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息子夫婦と能力

「いらっしゃい…………なんだ、父さんか」


「お義父さん、お帰りなさい」


 宿屋のカウンターにいた、ほわわんとした雰囲気の女性と、コック帽を被った料理人の男性は翔の子供の夫婦のようだ。

 男性の口調が気楽だから息子夫婦だろう。


「ここって家族経営なんですか?」


「そうだよ。父さんたちが開いて、今は母さんが女将をしているんだ。ところで君誰?父さんの冒険仲間かい?」


 冒険仲間。ファンタジー世界じゃなかったら何だか遊んでるように聞こえるな。

 自分の子供から言われると想像するときつい。


「違う。新しい被害者仲間だ。梨音、紹介するよ。息子のシュン・タチバナとその嫁さんのティファ・タチバナだ」


「神楽梨音です」


「よろしく。被害者にしては礼儀正しいね。良いことだ」


 シュンと挨拶している間に翔とティファがチェックインをしてくれた。

 旅行とかしたことないからやったことないので勝手にやってくれてありがたい。


「母さん呼ぼうか?」


「いや、後で会いにいくからいいよ。とりあえず梨音を部屋に案内する」


 翔に付いて行き、部屋に入って一息つく。

 一日しか経ってないけど今までのことが一気に疲れとなって、俺はベッドに倒れ込んだ。


「ははっ。まあ、二日目だし、初日は野宿だったから仕方ないか。どうだ?ベッドや布団のありがたみを感じるだろう?」


「はい。それはもう」


 もう二度と町の外に出るもんか。


「なあ、お前の能力って何なんだ?」


 翔に聞かれ、よく把握してないことを言うべきか悩むと、彼はその沈黙を勘違いした。


「ああ、悪い悪い。自分の手札は簡単に晒せないよな。まず俺の能力から説明するよ。俺の能力は札封術。モンスターを倒すとこの紙の札にするんだ。この札は人や物に貼りつけることでモンスターの力の一部を引き出したり、モンスターを直接出して戦わせたりできる」

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