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リンカーネーション  作者: 鹿十
第四章 ブレイザブリク応戦編
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再会

人間界ミッドガルド北方高原に正体不明の式具を発見】


【王家の派遣した運送兵によって回収され、今は王都の地下倉庫の中に厳重保管されている】


【最上位魔術師や考古学者など、知見の深い有識者12名の収集、彼らによる分析と調査が依頼され、ついにその正体が判明】


神種しんしゅのみが持つことを許される13対の式具……通称、神器。その1対だ】


【『枢軸主』オーディンの神器、『グングニル』これが正体であると断定】


【その歴史的背景や所有権の異議申し立てから『グングニル』はジギタリス家の管轄下におかれることが決定】


【神器『グングニル』その効力は――――】



「首尾はどうだ」

「抜かりありません」


 暗闇の中で男二人が話し合っている。


「……樹界大戦時から早400年も経過した……ド・ノートルダムが結んだ契約儀式より、人間はこの400年で大きな力を蓄え類まれなる成長を遂げた」

「ええ」

「……主はまだ長い眠りについている。底が見えない深い場所で……ユミル・・・が訪れた時からずっと……この世界は狂っている……その乱れた歯車を正す時がきた……旋律通りの、正しい歴史、正しい世界へ改変するのだ、主が枢軸主として……君臨し統治する……正しき世界へ」

「ジギタリス家の名誉にかけて、このフィマフェングがあなた様の思想を実現いたします」

「フィマフェング……お前には期待している……原生魔獣と、そして系譜……数あるコマを有利に運び進めろ……さすればおのずと道は開ける。樹界大戦の屈辱を晴らすのだ」

「そのためのジギタリス家ですから」



 王都から1200名あまりの剣士が幽霊都市ブレイザブリクに派遣された。

 ブレイザブリクに住まう犯罪組織鎮圧のため。

 迎え撃つのは――裏で戦況を操るジギリタス家。

 この戦争が仕組まれたものであることは一部の者以外知る由もない。

 そして異世界の命運をかけることになるとも……誰も予測などしていなかった。



 陽太は傷が完治するまでの間、巫女の社で休養を取っていた。

 巫女の豊富な知識から巫術について学びつつ術式の理解を深めいずれ来るであろう実戦に向けて力を蓄えていた時だった。

 王都の兵から通達が届く。

 どうやら陽太の死刑執行は取り消されたらしい。

 巫女が裏でうまいこと手を回してくれたおかげで陽太の罪は晴らされたのだ。

 やはりブレイザブリクで生じている紛争に手を焼いているせいで王家も陽太に構っていられないのだろう。

 何はともあれ助かってよかったと胸をなでおろす陽太。

 

 そんな時、巫女の社にやってきた二人がいた。

 なでおろした胸がまた一段と鼓動を早めるのを感じた。

 

 サイドテールの金髪に猫のような朱色の目。

 紫色のぱっつん前髪に眠たそうなジト目。


 一気に2人も揃ってやってきやがった。

 フレンとスノトラの登場である。


「……ってことで、事情は分かったでしょ。アタシたち、釈放されたからやることなくてここに来たワケ、とりあえず寝床の一つでも用意してくれる?」

「贅沢なことは言わないわ……本が読めて毎日お風呂に入れて、美味しいものやお菓子が貰えば満足するのだわ。あ、あと魔術の研鑽のために式具も沢山在ると嬉しいのだけど」


 巫女の社の門を叩いてやってきやがったこの2人は。

 躊躇することもなく要件を叩きつけてくる。

 陽太は頭を掻きむしった後、状況を整理し始めた。


「えー……フレンは分かる。闘技場で見世物にされた後、釈放されてここにいるんだろ? ……で、スノトラは何?」

「私はフレン先生と一緒に行動してるだけかしら」

「フレン『先生』?」

「ああ、そう。スノトラはアタシの弟子になったから、アンタと同じ。よろしくね」

「そうなのよ、一番弟子だわ。陽太は二番弟子だから敬語を使ってくださる?」


 どうやらフレンが逮捕されたと聞いてスノトラも駆けつけて王都にやってきたらしい。

 しかもスノトラはフレンに弟子入りを頼んで先生扱いしてる始末。

 この2人ってこんなに仲良かったっけ?


 巫女の社の門の前であたふたしていると。

 奥の部屋から巫女が顔を出した。


「あれ、お客様かな?」

「……ヨータ、このひとは誰?」

「この人は巫女さんだ」

「ああどうも、巫女って呼ばれてます。ヴォルヴァといいます」

「ふーん……アンタがアタシを釈放してくれた人?」

「あ、うんそうだよ。ってことはこの子が魔族フレンちゃん?」

「そうだよ」俺はこたえる。

「……礼を言っておくわ。いつか礼は返すから。借りたままなのは性に合わないの」

 

 強がるようにいうフレン。

 そんなフレンを見て俺は付け加えるように言う。


「まあ、プライドが高い奴なんすよ。今のはフレンなりのお礼です」

「うるさいわ。余計なこと言うんじゃないのよ、ヨータ」フレンが陽太の足を軽く蹴った。

「まあとりあえず、二人ともあがってよ。お茶でも出すからさ」


 巫女が軽い口調で話す。

 彼女のオープンで親近感溢れる歓迎に誘われ、フレンとスノトラは巫女の社の中に入っていく。

 こうして陽太とフレン、スノトラの三人は無事に再開することができた。


 だが、大きな戦いに巻き込まれる運命にあるとは、この時は誰も思ってはいなかっただろう。

 

 


 


  

 

 

 

 

 

 

 



 





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