訓練2
次話投稿遅くなりすみませんでした┏○ペコッ
ネタは、ネタはあるんです。書き進まないだけで・・・。
って事で今回もお楽しみいただけたら幸いです(笑)
「さて、森に着いた訳やねんけど、とりあえず狩って貰う目標の確認な。ほんまは緩めにゴブリン仕留める事にしようと思っててんけど少し難易度上げて1匹でいるはぐれノーマルゴブリンを仲間を呼ぶ前に仕留める事や。」
森の入り口でハナキは確認をとってくる。森の入り口は危険を示す立札があり、覗くと薄暗く、木や植物のせいで見通しも悪そうであるため、奇襲に注意しなければいけないなと考えつつ聞いてるとわからない単語が出すぎて少し顔をしかめてしまう。
「そんな顔せんでも危ない時は助けたるし、この森の生き物は全体的に弱い部類のんばっかやで?」
「あぁ、いや狩りをするのには問題ないんだがはぐれだとかノーマルだとか仲間呼ぶとかわからない単語が出てきたからな。ちょっとその辺から説明してくれると助かる。」
「あっ、そやな。どこから説明しよか?とりあえず、まずはこの森の事やな。名前は恵みの森。通称ベアーズの森。エルダーベアーズって魔物がこの森の主をやってる。この主が来るまではその名の通り、ちょっと危険はあるけど高級食材の宝庫で人気の採取場所やった。オイフィシュって言う刺し身はサーモンみたいな油の乗った味がするのに茹でれば高級河豚みたいにプリプリになって、焼けば秋刀魚みたいになる魚や、エルダービーって言う蜂が作るめちゃくちゃ甘いのにくどくなく一度食べたら止まらへんぐらいの旨さの中毒性があるはちみつが取れたり、ホーグって言う再生能力が高く、脳と心臓さえあればなんぼでも復活できる角生えたイノシシみたいなんの肉とかが取れたりすんねん。もちろん、肉もめちゃくちゃうまいで。それらを主食にエルダーベアーズが居座ったから、食材の取り合いになり見事にエルダーベアーズに軍配が上がった。それ以来、エルダーベアーズを恐れて森に近づく奴は減り、元々高級食材のそれらはより高価になった。まぁ、最近はちょっと変わりだしてんねんけどな。ここまではええか?」
「ああ、食材については味とか何でそうなるとか気になるが、大方大丈夫だ」
頷きながら返事をする。ただ1つ気になる事が無いことはないが気にしたら負けな気がするし・・・。
『話はまだ続くかのぅ?ワシ、ハラ減ったんじゃが・・・』
「あー、じいちゃんもうちょい待ってな。説明しきったら狩りの前に作るから。」
『わかった。その代わりうまいのを頼むぞ?」
「任せといて!さて、続きやねんけど。」
「いやいやいやいや!?何普通にサラッと明らかモンスターな熊と会話しちゃってんの!?」
気になっていた双頭の熊がサラッと会話に入ってきた上にサラッと会話をするハナキに思わずツッコむ。
「おー、ええツッコミやなぁ。ちなみにこの熊がさっきの話のエルダーベアーズで、うちはじいちゃんって呼んどる。」
「気安いな!って、危ないんじゃねーのかよ!?」
「だから、事情が変わってな、じいちゃんは無闇矢鱈には襲わんようになったんよ。そん代わり、じいちゃん美食家やから出あたら美味しいもんあげるっていうのが条件な?」
『他人事みたいに言っとるが、その条件を飲ませたのはお主であろうに』
ハナキの言葉にエルダーベアーズがグルグル機嫌良さげに話す。
「まぁ、じいちゃんのこと話したしかんたんな説明は終わりな。で、じいちゃんはなんでこんな境界線近くに出てきとるん?」
『いつも通りブラブラしておったらお主の匂いがしたもんでの。前に美味しいと言うておったグランドトールが出てきてたから、そいつを知らせに来たんじゃよ』
「⁉じいちゃん!それ見つけたんいつや⁉」
エルダーベアーズの話を聞いたハナキはいきよいよく食いつき、エルダーベアーズに詰め寄る。
『丁度今朝の話じゃ。昨日の朝には無かったから間違いはないはずじゃよ。』
「ほんまか!じゃあ、すぐにでも行かなな!ナイル!ちょっと来てくれんか?」
ハナキが何もない空間に問いかける。すると、スっと一人の青年が出てきた。肌は若干青白く、それ以外の特徴も少ない。
「お嬢様、何かご用でしょうか?」
「ナイル、ケイにゴブリン退治をさせるから、それのお守頼むな!うちはグランドトール仕留めてくるから頼むな!」
そう早口で言うとエルダーベアーズと共に森の中に去っていった。
「おい、ケイとか言ったな?お嬢様に言われたから面倒みてやる。今できることは?」
「技術も何もない、さっき貰ったこいつを振り回せるだけだ。」
そう言って貰った剣を見せるとナイルはあからさまに落胆し、ため息を吐いた。
「何でお嬢様もお前もそんな常識知らずなんだ⁉普通!弱い部類の魔物しかいないような場所だろうとも、剣術を齧るとか魔術をかじるとか、そーいうのがなきゃ退治なんかしにいかねーんだよ!突然森入ってエルダーベアーズと話つけてくるし、エルダービーを従魔にして蜂蜜事情と森の警備万全にするし、こんな何も出来ねーやつにゴブリン討伐させに行こうとするし、非常識だー!」
「わ、悪かった、すまん」
半分以上ハナキへの鬱憤だった気がするが勢いに押され謝ってしまう。
「とにかく!お嬢様に頼まれたし、ゴブリン狩りには行くしかねーけど、お前には魔法覚えてもらうからな!それしか、今から覚えられるよーなもんないから適正なくても死ぬ気で覚えろ!」
「わ、わかった」
「よし!とりあえず手ぇ貸せ!」
勢いに押され続け手を出すと握手をする形でしっかり握られる。そして、そこからなんとも表現しにくい何かが流れ込んできた。注射とかで薬を注入される時の感覚が手全体からくる感じに近い。
「拒絶するなよ?受け入れて感じろ。拒絶しすぎると爆ぜるぞ」
「はぁえ⁉」
突然言われた言葉によくわからない声が出る。とりあえず、受け入れるように思って感じようとしてみると違和感はジワーッと全体に広がっていく。手から離れるほど違和感は無くなり身体に染み込んでいくようだ。1箇所だけちょっと違う感覚があった。左胸、つまり心臓あたりここだけ染み込むという感覚ではなく、違和感がかき消される感じで心臓周りの違和感は全く無い。
「左胸の感覚は掴めたか?そこが魔力の始まりだ。その周りは他人の魔力では侵せない。まぁ、たまに場所がが違うやつや数が多いやつとかもいるけどな。スライムなんかは動くタイプだな。とにかく、そいつを動かせば今お前の体の中にある俺の魔力はかき消せるはずだ。」
そう言われて意識を持っていく。消される範囲を広げるイメージを持つとヌルヌルとゆっくり外側に広がる。
「・・・広がってきたな。ただ広げるんじゃなくて形を変えて広げてみろ。それができたら全身をうまく循環させれるはずだ。」
循環?血液みたいなもんか?心臓から発せられてんならありえねぇ話じゃねぇか。とりあえず広がるイメージを血液に乗るように変えていく。するとさっきとは違い脈動しながらみるみるうちに広がっていく。
「・・・それを早くしていけば第一段階クリアだ」
血液の中を血液の流れとは別に早く流れるようにイメージする。これはなかなか難しいな。多分同じように流れてるのに一部だけ速さが違う事をイメージできてないのか?なら、外側を円を描きながら添うようにしてイメージする。今度はうまくイメージできたみたいだ。とてつもない速さで廻りだす。
「チっ、続けろ」
「なんで舌打ちした!?」
若干乱れた思考に魔力の流れがもとに戻りそうになる。慌てて調えて回し続けていると身体が温もってきた。その感覚を続けているとレベルアップの時のような音がなり身体強化のスキルを手に入れたようだ。スキルが手に入ると意識しなくても魔力が廻る。身体強化はノンアクティブだと思ってたのにアクティブスキルなんだな。
「はぁ、魔力を1箇所に集めて打ち出せば無属性魔法になる。魔力変換はイメージだから今はいい。無属性だけでもゴブリン相手なら十分攻撃になる。」
「今度はため息か⁉」
コイツはなんだって言うんだ。魔力を集めようとするが中々うまく行かない。例えるなら大雨のあとの激流から水を汲もうとするぐらいには難しい。
「・・・なぁ、これ身体強化取得前の方が簡単なんじゃねーの?」
「はっ、そりゃその方が簡単だがそれをすると身体強化を覚えたときに魔法が使えなくなってそのまま一生使えないときもある危険があるんだよ。両方使いたきゃ身体強化から覚えるのが一番だ。」
なるほど、イメージがどーのこーのって言ってたから最初のイメージが付くとその後の変換は難しいってことか。例えると普通の川から水汲むのに慣れたあとに同じ要領で激流から水汲もうとする様なもんだからな。うん、そりゃ無理だ。そんな思考をしながらもいろんなイメージを試す。指先に小さい穴を開けて魔力を少しだけ出す・・・あっ、だめだ。これじゃあ決壊するな。じゃあ、補強も入れて・・・行けそう?出てきた魔力を集めて固めて投げる。おっ、できた!適当に投げたのに木に穴開けて気が倒れたけど。
「はぁ、じゃあゴブリン探すか」
「ちょっ、これこの威力でいいの!?」
「あ?威力的には簡単にゴブリンも殺れそーだがなんか問題あんのか?」
「いや、もっと弱いと思ってたんだけど・・・」
「・・・その点に関しては諦めた。常識知らずのお嬢様の同郷だから多少威力強かろうが問題ねーだろ」
「その基準若干不安なんだが?・・・おい、無視すんなよ⁉」
ナイルは俺の不安を無視する形で森に進んでいく。なので仕方なく追いかけるしかなかった。
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