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10話 しばしの休暇と才能のぶつかり

基本的に主人公の発言は「」で書きます。

サブキャラの発言は「「」」鍵かっこ二重で書きます。

あの激闘から10日ほど経った。


あの日食べたご馳走のおかげか僕と子供たちの関係はよくなった。


まず、最初の腕相撲によって仲良くなったアルフォードの妹のネルフォードが僕に話しかけてくれるようになった。


また、毎日セレーネと行っている剣の稽古をアルフォードの槍の稽古についてきて眺めるようになった。


次に、ドワーフ族のピッグル。


前までは無関心で、会話だけでなく視線すら合わせてくれなかったが今では無言ですごくみられる。


次は魚人族のディーバ。


青色の瞳に綺麗な紫髪を伸ばした彼女は朝の挨拶をしてくれるようになった。


セレーネはいつもと変わらず剣の稽古に付き合ってくれる。


そして、その剣の稽古に体が治ったキロクが参加してくれるようになった。


今日も今日とて剣の稽古に励んでいるわけだが、、、


「「ほい、ほい、童の剣技、おりゃゃゃぁぁぁっぁぁぁぁ!」」


「「甘いわ、このセレーネさまの剣技、やあぁぁぁっぁぁぁ!」」


互いの剣がぶつかる。


セレーネには【絶対両断】があるが、どうやら稽古用の木剣では発動しないらしい。


それにしても、見事な剣激である。


セレーネは【神速】のスピードでキロクを翻弄しながら攻撃している。


対してキロクは一歩も動かず、セレーネの剣をさばいている。


キロクは攻撃こそできないが、すべて適格に防いでいる。


逆に、セレーネは完全に攻撃に転じている。


結果は、決め手がなくセレーネのスタミナ切れで幕を閉じた。


「「ちょっと休憩。はぁっぁはぁっはぁ。」」


「「ふー、それにしてもセレーネの速さはすごいな。まるで見えん。」」


「「キロクこそ、一歩も動かず防いでるじゃない。」」


キロクがセレーネを妹と呼ぶのはいつの間にかなくなっていた。


「キロクはセレーネのあの速さが見えてないのだろ?どうやって防いでいるんだ?」


「「む、うまく言えんのだが勘とにおいあとは音だな。それでなんとかだ。」」


なるほど、キロクは狐族。人族よりも敏感に何かを感じ取るのだろう。


それとも、何かしらの才能がかかわっているのだろうか。


「「よし、回復した。ローフェンつぎやろう!」」


「よし、やろうか。」


今度はセレーネと僕で決闘をすることにした。


セレーネは鋭く速い攻撃を繰り出してくる。


対する僕にはその才能に対抗する策が今のところない。


ということで、少しずるをさせてもらう。


セレーネも無意識だが【神速】を使っているのだからお互い様だろう。


運命神の記憶館(オーダー・メモリーズ)Ex】を発動。


――――

個体名 セレーネの【神速MAX】に対抗できる最適な記憶をインストールします。


インストール完了。再生します。


視界がゆがみ、世界が変わる。


血と大地が焼けるにおいにまみれた戦場。


男は一人立っていた。


見知らぬ鎧、反りのある剣を腰に下げ男は曇天の空を見上げる。


前方からは敵兵が何十人も押し寄せてくる。


僕の体は力を抜き、腰を落とした。


右手を剣におき、まだ鞘からは抜かない。


そして、目をつぶる。


敵兵の足音と鎧がこすれる音が近づいてくる。


刹那にして僕は剣を振りぬいた。


その瞬間、空を雷鳴が引き裂いた。


男の後に残ったのは、無残な死体の数々だった。


そして、世界は戻る。


セレーネとの決闘が始まる。


セレーネは当然【神速】による高速戦闘を行う。


当然、僕の目には何も見えない。だから僕は何もみない。


木剣は腰のところで構え、目をつむる。


先ほどの記憶と同じ状態を体が無意識に僕の精神が意図的に再現する。


姿はもちろん見えない。


だが、代わりに風を切る音そして確かに感じる気配。


後ろだ。


 そう感じた瞬間僕は体のひねりを開放し、剣を振りぬいた。


僕の剣がセレーネの剣を弾き飛ばし、彼女の首筋に僕の剣がふれる。


「「うそ、まけた。」」


「僕の勝ちだ、セレーネ。」


僕はセレーネに笑いかけた。


そこには確かな実感とあの技に対する理解があった。


決闘の終わりの瞬間、僕の視界に文字が流れた。


――――

記憶の影響により、【剣術】が【刀剣術】に変化しました。

――――


あの反りのある剣は刀剣というのか。


僕は自身を鑑定する。


個体名 ローフェン(リル・アレイス)


性別 男


年齢 8歳


戦闘才能:【格闘術5】765/1000 【槍術3:MAX】【弓術3:MAX】


魔法才能:【土属性魔5】888/1000【水属性魔法2:MAX】 


固有才能:【鑑定10:MAX】 【柔術1】9/10 【鉱物の処女の微笑み:MAX】【刀剣術】【無の境地 明鏡止水:MAX】


神級才能:【#%&対#す*眼Ex】 【運命神の記憶館(オーダー・メモリーズ)


先ほど剣術が変化した【刀剣術】と【無の境地 明鏡止水:MAX】が増えている。


「「すごいな、さっきのはなんだ。童はすごい興味があるぞ。」」


「「そうよ、ローフェン。私のスピードについてこれないと思ってたのに。」」


「さっきのは、鞘に入ったままの剣をイメージして抜く動作をしただけだよ。連撃じゃなくて一撃必殺のみを考えた剣術。セレーネのスピードにはついていけなかったよ。だから、見なかったんだ。目を閉じた。あとはキロクが言った音と勘だけでセレーネの位置を見分けただけ。」


二人は目を輝かせながら僕の話に耳を傾ける。


この二人はこれからもっと伸びるんだろうなとこの時の僕は強く思った。


ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。

これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします。

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