はじめの第一歩
目が覚めると、俺は草原で寝っ転がっていた。
近くには死んだときに持っていたギターと鞄、それと近くの地図がきれいに置かれている。
楽器はそのまま送ってくれたのか。ありがたい。
地図にはご丁寧に現在地が点となっていて、俺が動くと点も動く。ゲームみたいだ。
地図をスマホみたいにイジると縮尺の拡大、縮小ができて多分この世界全体見れる。
これも女神の裁量で追加されたものだろうか?通常特典とか言ってたな。強化前がわからんけど……なるほどこういったものを要求すればよかったのか。
なにはともあれ、とりあえず人のいる場所に行かなければ…………そういや言葉通じるのだろうか?そこんとこも通常特典に入ってるのか?
気になったので鞄の中から説明書を取り出した。
分厚!?説明書じゃなくて説明辞書だろこれ。えーっと……目次、歌唱魔法、演奏魔法、この2つだけで半分くらいページ使ってる。
…………地図の使い方、万能楽器の使い方、これじゃないな。
自動翻訳?これだ!
なになに?俺はこの世界のどんな言語も日本語として聞こえ、俺の発する言葉はこの世界の住民一人一人の最も使い慣れた言葉に翻訳されて聞こえる。なお、モンスターや動物には効果なし。通訳になれば金には困らなそうだな。
てゆーか、自動翻訳の説明これだけ?最後のページにちょろっとしか書かれてない。残りは……後でいいや。この分厚さ見たら読む気失せる。
よし、だったら言葉は通じるから人とあっても意思疎通できる。
俺はギターケースと鞄を持って、地図を片手に大きな道のある方へ歩き始めた。