コスモスが咲き乱れるあの丘で、金魚の帽子を被った少年が待っている
少年を見つけたのは偶然だった。
忘れもしない。
特徴的な手作りの金魚の帽子を被った人なんて、二人も三人もいないだろうから。
少しはやる気持ちに急かされながら二十年前の記憶を掘り起こしながら丘を登る。
登り終える。すぐそこには、小さな頃の姿と全く変わらない友達が、黄色いウィンターコスモスの絨毯に座っている。
声を掛けたいが、書けても良いのだろうか。
少し戸惑いながらも大きく息を吐き、彼に声をかける。
「……こんな所で何をしてるんだ? 」
声をかけると少年の小さな体がピクリと動く。
ゆっくりと俺を見上げるとぱぁっと明るい表情を浮かべた。
「たっちゃんみーつけた」
言うとふっと風が吹きコスモスの花弁と共に消えていく。
「……みつかったよ」
空からはらりと金魚の帽子が手に落ちた。
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