表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に勇者召喚された俺、仕事って魔王を倒すことじゃないの??  作者: 菜寿
第1章 勇者、隣国との戦争に参加する
7/21

勇者、殿下と話す

いくつか誤字がありました。すみません!

報告してくださった方々、ありがとうございました!!

「もうすぐ着きます!」


 角を曲がると、大勢の人がバタバタと慌ただしく出入りしている部屋に着いた。


「ひ、人が多いですね…」


「お部屋入れない…」


 執事服やメイド服の人、ラーゲル神官長みたいな白いローブを着た人…なんか、めっちゃ異世界って感じする。


 人の流れが速くて、そのまま出入口付近で立ち往生していると、俺たちに気付いた第一王女が声を掛けてくれた。


「ターナ!勇者様!」


「セノン姉様!」


「2人とも、こちらにいらしてください」


 セノン王女殿下に手招きされるも、人が多くて通れるところがなく、なかなか部屋に入れない。


 その様子を見ていたセノン王女殿下が、近くにいる執事服の人に声を掛けた。


 パンパン。


「レイターナ様が通ります。皆様、端に寄ってください」


 その人が手を叩き、他の人に指示を出す。


 すると、扉の周りにいた人たちがすぐに端に避けて、あっという間に中に入れる道ができた。


「ありがとう、ゼロ」


「いえ、私どもはこれで失礼します」


 ゼロと呼ばれた人が一礼して部屋を出ると、その人に続くように、他の執事やメイドさんも礼をして出ていった。


 そして、部屋の中には、俺と王族の人々だけになった。


 一応扉の外には、護衛の騎士が2人いるらしい。


「お父様、大丈夫…?」


 俺の側にいたレイターナ王女殿下が、花を手に持って、国王陛下が寝ているベッドに近づいて行った。


「ターナ、ああ、大丈夫だ」


「このお花、勇者様と選んで、ガロンヌに貰ってきたの。お見舞いよ」


「ありがとう。勇者殿も、先程はすまなかった」


「いえ、あの、何かの病気…とかですか?」


 他人の俺が聞くのは良くないと思ったが、目の前で吐血して倒れられて心配だったため、恐る恐る聞いてみた。


「医者には、過度なストレスによる胃の病だと言われた」


「ストレス性の病気…何かストレスが?」


「…この――」


「勇者様、私から説明します」


 国王陛下の言葉を遮ってきたのは、カノルと呼ばれていた第一王子だった。


「この国、トート国は農業国なのですが、近年実りが良くないのです。そのため、国民は皆飢餓問題に悩まされています」


 カノル王子殿下はそう言い切ってから一息つき、また口を開いた。


「その他にも、近頃起こる魔物のスタンピード問題など、なるべく早く解決しなければならない問題が山積みで…」


 なるほど、国政によるストレスか。国のトップは大変だな…。


「それで、藁にもすがる思いで勇者様を召喚させてもらったんです」


「俺を?」


「勇者がいること、イコール国の強さになりますので」


 まあ、歴代の勇者ならそうなんだろうけど、俺は役に立てるかな?あんまり期待しないでもらいたい…。


「これで、隣国のゲノン国やオークレー国も攻め込んでこないと思います」


「攻め込んでくる!?」


 え、戦争ってこと?戦争が普通にある世界なの!?いや、日本が平和過ぎなだけか、他国は戦争してるもんな…。


「戦いになったら、貧乏国家のうちに勝ち目はありませんので…」


 俺の思った通り、この国は貧乏だったらしい。城なのに、全然装飾品が無いのにも納得がいった。


「あ、私のことはカノルとお呼びください。敬称はいりません。うちではあまり豪華なことは出来ませんが、精一杯のおもてなしをさせていただきます」


 そう言った後、カノルは深々と頭を下げた。


「俺もシンで良い。言葉遣いも、普段と同じで大丈夫だ。勇者って言われても、16歳の普通の高校生だからな」


「わかった、シン。改めて、トート国に来てくれてありがとう」


 カノルから差し出された手を、俺も握り返した。


「ターナも、ターナで良いよ!」


 俺とカノルの手の間に、ターナも手を出して言ってきた。


「ああ、わかった。よろしくな、ターナ」


 その後、カノルやターナ以外の殿下たちの名前も、敬称なしの愛称で呼ぶことに決まった。


 部屋で穏やかな空気が流れる中、外からドタバタという大きな足音が聞こえてきた。


「外が騒がしいな」


 バンッ!


「し、失礼します!国王陛下、大変です!ゲノン国が攻め込んできました!」

数多い作品の中から、お読みいただきありがとうございます!


いいねや感想など、一言でも良いので寄せくださると嬉しいです!よろしくお願いします(*ˊ˘ˋ*)。♪:*°

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ