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リンカーネーション  作者: 鹿十
第五章 ラグナロク編
109/193

「座」③

間違い修正

「座」①にて、「原初アダム」と書きましたが、これは「原初ユミル」の間違いです

ちょくちょく「原初ユミル」のことをアダムと書いてしまう癖があるんで注意してください…

アダムなんて人物は登場してません。ただの誤字です、すみません…


補足情報

これから前書きでは、本文で書くまでもないくらいの裏設定などを補足情報としてちょくちょく入れていきたいと思います。

神種除いた9種族の中で平均的に一番強いのは巨人種で、次点に獣人種が来ます。

魔種ばかりが敵として登場するので霞みがちですが、魔種は本来そんなに強い種ではありません。

ただし、魔種は上位種は別格で強く、種としての平均的な強さは獣人より大きく劣ります。

というか、獣人は皆、かなり強いです。

獣人100体、魔種100体を無作為に連れてきてバトらせたら9対1の比で獣人が圧勝します。

獣人とやっとまともに戦えるのが中位魔種くらいからですね。


逆に獣人種は皆強いですが、悪く言えば突出した者が少なく。

原生の種や最上位の階級には及びません





「これで大丈夫だ」


 そう呟く大月の背後には無数の死体がある。

 400年前、かつては歴戦の英兵だった猛者たちーーエインヘリヤルも。

 根源の異なる力‐‐別世界の法則そのものには敵わない。


 熾烈な大月vsエインヘリヤルの戦いが終わると。

 ひょっこりと影からアザミが出てきて、大月の元へ駆け寄った。

 大月は根が張り巡らされ囲われた、光の白い真球ーー世界樹の中枢『原初ユミル』の魂を見つめている。


「それで……これが『座』ですよね」


 アザミは問いかけた。

 大月はゆっくりと頷いて


「ああ、『原初ユミル』の魂、『座』だ」

「どうやって破壊するんですか?」

「……今から何万年も前、この異世界は構築された。此岸の人間たる『原初ユミル』を宿主・・として『ユグドラシル』が契約儀式を結んだことでな。今からそのウン万年も前から続く『原初ユミル』と『ユグドラシル』の契約を破棄させる」

「……どうやって? 他者間の契約儀式に第三者は介入不可なのが原則ですが」

「契約の更新だ。『大樹の盟約』や『魔術革命』のように……新たな契約を外部から結び、この異世界に新たな法則を付与することは可能だ。今からそれと似たようなことをする」

「だから……契約儀式は術式とはまるで異なることは知っていますよね? 契約儀式はあくまで契約、双方にメリットとデメリットが共存する形でないと成立しない。『大樹の盟約』や『魔術革命』はそれ相応の対価を払われて契約が樹立されたわけですよね? 十三神使族が結んでいる『大樹の盟約』は神種が危機に瀕したときの救済措置機構として、『魔術革命』は『樹界大戦締結への全面的な協力』を約束して始めて契約が儀式として成立したわけです。大月……貴方は何を差し出すのですか? ただの異世界漂流者である貴方が、原初ユミルに差し出せるものなんて何があるのでしょうか?」


 アザミの怒涛の質問と正論攻めに対し。

 大月は黙り込む。

 何かを真剣に考えている表情だ。

 いや、迷っている、そう表したほうが適切な顔つきをしている。

 そして


「こればっかりはお前さんにも言えないな。秘密事項だ」

「ちぇっ」

「じゃあ、俺はちょっくら、原初ユミルと契約儀式を結びにいくぜ、大丈夫だ安心しろアザミ、全ては巫女様のために、上手くいくような、そんな旋律を描く」

「分かりましたよ」


 そう言うと、大月は光の真球に手を当てた。

 すると、大月の体が真球に飲み込まれ消えていく。

 原初アダムの母体内ーーいや虚数領域に侵入したのだ。


 しばらくすると。

 大月が真球から出てくる。

 何も変わらぬ様子で。

 軽い態度で、待ちくたびれて眠りこけていたアザミの頬を軽く叩き。


「おい、終わったぞ」


 アザミは眠い目をこすり寝ぼけた声で


「ああ、契約儀式を結べたのですか?」

「まあな。これで俺達の目的ーー『座』の破壊及び奪還は達成した」

「なんかいまいち達成したって気になりませんよ、アザミは。だって木と根が生い茂ってる湿っけの多い空間でアザミはただ寝ていただけですもん」

「そりゃアザミはな。こっちは苦労しっぱなしだ」


 まあいいや、と言いたげな表情でアザミは立ち上がり。

 着用していた黒いコートに付着した土をはらってから


「ではこれで、『座』の権能は、無事nーー」


 アザミが言葉を言い終わる前に大月が口を挟んだ。


「ああ、この異世界で『原初ユミル』に次いで因果律の高い魂……即ち『巫女ヴォルヴァ』に引き継がれたってわけだ、な」


 旋律は、各々の思惑を巡り、交差し、収斂する。

 しかし選ばれるのはただ一つの道筋。

 行き着くは一つの『結果』のみ。


 最終的な世界の結果ーーラグナロクが、徐々に近づきつつあった。

 

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