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プロローグ―転生するのじゃ!

初投稿になるがよろしく頼むのじゃ


転生、説明回だから読み飛ばしても問題なかろう

最後の十行ちょっとを読めば大体わかるのじゃ


「ここは……?」


 目を覚ますと、上下もわからない真っ暗な空間に、真っ白に光る球体が浮かんでいた。自分の状態を確認しようと首を動かそうとするも、自分の体というものが認識できない。


『おはようございます、霧生さん』


「うおっ、なんじゃこれは!喋った!?」


『驚かせてしまって申し訳ありません。私はあなたのいた世界を管理する者です。わかりやすく言うと神のようなものだと思ってください』


 なんか光る球体が胡散臭いことを言っているが……状況からしてわしの関知していない超常の存在であることは間違いない。他に当てはまるものは私の知識にはないし、ここは神様だということにして話を進めるとしよう。そしてまさか神様が直々に会いに来るとは思わんかったが恐らく


「わしは死んだんじゃな」


『……ええ、死後の世界に行く前にお願いしたいことがありまして、急遽作ったこの空間にお越しいただきました』


 自称神によると霧生蓮、つまりわしは83歳にして寿命で亡くなったらしい。そこでわしに記憶を保持したまま転生して第二の人生を歩んでほしいとのことじゃ。

 しかし、いくら神であることが自称だとはいえ、このような空間に私を閉じ込められるだけの力がある時点で頼みを聞かないという選択肢はなかろう。それでも強制的に転移させて命令ではなく、お願いするということから悪意はないと判断できる。


『人間が記憶を保持した状態で転生するために必要な条件がありまして、一つ目に大きな犯罪を犯していないこと。二つ目に寿命による死亡であること。最後に保有するマナの量が一定以上であること。他にも細かく色々と条件はあるのですが、それらを全て満たした場合に可能になります』


「犯罪を犯した者はいけないというのはわかるが、何故事故や病気などはダメなんじゃ?」


 『それは死後の世界に辿りつくまでは、死んだ時の状態が保持されたままだからです。そして死後の世界に辿りついた魂は癒され、現世での記憶など全てを捨てて新たな命として転生するのです」


 つまり死んだ者が記憶を失う前に途中で介入する必要があり、事故や病気で死んだ場合は介入しても会話がままならないという訳か、そして最後の条件が


「ふむ、保有するマナが一定以上であること……なるほどわからん。マナとはなんじゃ?」


『全ての生物は体内にマナというものを持っていて、マナを血液のように循環させることで生命活動を維持しており、体内のマナが潤沢であれば魔法を使うことができます。個人の持つマナの総量というものは、鍛練や時間経過で多少増減するものの、生まれた時にある程度決まっており、これは転生をする度に少しずつ減少していきます。ここまではよろしいですか?』


「わしのいた世界では魔法使いなんぞ、物語に出てくる程度じゃったぞ?」


 もしかしたら大昔や裏の世界などでは本物の魔法使いもいたのかもしれないが、テレビに出てくる呪術師などは胡散臭さしかなく、本物だとしても大した魔法を使えるものでもないはずじゃ。


『それは魔法を使える世界と使えない世界があるからです。あなたがいた魔法の使えない世界は、マナが少ない者が転生し魂を癒す場所になっています。転生し続けてマナが一定値を下回ると、転生するために必要なマナが足りなってしまうため、そうなる前に魔法の使えない世界で魂を休息します。休息してマナがある程度回復した者は、また魔法の使える世界に戻るのです。それを繰り返すことで延々とマナを循環させています』


『また、魔法というのは体内のマナを使用して、大気中のマナをコントロールすることによって起こす現象です。魔法が使えないのは大気中にマナがないからですね。極稀に使える者がいるのは、長年の訓練をした上で自分の体内のマナを消費して魔法を使っているからです。そちらの世界の魔法使いのイメージと言えば大体はご年配の方々でしょう?それくらいの修練を積んだ上で自らの寿命を削って魔法を使っているのです。休息のために魔法の使えない世界に送ったというのに、何をしているんだか……。あ、魔法少女などはただの妄想です』


 それは触れてはならないのじゃ!あれには大人たちの欲望と子供の夢や希望が詰まってるんじゃ!まぁそれは置いておいて、世界のシステムについてはわかったが一体私に頼む事とどう関係しているかが全く見えてこない。何も力を持っていない老人に一体何をさせようというのか。


『ここからが本題なのですが、あなたには記憶を持ったまま魔法世界で転生して頂きたいのです。本来ですとマナが一定値を超えた魂は自動的に魔法世界に転生するシステムになっています。ですがあなたの場合、一定値を超えても同じ世界に転生し続けてしまい保有マナがありえない量になっています。それこそ我々に匹敵するであろうくらいに』


 は?ただの老人にそんな能力あるわけがなかろう。あるのは生前、剣術道場で齢十六にして免許皆伝をもらい、調子に乗って色々な武器に手を出したり道場破りをして歩いていたくらいじゃ。……あれは若気の至りじゃった。

 まぁ、二十後半くらいの頃にはちゃんと帰ってきて道場を継いで師範になったのじゃ。それからは大人しく道場に引きこもって、弟子を育てつつもネトゲばかりする生活をしておったわ。


『信じられないかもしれませんが、事実です。マナの量が膨大というだけであって、今はまだそこまで強いわけではありませんが、そう遠くない未来あなたの魂は神へと昇華するかもしれません。それだけ強くなる素質を秘めているということになります』


「つまり潜在的に神に至る程に強くなれる素質があると。神なんぞ面倒くさそうなものにはなりたくないんじゃが……。それで、ただ転生すればいいだけという訳でもなかろう?転生した後は何をすればいいんじゃ」


 さすがに転生すればいいだけという訳でもないじゃろう。頑張って神になって仕事手伝ってね、とかそういうことは強制でないなら却下じゃ。あまり面倒な事はしたくないのじゃ。それより異世界にはネット回線はあるのじゃろうか、ラノベとかじゃと大体中世っぽい世界が多いが。


『あなたには魔王として転生し他の魔王達を殲滅、もしくは統制して頂きたい』


 魔王になって魔王を倒せ?そこは勇者じゃないのかの?魔王っていうからには強いだろうし面倒じゃのう。しかし、そんなもの私がわざわざ転生しなくても、神がどうにかすればいいのではないだろうか?


『実は魔法世界エリュシオンの管理者と魔王が不穏な動きを見せているのです。我々を統括している主神様が処理して下されば早いのですが……あのクソ主神は(疲れたからちょっと一億年ほど旅行行ってくるね☆ 探さないでください)とかいうふざけた書き置きを残してどっか行きやがったのです』


「……は?」


『クソ主神がいなくなった直後、世界の理など知らぬはずの魔王の一部が何故か人々からマナを奪い始めたのです。おそらくその世界を管理している神が関わっていると思われます。神と魔王が結託しているのか、魔王が踊らされているだけか、はたまた洗脳されているのか、それはまだわかりませんが」


 それはまた……神様も大変なんじゃな。つまり、向こうの神と関わっている魔王を探し出して潰してくれということか。悪者しかいないなら全部ぶっ潰して終わりなんじゃが、何人もいる中から怪しい動きをしているやつを探し出して潰さないといけない。腹の探り合いは苦手なんじゃがのぉ。


「それで、その面倒な尻拭いの報酬は記憶保持での転生だけかのぉ?もちろん転生特典はたっぷりと付けてくれるんじゃろうな?文明レベルがどの程度かは知らぬが、中世のような世界なら何もなしに放り込まれても、すぐに死んでしまうのではないかのぉ」


 こんな二度とない機会楽しまないと損じゃからな、すぐに死んだりしたらもったいない。できるかぎり生き残ってわしはネトゲの続きをするんじゃ!


『ええ、あちらの世界の神に気付かれないようにする必要性はありますので、限度はありますが不自由なく暮らせるようにします。転生してもらう予定のダンジョンのコアからこの空間の狭間への道を繋げ、向こうの物を取り寄せられるようにしましょう。自分の管理する世界の参考にするために、他の世界を覗き見ることは神の間では一般的なので問題はないでしょう。ただし際限なく取り寄せられるのは問題がありますので、対価として通貨を頂きます。他に何か必要なものがあればお聞かせください。できる限り要望に応えます』


「ネット回線!それからパソコンと携帯じゃ!それがないとわしは生きていけんのじゃ!」


『え、ええと、ですが向こうの世界の文明を考えますと「それがないなら転生なんかしないのじゃ!」……わかりました。では、あなた専用のアーティファクトとして不壊と帰属解除不可の属性をつけた上でしたら許可しましょう』


「やったのじゃー!これで向こうでもネトゲし放題なのじゃ!」


 これで死ぬ前にやり残したことができるのじゃ!まだクリアしてないゲームやらがいっぱいあるし、ネトゲもやらなくてはならんからな。


「あ、あと異世界転生のテンプレとしてアイテムボックスも欲しいのじゃ」


『いいでしょう。アイテムボックスは時属性魔法の初期魔法ですから時属性適正を……そういえば種族はどうしますか?人族に似た容姿を持つものだと限られてしまいますが』


「そうか、魔王だから魔族になるんじゃな。そういうことなら夜遅くでも活動できるような種族がいいのぉ」


『では、吸血鬼なんかがおすすめですね。夜目も利きますし、種族特性で空も飛べます。肉体的にも強固で魔法も得意な万能種族です』


 向こうの世界でも弱点が多そうな言い伝えがあるそうだが、にんにくは鼻がいいから臭いだけ、十字架は魔族全般が光耐性低めなだけ、銀武器に至っては脆すぎて殴ったら武器が壊れるとのことじゃ。

 なら吸血鬼で決まりじゃな。これで夜も寝落ちすることなくゲームができる。


『最後に魔法適正です。先ほどつけた時属性、吸血鬼固有の闇属性の他に、メインとなる属性を選んでください』


 属性には基本属性として火、水、風、地、光、闇があるそうじゃ。わしの場合色々な武器を作れそうな地属性かのぉ。その場でパッと武器を作ったり切り替えたりしながら戦うとか厨二臭くて恰好いいし、トリッキーで強そうなのじゃ。


『残念ながら地属性では周りに土がない場合、マナを使用して土を作り出さないといけない分マナ消費が激しくなるためメインの属性としてはおすすめできません。その点、氷属性なら空気中の水分を凍らせる事が出来るため、火山とかでもない限りそのようなことにはなりませんし、そういう使い方でしたら氷がおすすめです』


 氷、闇、時の3属性を操る吸血鬼……いいのぉ、すごく厨二心をくすぐるのじゃ。そうじゃな見た目はダンディーな感じで黒いコートを羽織って……どっちかと言うとヴァンパイアハンターみたいじゃな。吸血鬼を狩る吸血鬼、それも素晴らしいのじゃ。


『では、最終確認です。種族は吸血鬼、魔法適正は氷闇時の3つ、さらに向こうの世界のアイテムの取り寄せ、帰属と不壊が付与されたパソコンと携帯にネット回線。以上でよろしければ転生を開始します。また転生時にはあなたの思い描く理想の姿に転生されます』


「ああ、ひとつ大事な事を忘れておったわ。――お主の名を教えてくれ」


『私の名はセレスティア。それでは、よい旅路を』


 視界が暗転する――。これで向こうの世界ともお別れじゃな。思えばいい人生じゃった。弟子を育てきれなかった事と、妻を娶れなかった事は心残りじゃな。ああ、魔法世界の問題が解決したら、伴侶を作り静かに暮らしたいものじゃ。

 自分の体が形作られていく――。孫とかいたら可愛いんじゃろうなー、吸血鬼の孫か、銀髪ロングで透き通るような白い肌に紅色の眼。いいのぉ、理想の孫じゃ。お爺ちゃん!とか言われたいのぉ。

 目を開けるとそこには――



プロローグからして既に迷走しておるので小さな改稿はする可能性もあるのじゃ


今までは読む専門だったんじゃが、ノリと勢いで書いてみたのじゃ!

魔王としての仕事もある故、不定期更新じゃがよろしく頼むのじゃ!


17/9/26

・無駄な空白を削除

・鑑定スキルを削除(後日スマホの機能として追加する可能性あり)

・言い回しなど細かなところを微妙に修正(物語に影響はなし)

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