表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の続きがみたい  作者: 篠村隼嘉
1/2

始まりの夢

私は最近、不意に自分が死んでしまった世界を想像する。

それはおそらく、私は今が幸せで、この時間が永遠でないことを自覚するためであると思う。そして、自分が死んだ後、有希には有希の人生を謳歌してほしいと願うからだと思う。





優しい物語が好きだ。楽しい小説が好き。

そして、声に出して読むことが好き。この気持ちに嘘はない。

小学生のときの宿題で、音読があった。幼い私はひらがなだらけのそのお話を一生懸命に読んでいた。今思えば、あの頃から言葉や文章を声に出して読むことが好きだった。

だから私の夢は漠然と決まっていたのかもしれない。

それでも、有希ゆうきがいなかったら、私は今の世界に対応しきれなかっただろう。



高校での初めての夏休みが終わり、私が昼休みに図書室に通うようになった頃、彼のことを知った。

いつでも彼は、昼休みのはじめから終わりまで、ずっと窓際の席に座っていた。何かを書いているようで、時折窓をボーッと見ては突然思い付いたようにシャーペンを走らせていた。



ある日彼は、机に突っ伏していた。昼休み中ずっと。

それが3日続いた。

そして、それは突然起こった。

「ういさん、」

彼は斜め後ろの少し離れた席に座っていた私を見つめていた。

卯衣ういさんだよね。  これ、」

腕を伸ばし、紙の束を私に向けた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ