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プロローグ

別作品、"異世界発明家”キトの冒険~日常編~の執筆の息抜きで書きます。

そのため投稿は気まぐれです。


ではどうぞ。



田中恭介、36歳。

男、独身。

とある中小企業に勤めるしがないサラリーマンである。

家と会社は共に東京にある。


趣味は旅。

飛行機、船、電車、車…主に「旅客」と言う言葉が付くもの(インフレ)を組み合わせ大中小様々な大きさの街に泊まって、見て•体験して•食す。


例えば最近行ったのは金沢だ。

朝一の金沢新幹線を使い、三連休の初日の朝から最終日の昼間まで、2泊3日。


金沢は海鮮類が美味しいらしく、金沢で食べた8食中5食は寿司や海鮮丼食べてしまった。

また2日目は同じく金沢名産の水引作り体験をした。


さらに1日目と3日目にはそれぞれ兼六園と石川城も訪れた。当然、それぞれ有料の成巽閣と菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓、橋爪門も見学した。


その後、金沢に帰る前の駅で、美味しい寿司をたらふく食べて東京へ帰ってきた。



そんなわけで旅が趣味である私だが、給料は決して高くなく、手取りは少ない。

さらに休みは少なく、残業して夜中1、2時に帰るのは日常茶飯事、忙しい月は会社で寝泊まりする。


そのため日々、安いアパートに住み、ネットは使わず、必要最低限の電子機器も借り物を使い、お酒•ジュースは飲まず、ご飯も出来るだけ自炊し節約して旅の為の資金繰りをしていた。



「ふあぁぁぁ…。」

誰もいない、電光灯がほとんど付いてない職場に1人の男がお茶を飲みながらあくびをしていた。

彼は唯一付いている電光灯の下でパソコンを使い資料を作成しているようだ。


しばらくすると資料を作成し終わる。

「ピッピッ、ピッ…バサッ」

眠くなったのかそのまま貧相な時計でアラームを設定して、突っ伏してしまった。


そのまま彼がそこから起き上がることは永久に無かった。



「おはよう、田中くん」

太った黒いスーツの男が部下と思われる人に束の紙の資料を持たせ、田中のデスクまで大股でくる。

「どうしたんだい?

君としては珍しいね、疲れが出たのかい?

まぁとにかくこの資料明日の朝までにやっといて。

明日の会議で使うから」

彼は突っ伏した田中に一方的に言うと、部下と思われる男に資料を田中のデスクの隣に置かせ、去っていった。



翌日


黒スーツの男がまた田中のデスクにきて未だ突っ伏している田中に向かって話しかける。

今日は部下と思われる男は連れていないようだ。

「田中くん、当然資料はやっているだろう。

早く渡してくれ、もう会議が始まってしまうのだよ。」

そして少しトーンを抑えて、反応していない田中の耳に囁く。

「さもないと、君の給料どうなるかわかってるよね?」


未だに田中は顔は愚か、指1つ動かさない。


「いや、もう出来ているのか。

これだね、見せてもらうよ。」

今度は黒スーツの男が何1つ手がつけられていない資料の山の内上から数枚取って眺める。

当然どれも何も加われていない、印刷の文字しか書かれていない紙だ。


男はしばらく髪を見つめると田中に怒鳴る。

「どうしたんだい、田中。

せっかく君を雇って、給料も払っているのにこんな仕事も出来ないのかい?

どうなんだい?答えなさい!」

田中は答えない。

「何なんだい、君は。

昨日から突っ伏して僕の話を聞いて、少しはこっちを見て話を聞きなさい。」

男は田中の襟首を掴んで、自分の方に向ける。

それには生気の抜けた田中の顔があった。

「ヒェッ、ヒェーッ」

男は急に高い声で叫び出す。

それに周りの職員たちも気づいてよってくる。



その後、職員の通報によって田中は救急車で病院まで急ぎ運ばれた。

運良く、病院はすぐに見つかった。


しかし救急隊員が病院に着く前に救急車で田中の脈を図るとすでに脈は泊まっていた。



その後、病院に搬送された田中は正式に死亡が確認された。

享年36歳。

死因は過労、栄養失調だった。


しばらくは身辺調査が行われ、その結果、遺体は身寄りがいない為、そのまま火葬され残った骨は埋められた。

簡素な墓だった。



同刻、この地球がある世界とは他の世界で田中恭介と言う男が草原で目覚めた。


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