵士たちの顔色が変わった。先ほどまで威圧的だった態度が、一瞬で崩れ、後ずさるように体が震え始める。
「ひ、ひぃ……!な、何だこいつの目は……!」
「どけよ」
俺は一歩踏み出し、兵士たちを見据えた。彼らは完全に怯え、互いに顔を見合わせた後、慌ててその場を立ち去っていった。
「す、すみませんでした……!」
去り際に小さく謝罪する声を聞きながら、俺は露店の主人に向き直った。
「大丈夫か?」
「……あ、ありがとうございます。あなたは一体?」
「ただの通りすがりだ。気にすんな」
俺は軽く手を振り、その場を離れた。ゼルドがすぐに駆け寄ってくる。
「君の力を目の当たりにして改めて分かったよ……その“力”の威力は、並外れている」
「あんなの、大したことねぇよ。現実の世界じゃ、あんなのは日常茶飯事だった」
俺は肩をすくめて再び歩き出した。街の人々は俺に対して敬遠するような目で見ている。だが、それは恐怖の目ではなかった。どこか希望を見出そうとするようなそんな光が感じられた。
街を抜け、再び城に向かう道を進む。ゼルドは真剣な表情で俺に語りかけた。
「隆、君はただの喧嘩屋ではない。その力は、この世界を変えられるかもしれない。君の“メンチ”は、人々を守り、恐怖を退ける力だ。どうか、その力を我が国のために使ってくれ」
「……考えとくよ」
俺は気のない返事をしたが、胸の内で熱く感じるものがあった。異世界で、ただの目力だけでどこまでやれるのか……面白くなってきたじゃねぇか。
「城に着いたら、すぐに王に会ってもらう。彼に君の力を示し、直ぐにでも我々の仲間として迎え入れてもらうのだ」
「了解。まずはその王様の前で、俺のメンチがどれほどのもんか、見せてやろうじゃねぇか!」
俺たちは街を後にし、王城へと続く道を進んでいった。これが、俺の異世界成り上がりの第一歩になるとは、まだ誰も知らない——。
城の中は豪華絢爛で、まるでガキの頃に教科書で見た中世の宮殿のようだった。廊下を進むたびに、鎧を着た兵士や、美しいドレスをまとった女性たちが俺を不思議そうな目で見てくる。
ここは、お前がいるべき場所じゃないだろうに。と言いた気な、そんな視線を感じながら王の間にたどり着く。そこには、威厳に満ちた王が玉座に座り、その左右には騎士団長や魔法使いのような人物が控えていた。
「こちらが、私ゼルドが召喚した異世界の英雄です」
ゼルドの紹介に、王はじっくりと俺を見つめた。その視線は、俺を試すような鋭さがあった。
「ほう……お前が我が国を救うという男か。確かに、その眼光、ただ者ではないな」
「へぇ、よく分かるじゃねぇか。まだ何もしてないというのに俺のメンチを見破るとは、あんたもなかなかのもんだ」
俺は軽く嘲るように返した。だが、周囲の反応は冷ややかだった。特に、王の隣に立つ騎士団長は露骨に眉をひそめた。
「王よ、こんな男で本当に大丈夫なのですか?どう見ても、ただの一般人にしか見えません」
王は魔法使いからの言葉の返答に困っている。
俺は大きな溜め息を吐いて前に出た。
「なら、試してみるか?そこの騎士団長、俺の力を受けてみろよ」
「何だと?」
「ビビってんのか?俺の目を直視してみろ。それで、俺が本物かどうか分かるだろ」
挑発的な言葉に、騎士団長はむっとして俺の方に歩み寄った。その目は怒りに燃え、鋭い剣のような視線を俺に突きつけてくる。
「いいだろう。お前の“力”とやらを見せてみろ!」
騎士団長がそう言って、俺を睨みつける。だが、俺は一歩も引かず、その目をじっと見返した。そして、俺の中に眠る“メンチ”の力を解き放つ。
その瞬間、騎士団長の体は強ばり、額に汗が浮かび始めた。彼の顔は蒼白になり、次第に呼吸が荒くなっていく。
「くっ……こ、これは……」
騎士団長は震える手で剣を握りしめようとしたが、力は入らず、ついには膝をついてしまった。王と周囲の者たちは驚愕し、ざわめき始めた。
「どうだ、俺のメンチの味は」
俺は微笑みながら言い放ち、周囲を見渡した。その場にいた全員が、俺の目を避けるように視線を逸らした。
「これは……素晴らしい!」
王は感嘆の声を上げ、立ち上がった。
「お前には、この国の最強パーティー、“蒼天の剣”の一員として、魔王討伐に協力してもらう」
“蒼天の剣”……異世界での名の知れた精鋭パーティーだとか馬車でゼルドが話していたな。
少し考えた後、俺はその提案に首を横に振った。
「悪いが、俺は一匹狼だ。チームプレイは得意じゃねぇ」
「安心しろ。お前には特別な役割を用意する。お前のメンチを、交渉や敵対勢力との対峙において存分に使ってもらう」
交渉役……脅し役か。俺は一瞬迷い、結局頷いた。
「面白ぇじゃねぇか……。分かった、やってやるよ」
こうして俺は、蒼天の剣の一員として魔王討伐に挑むことになった。
パーティーに加わり、王都周辺の魔物の掃討の旅に出て八日が過ぎた。俺は黙ってその場にいるだけで敵を威圧し、戦わずして勝利に導くことができた。魔物だけでなく山賊に対しても俺のメンチは有効で、二日前から奴らは俺を目にしただけで逃げ出すことが多かった。
だが、その力に対する嫉妬や恐れが次第にパーティー内に不和を生んでいき、仲間から告げられた。
「お前の力は強すぎる。これ以上は一緒に行動することはできない」
「それは……俺はこのパーティーから追放ということか?」
「勇者もそう言ってるだろ?それに、お前のパーティー追放の話は提案は俺からしたんだ」
そう言ったのは剣士だった。
パーティーの剣士は俺とは初めから反りが合わなかった。無理もない、いきなり現れて斬る相手を全員切られては仕事がないのだから。
勇者の背中に隠れながら魔法使いも声を上げる。
「それに私達のパーティーは今まで、魔物の素材を売ってお金にしたり、山賊から取り返した物を人々に戻してそのお礼で旅をしてたの!」
俺はあっけに取られた。メンチだけで成り上がり、ここまで来た俺が、今度はメンチのせいで切られるとはなんとも皮肉な話だ。
「……分かったよ」
俺はすぐに荷物をまとめると、パーティーから去っていった。だが、このまま終わるつもりはない。メンチだけで成り上がった俺が、この交流で再び成り上がるまで、諦めるつもりはない。
「いいだろう、また一から始めてやるさ」
この異世界で、俺のメンチを通じた交流で、新たな仲間を作り、強敵をねじ伏せ、俺を切った奴らが後悔するほどの力を手に入れてやる。
「さあ、俺の力を見せてやる……」
再び立ち上がった俺は、熱く燃え上がる決意を胸に、異世界での新たな挑戦に踏み出すのだった。