・
一番上の紙には[ sky window ]と書かれていた。
卯衣はそれを受け取り、クリップで止めてある紙をめくってみた。二枚目には、あらすじと登場人物が書かれていた。三枚目には、役と台詞が書かれている。四枚目、五枚目、六枚目、
これは卯衣も見慣れてきた、演劇の台本だ。
この高校の演劇部は最近強くなってきた。
部員も少なく、顧問の指導が熱いわけでもないのだが、ストーリーがいい。ここ最近、部長が書く創作台本にしてから評価が上がったのだ。
卯衣自身も、まだ中学生だった去年、ここの文化祭で部長の書いた脚本の劇を観て涙を流した。心が温まる話だった。観た人は、全員優しい気持ちになれたと思う。
そのストーリーは、どことなく卯衣の好きな作家の昔の小説と似ていた。もっともっと見たいと思った。だから、演劇部に入った。
そして、今この手にある台本もそんな台本のような気がした。優しくて、切なくて、心が温まるストーリー。
私は彼を見た。
二人の視線が合わさると、彼は慌てて席を立ち図書室から出ようとした。
「待って!!」
彼はその場に立ち止まった。
「これ、先輩が書いたんですよね?」|(彼が履いているスリッパの色は3年生の学年色だった。)
微かに頷くと、先輩はそのまま図書室から出ていった。




