優し過ぎるあなたへ
他人の痛みをまるで自分のことのように受け止めては心を痛めているあなた。
理不尽なことや相手に都合のいいだけの話も素直に受け入れてしまうあなた。
いつだって自分のことは後回しで他人のことばかり優先させてしまうあなた。
傷つけられてもグッと堪え痛みや苦しみを当たり前に我慢してしまうあなた。
ねぇ、何でそんな優しいの?辛くないの?苦しくないの?本当に大丈夫なの?
ねぇ、何で他の人にはそんなにも優しいのに自分には優しくしてあげないの?
「ねぇ、あなたは優し過ぎるんだよ。もっと自分中心に考えていいんだよ。」
そう言いつつ泣くわたしに「あなたは本当に優しいのね。」とあなたが言う。
違う。優しいのはわたしじゃない。
違う。優しいのはあなたなんだよ。
あなたの優しさは美しくて、眩しくて、真っ白で、真っ直ぐで、澄んでいて、
美し過ぎて、眩し過ぎて、真っ白過ぎて、真っ直ぐ過ぎて、澄み過ぎていて、
壊したくなる。傷つけたくなる。汚したくなる。真っ黒に、ドロドロにして。
まるでこの世のものではないようだから。
この完璧さが足枷になっていそうだから。
優しいあなたが好き。
だけど何故かあなたは
自分に優しく出来ない。
そんなところは大嫌い。
優し過ぎるあなたの優しさ。
それをほんの少しだけでも、
自分に注いであげて下さい。