2話 孤児院と腕相撲
基本的に主人公の発言は「」で書きます。
サブキャラの発言は「「」」鍵かっこ二重で書きます。
僕はリントブルムと別れてから孤児院の戸をたたいた。
孤児院が見える限りの草原に囲まれており、その中心に質素な小屋があるだけだった。
孤児院としてはかなり小さいと思う。
王都の孤児院では数十人の子供を養っており、この建物の倍ほどの大きさがなければ運営していけないはずだ。
それはともかく、院長に挨拶をしなければならない。
「すいません、ランカさんお見えになりますか。」
「「はい、少し待ってください。」」
返事はすぐに返ってきた。孤児院の扉が開く。
中から出てきたのは、茶髪を綺麗に伸ばした藍色の瞳の女性だった。
「「あなたがリル・アレイス君?」」
「はい、そうですが、これからはローフェンとお呼びください」
「「わかったわ、ローフェン君!これからよろしくね。」」
「よろしくお願いします。」
僕はランカさんに挨拶をすると孤児院の中を案内された。
孤児院の中は、寝室といっても、二段ベッドが四つあるだけの部屋とトイレにキッチンと食事をするためのスペースがあるだけである。
外には井戸があるだけで草原が広がっている。
そして、僕以外の孤児は全部で6人。
それぞれ椅子に座りテーブルについているか隅のほうで地べたに座り丸くなっている。
案内が終わるとランカさんが僕の紹介をほかの孤児にした。
「「みんな、これから新しく入るローフェン君です。仲良くしてね!」」
「ローフェンです。どうぞよろしく」
「「「「「「……」」」」」」
全員が警戒しているのか、返事が返ってこない。
僕をにらみつけてくるものや、興味のまなざしを向けてくるものもいる。
「「ローフェン君、ごめんね、みんなそれぞれ事情があって…代わりにあたしが紹介するね。椅子に座っている、金髪が綺麗なこの子はエルフ族のセレーネちゃん。仲良く二人で座ってる、男の子が竜人族のアルフォード君、その妹のネルフォードちゃん。右隅でうとうとしているのがドワーフ族のピッグル君。左隅で丸まってるのが魚人族のディーバちゃんね。あと今は食料調達で森にいる、狐族のキロクちゃんがいるわ。みんな、悪い子じゃないから。これからよろしくね。」」
「みんな、よろしく。新参者で怪しいかもしれないが仲良くしてくれると助かる。」
俺はみんなへのあいさつを済ますと近くの椅子に座る。
「「何勝手に座っているんだ、そこはランカさんの席だ」」
竜人族の少年がにらみつけてくる。
「これはすまない、どこなら空いているのだろうか?」
「「お前の席はない。新入り、上下関係わからせてやるよ。」」
「ん、なるほど。僕はここに来たばかりだからここのルールに従おう。
何かで勝負すればいいのかな?負けたほうが勝ったほうに従えばいい?」
「「おう、話が分かるじゃないか。喧嘩だ。単純で明快でわかりやすい。」」
「わかった。しかし、ランカさんはいいのかい?あまり暴力的なことはやめたほうがいいと思うけど。」
「「喧嘩はだめよ、アルフォード君もローフェン君も」」
僕たちの会話をランカさんが止める。
だが、これではアルフォードのいう上下関係が決まらない。
「よし、それではこうしよう。腕相撲で僕と勝負だ。」
「「はっは、お前それ本気で言っているのか、竜人族が人族に負けるわけないだろう。」」
「なら決まりだ。」
それから、ランカさん審判の元、僕VSアルフォードの腕相撲が開始された。
僕は呼吸を整える、アルフォードと手を組みテーブルの上へ。
ランカさんの腕が両者の腕に乗っかる。
「「よーい、ドン。」」
ランカさんの合図で始まったかと思った勝負は一瞬にして僕の勝利で終わった。
アルフォードの腕はテーブルにつき、何が起こったのかわからないでいる。
周りの人たちもその光景をぽかんと眺めていた。
「「うそ、人族が竜人族に勝てるなんて。」」
エルフ族の少女セレーネが驚きの声を上げた。
そして何よりも驚いているのは負けたアルフォード自身だった。
「僕の勝ちだ。アルフォード。これで認めてもらえるかな。」
「「っく、俺の負けだ。ローフェンお前強いんだな。」」
アルフォードは手を前に差し出す。
僕はそれを握り握手を交わした。
それからはみんなで朝の食事をとり、孤児院のルールについて詳しく聞かされた。
1.食事は朝と夜の二回。
2.井戸の水浴びは女性陣が先で男性は後。
3.寝る時間は21の刻。
の三つが主なルールらしい。
説明の後は自由時間となり各自外に出たり屋内でうとうとしたりと自由に過ごした。
僕は屋内で今後について考えた。
まず、目標はジーク、ケルタニア王国への復讐。
それには、国に対抗する武力、経済力が必要になってくる。
そのためには、財源と人脈と労働力をそろえる必要がある。
現状、周りにいる人材は孤児院の7人。
幸運なことにみんな種族もばらけており、活躍の幅が広い。
復讐のためなら何でもすると誓った。利用できるものは利用する。
考えていると日は暮れ夜となりご飯を食べ、眠る時間となった。
俺は2段ベッドで下はランカさん上が僕で寝ることになった。
しかし、慣れない環境だからだろうかなかなか寝つけない。
目の奥がすごく熱い。
思いだせば、昨日母が殺された時から目の奥が熱くなることがある。
熱さがだんだん痛みに代わる。目から涙が溢れる。
紅い、視界が赤い。
いたいイタイあかい痛いアカイいたい赤い痛い紅い…
ここまで読んでいただきた誠にありがとうございます。
これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします。