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15話 シャノンの悲恋

春の日。

スヴェインとシャノンの結婚式は盛大に執り行われた。

隣国からも参列者が多くいたそれは国をあげてのお祭りとなり、リュミエール王国はどこもかしこもカラフルな花で彩られている。

天気は青空が美しい快晴。実に素晴らしい結婚式日和だ。


「どうかしら、プリシラ、変なところは無い?」

「ええ。お綺麗ですよシャノン様」


真っ白なウェディングドレスに身を包んだシャノンは動きにくいドレスを何度も確認していた。

シャノンにとっての晴れの舞台だ。失敗はしたくないし、なんなら許されない。



結婚式は何人もの招待客が見守る中厳かに行われた。


白いタキシードを優雅に着こなすスヴェインはゆったりとシャノンの手を取る。


シャノンは終始自分が失敗しないかハラハラしていたが、長年の王妃教育で培った彼女の身体は完璧な淑女の振る舞いを心得ていた。


「では、誓いの口付けを」


はじめてのスヴェインとの口付けは腫れ物を扱うような、そんな優しいものだった。


―――


結婚式を難なく乗り越えたシャノンを待っているのは国を巡るとまでは行かないが長い距離を馬車で通る盛大なパレードだ。慌ただしく街をまわり、祝いの言葉を投げかけてくれる国民たちに手を振る。


(え、笑顔がひきつりそうだわ)


ずっと笑っていることにも慣れているはずのシャノンでもこの鬼のようなスケジュールには疲れきってしまった。


「シャノン、大丈夫?」

「ええ。すこし疲れただけです!まだまだ頑張れます」


「そう」とスヴェインはくすくすと口元に手を当てて笑う。


「あとはお色直しして夜のパーティで踊るだけだよ」

「道のりは長いですわね……!」


ハードスケジュールをこなす2人は一蓮托生だ。

どこかお互いを鼓舞するような会話に、これからの国を支える2人の未来の姿が垣間見えた。



バタバタと慌ただしくかつスピーディにお色直しを済ませ、シャノンはまた白を基調としたドレスに身を包む。


夜会用のドレスは多少は個性を出しても怒られない。


「本当にこちらでよろしいのですか?ドレスの色やお嬢様の髪色と合わせるならもっと別の色の宝石にした方がよろしいかと思いますが……」

「いいの!これがいいんだから」


シャノンがプリシラの意見を跳ね除けると、プリシラは渋々それを耳につけてくれた。


「シャノン?準備は出来たかい?」

「はい!今行きます!」


シャノンの耳には彼から貰ったものではないが、シトリンのピアスがはめられていた。


シャノンの悲恋を見守って下さりありがとうございます。

次はライラのその後の物語をかけたらなぁなどとやんわり考えております。

閲覧いただきありがとうございました。

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