3話 覚醒とエルフ族の少女
基本的に主人公の発言は「」で書きます
サブキャラの発言は「「」」鍵かっこ二重で書きます。
水がふつふつと湧く音で目が覚めた。
目の痛みは引いている。しかし、視界が紅い。
それに、視界の端に文字が映し出されている。
――――
個体 リル・アレイスは〇〇に〇〇する眼が覚醒した。
固有才能:鑑定が使用可能です。
――――
不思議だ、この目はどうなってしまったのだろうか。
固有才能:鑑定が使用可能と書いてある。
とりあえず今は情報が必要だ。
「固有才能:鑑定を発動。」
声に出してみる。
すると、目の前の空間に石板のようなものが現れた。
個体名 ローフェン(リル・アレイス)
性別 男
年齢 8歳
戦闘才能:【剣術5】489/1000 【格闘術5】478/1000 【槍術3:MAX】289/300 【弓術3:MAX】219/300
魔法才能:【土属性魔法4】443/500【水属性魔法2MAX】89/100
固有才能:【鑑定10:MAX】
神級才能:【#%&対#す*眼Ex】 【$#%の%&*Ex】 no active
どうやら自分の情報が映し出されているようだ。
僕が使える魔法の属性は土と水の二つ、父から学んだ戦闘術もすべて正しい。
しかし、この横の数字は何だろうか。さらには、文字化けしているものまである。
とりあえず、鑑定は個人の才能を文字として映し出すことができるものという認識ができる。
問題は自分以外にも使えるのかどうか。
「んんん、朝だ。んんんんんんん~っしょ。」
向かいのベッドでエルフ族のセレーネが目を覚ました。
セレーネを鑑定 僕は心の中で念じた。
視界には僕の情報が書かれた石板の代わりにセレーネの情報が映し出された。
個体名 セレーネ
性別 女
年齢 9歳
戦闘才能 【剣術1】0/10 【弓術1:MAX】
魔法才能 【風魔法5】421/1000
固有才能 【神速MAX】【絶対両断MAX】
神級才能 【剣神の加護Ex】【風精霊の加護Ex】
うん、声に出さずとも鑑定は行えるし、他人でも鑑定できるらしい。
しかし、セレーネの才能にはすさまじいものがあるな。
剣神の加護、風精霊の加護なんてものがある。
僕のものは文字化けして読めないのにセレーネのはわかる。
うらやましい限りだ。しかし、このMAXとはどういう意味なのだろう。
うん、セレーネに興味が湧いた。
僕はセレーネとの交友関係を築くことを目標にした。
「セレーネ、おはよう。」
「「ん、なに。あなたと仲良くなった覚えないけど。」」
椅子に座ったセレーネは不機嫌な顔でこちらをにらんでくる。
昨日のアルフォードと同じだ。
アルフォードのように腕相撲で認めてくれたりはしないよな。
「「おはよう、ローフェン。ネルフォードもほら。」」
「「お、、はよう、ございま、、す。」」
「うん、おはよう。」
噂をしたら、アルフォードと妹のネルフォードが起きてきた。
おっと、それよりも今日はセレーネだ。
「セレーネ、昨日はよく眠れた?僕は環境が変わって初めてだったからあまり寝付けなくて。」
「「あ、そう。話しかけないでよ。」」
「あ、ごめんなさい。」
僕はなぜこんなにも嫌われているのだろうか。
うん、こういうのは元々嫌っていたアルフォードに聞けばわかるかもしれない。
僕は朝の食事が始まっても流れる気まずい空気のもとパンを頬張った。
「「みんな、今日は戦闘訓練の日です。ローフェン君は初めてよね。戦闘訓練参加する人!」」
ランカさんが気まずい空気に耐えかねて声をかける。
どうやら孤児院には将来独立するためにいろいろなことを習うと昨日の説明で話していた。
ランカさんの問いかけに、アルフォードとセレーネが静かに手を上げる。
セレーネが参加するので僕も慌てて手を挙げた。
セレーネの能力を見るいい機会だ。
その実力見極めさせてもらおう。
ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。
これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします。