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異世界に勇者召喚された俺、仕事って魔王を倒すことじゃないの??  作者: 菜寿
第1章 勇者、隣国との戦争に参加する
6/21

勇者、侍女と会う

アクセス数?を見たのですが、読んでくださっている方が多くて嬉しいです!


これからもよろしくお願いします!!

「ガロンヌ、ありがとうね」


「ありがとうございます」


「いいえ、すぐにベイジール陛下のところへ向かってあげてください」


 俺たちはガロンヌさんと別れて、王女殿下の部屋に向かった。王女殿下曰く、部屋にはいつもお付きの人がいるらしい。


 因みに、東の庭にはよく来ているそうで、道はしっかりわかるそう。


「お父様、大丈夫かな…」


 ついさっきまで忘れていたのが信じられないぐらいに落ち込んでいる。


 王女殿下の歩みも遅くなっており、俺も歩幅を合わせて、2人でとぼとぼと歩いていた。


「王女殿下、心配ならもう少し早く歩きません?」


「うん…」


 一応返事はしてくれたが、王女殿下の歩みは一向に速くならなかった。


 うーん、俺が手を引いて行くにも、道を知らないしな…。


 王女殿下のスピードが上がる気配を感じられず、俺が途方に暮れていた時、ついに救世主がやって来た。


「レイターナ様!」


 俺の元にやって来た救世主、その方は、レイターナ王女殿下付きの侍女のアンナさんだった。


「アンナ!」


 すると、王女殿下の顔色が一気に良くなり、走ってアンナに飛びついた。


「レイターナ様!危ないで――」


「アンナ!お父様が!お父、様が…」


 王女殿下は一生懸命アンナさんに説明するも、途中から涙が零れてきて言葉が詰まってしまい、アンナさんの頭上には?マークが浮かんでいた。


 仕方ない代弁してやるか、そろそろ国王陛下も心配だしな。


「えーっと、国王陛下倒れちゃったので、見舞いに行きたいんですけど…部屋わかります?」


「え…?」


 アンナさんは王女殿下に夢中だったようで、今俺の存在に気付いたようだった。


「あなた、誰ですか?」


 俺を視界に捉えた瞬間、王女殿下を自身の背に隠し、警戒心剥き出しの顔で聞いてきた。


「あ、俺は――」


「アンナ、このお方は勇者様よ。怪しい人じゃないわ」


 俺の自己紹介を遮り、冷静を取り戻した王女殿下が代わりに紹介してくれた。


「勇者、様…?」


 俺、召喚されてから結構時間経ってるんだけど…?全然情報届いてないじゃん。


「ラーゲル神官長に召喚されて、異世界から来ました。シン・コグレと言います」


「異、世界…?」


「あら?アンナ?アンナー?」


 俺が再び自己紹介をするも、アンナさんは固まって動かなくなってしまった。


 まあ、急に異世界から来たと言われてもね…。


「は!し、失礼しました勇者様!レイターナ王女殿下のお付き侍女をしております、アンナ・レイテです」


「うん。よろしくね、アンナさん」


「ア、アンナで良いです!さんなんていりません!」


 アンナは俺と同じくらいの年に見えるが、身長はそんなに高くなく、長い髪をサイドで結んでいた。


 俺とアンナのやり取りに、横で王女殿下がニコニコ笑っているが、君、大事なこと忘れてないか?


「それでアンナ、国王陛下の部屋に案内してもらえる?」


「ベイジール陛下のお部屋ですか?」


「あのね、お父様倒れちゃったんだって、だからお花をお父様のお部屋に持って行きたいの」


 王女殿下の言葉で、アンナの顔がどんどん青ざめていく。


 やっぱり知らないんだな?王女殿下と同じ反応なんだが。


「た、大変!早く行かなきゃ!」


「アンナ、俺迷子だから、一緒に連れてってもらいたいんだけど…」


「ターナもわからないの…」


 提案した瞬間、アンナが俺らの腕を掴み、駆け足で走り出した。


「ならお二方とも、しっかりついて来てくださいね!」


「おわっ!アンナ、自分で走れるから手離して!」


 アンナの走るスピードはあまり速くないので、手を引っ張られていると転びそうになってしまう。


「手!逆に危ないから!」


 もう一度声を掛けても、アンナの足は止まらず、手も離してくれない。俺は諦めて、アンナに身を任せることにした。

数多い作品の中から、お読みいただきありがとうございました!


コメントやいいねなど、一言でも寄せてもらえると嬉しいです!私の執筆のスピードが上がります(笑)

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