ギルドにて
ギルドはとても大きな建物だった
それに人の出入りも多い、そのうちの七割は先端に硝子玉のようなものを乗せた棒を持っていた
おそらくあれが杖なのだろう、杖は魔術の制御を補助する役割があり、魔術師の代名詞ともなっている
一応無くても魔術は使えるが、発動速度が遅くなるそうだ
村を出る前に基礎的な魔術を教わったが数回で習得した、神狼には杖など飾りだろう
そんなことを考えながらギルドに入った
中は酒場も兼ねているのかテーブルがいくつも並び、エールを飲みながら話をしていた
村にいたときにエールを少し飲んでみたが苦くてまずい、なぜあんなまずい物を飲めるのだろうか…
あたりを見回すと奥の方に『ギルド登録窓口』とあった、あそこに行くか
窓口に着いた、そこには人の女がいた
「えーと、迷子かな?」
「いや、ギルドの登録に来た」
そう言うと、女は驚いたような表情をしていた
…そういえば身体は人間の子供ほどの身長だったな
「う、うーん、登録自体はできるんだけど、お金は持ってるの?」
「確か100イリルだろう?ほれ」
そう言って私は銀貨を差し出した
「ほんとにあった…」
「して、登録できるのか?」
「ええ、この紙にって、あなた文字書けるの?」
「いや、書けん」
「…じゃあ代筆しますね」
そこから質問に答えていった…
side 受付嬢
何なのかしらこの子、外見は子供なんだけど…
どこかの貴族の子供かと思ったら文字を書くことができないって言うし
きっと冒険者にあこがれた子供かなんかでしょう
「っと、これでいいわね」
「うむ、感謝する」
口調もちょっとおかしいわね、年寄りみたい
そんなことを考えていたら…
「おいおい嬢ちゃん、冒険者は遊びじゃねぇんだよ」
「そうだ、ごっこ遊びは家でやりな」
うわー、いつも迷惑してる冒険者どもが来たわ
でも相手は子供、手加減くらいはするでしょう
「…なあ、こいつら叩き潰してもいいか?」
…え?
何言ってるのこの子、えーとギルド規則的に…
「ま、まあやってもそっちの自業自得だから問題はないけど…」
多分子供の戯言でしょう
「ハンッ、餓鬼が何言ってんだ」
そういった瞬間
その冒険者は床に伏せていた
何が起こったのか分からない、ただ気づいたら倒れていた
「な、なにが起こったんだ!?」
連れの冒険者も何が起こったかわかってないみたい
「何と言われても、ただ首を叩いて気絶させただけだ」
「動いてねぇお前が何言ってやがる!」
あ、まずい!あの子殴られちゃう!
「…人の中でも愚かな奴だ」
そういった次の瞬間、殴りかかった男も気絶していた
「な、なにしたの?」
「ん?ただ少し早く動いて手刀を当てただけだ」
なんなのこの子…
side ルル
馬鹿な人間がいたものだ
実力を見抜けず殴りかかってくるとは
「ところで、登録はできたのか?」
「…ハッ、え、ええ、登録はできたわ」
「そうか、なら…」
「ちょっと待ってね!」
そういうと女は奥の方へ走って行ってしまった
…まあ待つか
数分後
女が戻ってきた
「ルルちゃん、ちょっとついてきて」
「わかった」
そう言われて私はカウンターの奥へついていった
廊下の一番奥の部屋まで来て、ドアをノックした
「入れ」
部屋から厳格な声が聞こえた
中に入ると、筋骨隆々な男が座っていた
「そこに座れ、あとお前は戻ってていいぞ」
事務机の上にある名札にはギルドマスター・フィルドという文字が書いてあった
「そこの名札を見たらわかるだろうが、俺がここのギルドマスター、フィルドだ」
「ギルドマスターが何の用だ?」
「フッ、ギルドマスターでもその口調か、まあいい」
目つきが変わった
「お前さんに絡んだ冒険者二人、お前が気絶させたのか?」
「ああ、そうだ」
「あの二人はあれでもEランクだ、それを気絶させるたぁ」
「お前さん、何もんだ?」
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一言:テンプレだよね、あと書いてて思ったけど今回長いな