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 仮想二十一世紀──。


 人間は『吸血鬼』と『一般人』に分かれ、共存している。

 吸血鬼は、おとぎ話のように日光に弱くない。ニンニクも十字架も恐れはしない。

 優れた身体能力と容姿と長寿をもち、社会に貢献することが義務づけられていた。

 一般人は、吸血鬼に血を提供することをもって成人とされる。一度吸血鬼に血を提供すると、その吸血鬼によって生涯を保障される。吸血鬼の業に巻き込むからだと言われている。

 だから、吸血鬼は相手を慎重に選ばなくてはならない。

 業に巻き込む──それは、『魂の契り』を結んだ一般人が、その瞬間から、吸血鬼と寿命を共有することになるからだ。

 若さは最適な状態に保たれ、吸血鬼が天寿をまっとうするときまで共に生き続ける。

 吸血鬼は十六歳の誕生日の後に初めて迎える満月まで吸血せずとも一般人のように暮らせるけれど、その後は血液を欲する。

 かといって、無差別に吸血してはならないと定められている。吸血鬼の始祖──『帝』が定めたのだ。

 帝は、魂の契りを結ぶ一般人を、ただ一人と定めた。


 吸血鬼と一般人は、一対一で結ばれて生涯を共に生きる。吸血鬼の寿命は個体差があるものの、一般人よりは遙かに長い。吸血鬼はその長い歳月、ただ一人だけを慈しむ。

 吸血鬼の寿命は短くて二百年。長ければ千年を超える。帝に近い血筋ほど寿命は長くなる。帝は三千年にわたって世に君臨したという。今なお、どこかで魂の契りを交わした相手と寄り添いながら生きているだろうと言う人もいる。

 そして、吸血鬼と一般人と分かれていれば、場合によって二種族の間に子供が生まれることもある。

 それは『ダンピール』と呼ばれていて、一割が吸血鬼となり、残りのほとんどは一般人となる。しかし、吸血鬼となったダンピールのなかには魂の契りを交わさずとも一般人の血を『味見』できてしまう輩もいる。そのダンピールの容姿は一般人と変わらないため、一般人に紛れているので厄介だ。


 魂の契りとは? 吸血鬼と一般人はどう生活しているのか?

 それは、これから語る物語だ。



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