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親切な門兵たち

 見えてきた街の門には十数人の列ができてる。


「あれは?」


「街に入るのに身分を確認しているのですよ。犯罪者を街に入れるわけにはいきませんからね。リオンさんは私が被害者だと説明したら通してもらえますよ」


 自己申告なの?セキュリティガバガバすぎやしないか?

 俺は本物だから演奏とかで被害者だとアピールできるけど、一芸に秀でてる奴だったら誤魔化せるし、攻撃系の能力だったらなにもない所に攻撃しても大惨事になる気がする。


「リオンさんを送ったと女神様が一番近くの街の教会に連絡するのですよ。教会は街の門兵に近頃被害者が現れるから被害者を自称する者がいたら教会に連れてきてくれと伝えておいて、教会で名前などで確認を取るんです。だから少なくとも門前払いということは無いですよ」


 なるほど。だったら偽物も現れないか。教会の人と門兵しか被害者が新しく来たことを知らないんだから。


「被害者?そんな連絡きてないぞ」


 そんな話をして門兵に被害者だと言うと止められてしまった。

 連絡入ってないのか!?


「あれ?おかしいですね」


「エニシ君が嘘を言うとは思ってない。それにペガサスを懐かせている時点で非凡な存在であることは分かる。だが、本当に私達は何も知らされてないんだ」


 エニシと知り合いらしい門兵の隊長は俺とペガサスを見ながら首を傾げた。


「あのー、女神って定期的に俺みたいな運命を狂わした存在をどじでつくりだしてるんですよね?そんな大ポカやらかしまくる神なら連絡ミスくらいするのでは?」


「「んー、ありえる」」


 俺の為に渋滞を作るわけにはいかないからとりあえず列から離れて、これからどうするか相談した。


「連絡ミスなら教会から直接、女神に聞くことはできないんですか?」


「女神との交信は祭日以外は余程のことがない限りしてはならないとされてるが、まあ、今回は余程のことだろう。おい、教会にこの件を伝えてきてくれ」


 隊長は後ろに立っていた部下を教会まで確認させに行かせた。

 街に来て早速トラブルかと思ったが、案外すんなり行きそうだ。


「色々やってもらって恐縮です。ですがどうしてここまで親切にしてくれるんですか?」


「ここで適当な仕事して追い返して、もし他国とかで確認されて本物だと分かったら国家的に大損だし、私達も首になるだろ」


 ごもっともだ。

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