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color of mind

かまぼこの縁は何色か?

作者: 雨沢華

多くの人が当たり前だと思っているかまぼこの縁の色・・・

それを聞かれた主人公は戸惑いを隠せなかった。


私の静かなお昼の時間は何色になるんだ?

 

お昼のチャイムが鳴る。私たちの学校は学食よりも弁当持参の生徒が多い。

私の家もお弁当である。


私、河内和泉のお弁当には毎日かまぼこが入っている。


お弁当の時間になると私は屋上へ行く。私のお気に入りの場所である。


私は考え事をしながらお弁当の蓋を開ける。そして耳をそばだててカウントダウンをはじめる。

屋上の扉に続く鉄階段を上る足音が近づいてくる。


くる!!!

私はカウントダウンがおわるとともに振り向いた。

そこには今年度の4月に入った後輩?が立っていた。


「先輩!!今日のかまぼこの縁の色は何色ですか?!!!」


私は吹き出す。

「いつも通りピンクだよ。」


かまぼこの縁の色はいつもピンクに決まっている。けれどその後輩は私の回答の後にいうのだ。


「今日はたぶんオレンジです。」






私とこのおかしな後輩の出会いは2週間前のことである。私は屋上で一人でお弁当を食べることが好きだ。

1年生の時はクラスに仲がいい友人もいたから教室で食べることもあった。しかしやはり週に1度は必ず個々で一人で食べるようにしていた。そうしないと心が疲れてしまうから。

2年生になって仲がいいことクラスが離れてしまった。それからは毎日一人で食べることにしている。

仲がいい子達とは放課後の空手部で会うことができるからだ。新しいクラスでむりに馴染もうとする必要性を感じていない。


その後輩は屋上の昼休みに憧れてここにきたらしい。毎日きているわけではない。

ただ、くるときはだいたい足音がするので分かるようになった。

憧れでここにきたら美女ではなく、ごく普通の高校生より少しくらいであろう私がいたというわけである。その後輩は私に対してなにもいわなかったけれど・・・・


その後輩の名前は藤井という。下の名前は信久のぶひさである。これは最近聞き出した。

藤井は私の隣で週に3回弁当を食べる。そして毎回きくのだ。


「かまぼこの縁の色は何色ですか?」と

初めて聞かれたとき私はふざけているのかとおもった。ピンクに決まっているじゃないか!!

しかし・・・そのあと全面真っ白のものがあることが分かった。にしてもだそれ以外を知らない。


2度目のお弁当タイムの時藤井にきいてみた。するともっと驚くことをいった。


「かまぼこって表面真っ白じゃないですか!どれも変わらないんです。けれどもだからオーラがちがうのかなって思ったんですよ。人間みたいに・・・・あ・・・」


確かに表面は真っ白である。

かまぼこは外の縁の色が違うだけで真っ白である。

けれども人間みたいとはどういうことだろうか?藤井は黙ってしまっている。


その日はそのことについてもう触れなかった。次の日は入りたい部活とかについて相談されたからこの話は1週間後に持ち越された。先週きた藤井は謝りだした。もちろんその前にかまぼこの色について変わらないか確認して・・・・


「あのとき雰囲気悪くしましたよね・・・」

私はそのつもりはなかった。けれどもまるで私のほんの少しの戸惑いさえも見透かしていたかのような謝罪の仕方であった。私は困ってしまった。だからきいた。


「なにをそんなにきにしているの?いって!!」


藤井はすこし黙った後にいった。

「俺 人の発するオーラの色が見えるんです。」


詳しく聞いた。人と話している最中少しでも意識をそらすとと人の身体が白く光ってみえてしまうらしい。

そしてまわりにいろいろな色の光がみえるらしいのだ。


普段話しているときもどちらかというと光を認識していることが多いらしい。

話しがつまらないとか全く聞いていないと言うわけではないらしい。

1対1かつ会話だけに集中すれば見えなくすることができる。けれども様々な人や事柄に注意を向ける必要がある大勢での会話中は光がよりはっきりみえてしまうという。


色は気分によって変わるということが分かっているとのことだった。

私はすんなりとそのことを受け入れてしまった。空手でいう熱気のことだろうかとおもったからだ。

試合中や試合展開によって人の発する熱量が違うことがたまにある。

息づかいも少しずつ違うと父からも教えられた。


「へぇ・・・で それがかまぼこに似ていると?」

「まぁそんな感じです。・・・・」

「面白いたとえをするね」


藤井はしばらく私のことを不思議そうにみていたし、その週は少し警戒している様子が見られた。けれども私がその週の終わりに


「そんない警戒しないでよ。言いふらしても私にとっていいことないし・・・むしろうらやましいかな?人の気分が少しでも分かるの。私は空手の試合中はそこそこわかるようになったけれど。でも日常会話は苦手だよ。息づかいとか分からないし。みなさん表情見えないし」


「真っ白だよねみな」


藤井は最後に付け足した。そう真っ白なんだ。

かまぼこは白いけれどいつもピンクをだしている。美味しそうにたべてくれというように



そして今週その後輩は私にこんな提案をしてきた。

「GWのうち部活がない日にどこかいきませんか?」


うーん・・・・

これはどうすればいいんだ??私は戸惑った。

ただどこかいってもいいような気はしている。

だからきいた。


「いま私は何色?」


藤井は笑って言った。


「黄色かなぁ・・・ピンクに近いのかなぁ・・・」


いや、単色以外も見えるのか・・・・

私はニコッリ笑ってこたえた。


「いやいきたいんだ。でもこれは・・・・?」

「デートですね」


・・・・・・


たぶん私の顔の色はピンクだ。





















こんにちは

最後まで読んでくださりありがとうございます。

タイトルからして分からないと思います。

けれどもこんな感じで連載とまでは行きませんが2人の話をたまに書いていこうと思います!



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