表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/54

11話 裏切り

基本的に主人公の発言は「」で書きます。

サブキャラの発言は「「」」鍵かっこ二重で書きます。

僕は焦げ臭いにおいで目を覚ました。


目を覚ますとそこには妹のリンが僕の頭を膝にのせてくれていた。


「「兄さん、ごめんなさい。」」


リンは今までずっと泣いていたのだろう。


目の周りをパンパンにはらし、頬には涙が伝った跡がくっきりと残っていた。


「リン、迎えに来たよ。情けない兄でごめんな。」


僕はリンに謝ると起き上がった。


体はどこも痛くなく、逆に前よりも軽くなった気がする。


「リン、最小限の荷物をもってここから出よう。」


僕はリンに脱出を促すとリンは頷いて、速やかに支度を済ませた。


僕は部屋の窓を開ける。


窓を開けると、屋敷の一回から煙が上がっているのが見える。


リントブルム達の偽装係もうまくやっているようだった。


僕はリンを抱え窓から飛び出した。


窓の外に魔法でつくった鉱物の階段を僕は一歩ずつ確実に降りる。


地面につくとリンを下ろし、手をつなぐ。


「この道の先に仲間がいるから、ついてきて。」


「「はい、兄さん。」」


僕とリンは順調に道を歩き、ルートがいる待機場所まで着くことができた。


しかし、待機場所にはルートの姿はなかった。


僕が周囲を見回し、ルートを探していると遥か上空、家の屋根に人影を見つけた。


その人影は、僕たちに気づくと下に降りてきた。


「「よう、ローフェン。無事うまくいったようだな。妹も無事みたいだ。」」


その人影はクロックだった。


「「ローフェン?兄さんのこと?」」


妹は僕が偽名で呼ばれたことを不思議がっていたが、僕がこれまでのことを簡単に説明することで納得してくれた。


「クロックさん、ルートさんはどこにいるか知ってますか?」


「「いや、俺が来た時にはいなかった。あいつはどこで何をしているのか」」


どうやら、クロックもルートの行方を知らないようだ。


僕たちはしばらく待ってみた。


すると、遠くから足音と同時に戦闘音が聞こえた。


僕たち3人はその音の方に目を向けた。


すると、そこには、ここにいない残りの3人がいた。


ランカとルートがリントブルムを襲っているように見えた。


僕は仲間内で争っている光景に困惑していたが、クロックも状況を理解できていないようだった。


「「ローフェン、妹と一緒にここにいろ。」」


クロックはそう言うと、争っている、3人の間に割って入った。


「「おい、何をしている。仲間内で揉めるなど、今がどういう状況かわかっているのか?」」


クロックの言葉が夜の道に響く。


「「クロック、そこの裏切り者を捕まえてくれ。」」


ルートがリントブルムの方を指さし叫ぶ。


「「裏切者とはどういうことだ。ルート。リントブルムが裏切ったというのか。」」


「「そうだ。リン様を連れて、オーガニ島国に帰る作戦だったが、そいつが俺の邪魔をしたんだ。あー、そういえばクロックお前もこのことを知らされていなかったか。」」


ルートがあざ笑うような視線をクロックに向ける。


どういうことだ?


僕が聞いた作戦では、ルートの転移能力でサルマン帝国に転移するはずではなかったのか。


ということは最初から僕たちをだましていたのか。


「「リン様の時属性魔法は俺たち鬼人族にとって必要不可欠なものだ。それを他国で匿うと本気で思っていたのか?これだから、クロックの馬鹿は。」」


ルートはさらに衝撃的な事実を口にする。


ルートが鬼人族、ということは他のみんなもそうなのだろうか。


そういえば、昔ランカさんを鑑定したとき年齢を見ることができなかった。


まさかとは、思ったがそういうことだったのか。


僕はすべてのことを理解し、それと同時に妹を連れ去ろうとした裏切り者がいたことに腹が立って仕方がなかった。


「ルートォオォオオォォ!!!」


僕は怒りの声を上げ、ルートに突進した。


僕はその時、自分の感情をセーブすることができなかった。


ルートに対する憎悪が限界に達し、僕の視界が紅く染まった。


――――個体名 ローフェンの怒りの感情が限界値を突破しました。


【#%&対#す*眼Ex】により、敵を殲滅します。―――


僕の体は記憶の再現をしているときのように自由は聞かず、ルートを襲うという一点にのみ集中して体を動かす。


僕はルートに突っ込み、鞘におさまった剣を抜き放つ。


龍王の一閃ドラゴンズ・ア・レイサー


放った一撃は大地をえぐり、周囲の建物を半壊させた。


ルートは転移能力でリンの後ろまで移動し回避していた。


「「いやー。すごい威力。でも、転移でかわせる僕には関係ないか。妹さんもらってくね。」」


ルートは妹の腕をつかむ。


僕の視界にその光景が移った瞬間、僕の体は熱くなり、見たこともないスピードでルートとの距離を詰める。


ルートの首元を僕の腕がつかむ。


次の瞬間、ルートの転移能力によって僕たちの体はケルタニア王国を離れた。


ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。

誤字報告助かりました。後書きの中ではございますが、本当にありがとうございます。

これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ