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第二話 スキルを使ってみる


とりあえず、まずはアイテムボックスから使ってみよう。

「異世界旅客」は何か今使うべきではないと思うし、残りの「アイテムボックス」と「火魔法」と「光魔法」の中では異世界と言ったら1番定番(だと思ってる)のスキルから使ってみたいからだ。


ステータスの時を生かして、目の前の空間が裂けて、そのからものを出し入れできる、そんなイメージをしながら…

「アイテムボックス」

言ってみると、目の前が腕より二回りくらい大きい円状に裂けた。イメージ通りだ、成功だろう。

早速見てみると中には何も無く、虚無の空間のみたいだ。

アイテムボックス内には何もないようだな。

そういえば神様が言っていた、「初期の生活に必要なもの」はてっきりこの中にあると思っていたけど、どこにあるのだろう?

この肩にかけられている肩掛けポーチだろうか?

それにしては小さい気がするが、(私がわがままを言って)苦渋を飲まされただろう神様のせめてもの仕返しか?

いやそんなことあるかのか?

まあとにかく、一旦お腹も空いてないだろうし今は置いておこう。無くてもスキルがあったらどうにかなるかもしれないし。

とりあえず次だ。


次は「火魔法」だ。

火魔法といえばこれまた異世界ものの定番の四大属性の内の一つの属性だ。この世界がそうなのかはわからないが、有用なスキルであることには間違いないだろう。

早速使ってみよう。

火魔法といえどもこれはいろんな火属性魔法の略称だろうからその一つを思い浮かべて使えばいいだろう。

今回はこれまたまた定番の初級(?)火魔法ファイアーボールを使う。

右手を草原の奥側に向けて突き出し、燃え盛る火の玉を思い浮かべて

「ファイアーボール」

言ってみる。

何も起こらない。

もう一度

「ファイアーボール」

また何も起こらない。

しばらく「ファイアーボール」「ファイアーボール」「ファイアボール」「ファイアーボール」「ファイアーボール」

と続けて言ってみるが不発。

試しになんちゃって諳誦をつけて「ファイアーボール」と言ってみるがま保つ不発。

何度も言っているが、未だに何も起こらないし感じない。

これは根本的に魔力を感じていないのではないのか?


再び、

「アイテムボックス」

と言ってアイテムボックスを開きながら、左側の展開されていない部分に「ステータス」と言って、ステータスを開いてみる。

やはり魔力は100/100から減っていない。

流石に一瞬で魔力が回復し切ることは無いだろうし、普通の異世界ものもアイテムボックスは1番容易く開けて魔力を消費しないことが多いが、やはりこの世界もその例に漏れないようだ。

でも魔力って概念がある以上例外の「アイテムボックス」は置いといて一般的なスキルの「火魔法」「光魔法」は魔力を消費するはずだ。

ってことはどうすればいいんだ。

このままだと「火魔法」「光魔法」どちらも使えない。

うーん。

待てよ、でもこの理論だと「異世界旅客」は使えないのか?

固有スキルに関してはどっちなのかはわからないな。

よし今度は固有スキル「異世界旅客」を使ってみよう。

異世界旅客自体は異世界を旅行する人の意味だけど、このスキルはどう使うんだろうか。

「異世界旅客」

試しに「異世界旅客」と言ってみる。

何も起こらない。

「異世界旅客」

もう一度「異世界旅客」と言ってみたが何も起こらない。

やはり旅客と言うと私がよく使う電車「旅客鉄道」、飛行機「旅客機」、バス「旅客バス」、船「旅客船」などが思い浮かぶが何か関係あるのか。

さっき言った時はふわふわのイメージだったけど今度はそれらをイメージ、自由に乗りこなせる感じ(あってるか?)を想像しながら「異世界旅客」と言ってみる。

「異世界旅客」

言った瞬間突然、体からごっそり何かが奪われる感覚に恐れわれる。頭、そして体もぐるぐるし始めるが、どうにか耐えて目の前を見てみる。

これが魔力なのか?

固有スキル異世界旅客は魔力を消費するのかもしれない。

一旦ステータスを見ようと思ったが、やめた。

目の前に異世界旅客と書かれたステータスのような画面があったからだ。

中にはいろいろ書いてあるな、出発、到着、検索、写真手段、地図、定期券、ICカード…地球のいた時の乗り換えアプリみたいだな。

出発と到着に何か入れたら、ルートが出て来るのか?

どこにいるかもわからないから、とりあえず地図を押してみる。

ここは…フードゥという王国内の西平原という場所のようだ。

一番近い町は…えっとここから西南西に30kmくらいで名はセートのようだ。なかなか遠い。

乗り換えアプリかわからないが、一旦これを出発と到着に入力して推奨ルート(?)を見てみるか。

出発は…現在地って通用するか?

出発 現在地…現在地(西平原)。通用するようだ。

到着、これはとりあえずセートっと。

到着 セート

これでいいだろう。

下の決定ボタンを押す。

画面が切り替わった。

上のタブで3つ選択肢が出ている。

一つ目は徒歩、料金無し、所要時間10時間と書いてある。

ルートも載っていてそれを見ると、ただひたすら直線上に歩くルートのようだ。流石にこれは疲れそうだな。

次、二つ目は旅客バス、料金は大鉄貨2枚と鉄貨5枚、所要時間1時間30分。時間は大幅に短くなっている。けどお金がかかるのか、大鉄貨は鉄貨の10枚分だろうから大鉄貨2.5枚か。

貨幣価値がわからないからなんとも言えない。あと神様は生活費は用意してくれているのか?

そして次、三つ目は旅客鉄道、料金大鉄貨5枚、所要時間は8分。

これはバスの2倍の料金だ。けどその分以上に早い。徒歩の…75倍、電車の11.25倍。とても早いぞ。

なるほどこの三つなら電車を使うのが1番良さそうだな。

でもそもそもどうやって電車に乗るんだ?レールも駅も全く見えないが…。これは乗り換え案内じゃ無いのか?

ぼうっと画面をスクロールしながら考えていたら3番目の選択肢のルート表示上に決定という表記を見つけた。

怪しさ満点だが、押してみる。

押してみると画面が消えて、辺りが一瞬静かになった気がした。と思うと、体が見えない壁に当たった。

当たった気がするではなく当たった。

前を見てみても何も無いが一旦後ろに下がる…と共に懐かしい音が響く。

これは電車の到着音?と思っていると、右側から風を切る音とサイレンの音が…。

まさかと思ったが、そのものが目の前を通り過ぎると同時に私は確信した。

これは本物の日本の旅客電車だ。


それはブレーキの音を立てながら停車し、中程で自分前に停まる。そしてそのまま扉が開く。

目の前に壁があるかと思って触ってみると壁はなくひとまず電車の中に入って中を見渡す。

完全に日本の旅客電車である。

そのまま驚きの再現性に気を奪われていると、注意音を立てながら扉が閉まってしまった。

慌てて出ようと思って扉に触れても全く開かず、しばらくした後大人しく席に座った。

とすると同時に電車も動き出した。


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