嘘みたいな話
これはね…私が中学生時分の、私の目の前で起きた、信じられない話です。
その日、お昼は手抜きしようぜ、と合意した私達、母娘はカップ麺を食べました。正確にはうどん。
で私、食べ終わった。
母も食べ終わった。で、母が大あくびをしたんです。そりゃあ、見事な大あくび。その口の中に。
ハエが飛び込んだんです。
ごくり。
そして…阿鼻叫喚(大袈裟かな?)
「ハエ、飲み込んだ!」
「吐きな!指突っ込んで、吐きな!」
「嫌だ、うどん、もったいない!」
…うちの母ね、言うんですよ、「もったいない。吐くな。飲み込め」って。
無理だから。窒息死するから。
で揉めた挙句。
「とりあえず、腹薬飲んどくか」
昔の人なのでこう言ってますが、いわゆる整腸剤です。
私は「大丈夫なのー?」
母「大丈夫だ!死にゃせん」
数時間後。予期していた地獄の始まりです。まず嘔吐。次に下痢。
私は困惑しました。
下手に下痢止めない方が良いよな…?などと思ってると。
母は強い、というか、なんというか…
「あのハエめ…」と呻いて、ちびちび水を飲む。
で、結局。根性(?)で、うちの母、その地獄を乗り切ったんです。
病院も行かずに。
信じられないでしょ?
でも、本当にあったんですよ…。
ちなみにうちの母は色々恐ろしい人で、何かで下痢してた時に「この薬、飲んでみるかなー」と、『昭和○○年』と書かれた薬を(下痢止め)飲もうとした事あります。
全力で止めて、捨てさせましたが。
にしても、あの時のハエ…本当に吸い込まれるように入ってたな。
ハエもまさか、人間の胃の中で、最期を迎えるとは思わなかっただろうな…。