勇者、宴に出席する
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これより新章スタートです!!
「ん…」
家の天井と違う…?
「シン!おいシンが目を覚ましたぞ!」
この声はティオー?そうか、俺、異世界に勇者召喚されたんだった。
「おそらく魔力の使い過ぎだが原因だから、寝てれば治ると思うけど…体調大丈夫?」
「大、丈夫…」
ベッドから起き上がってみるが、体のどこにも痛みは感じなかった。
「そりゃ1週間も寝てればな」
「そうだね」
「え…?1週間!?」
寝起きで働いていなかった頭が、ようやく機能し始める。
最後に水魔法を使ってから記憶が無いが、もう1週間も経っていたのか。
「突然ぶっ倒れてびっくりしたぞ」
「まあ、シンに結界も最後の消火も全部任せちゃった僕らがいけないんだけどね」
「カノル殿下にめっちゃ怒られたな」
ドタドタドタドタ…バンッ!
「「シン!」」
騒がしい音が聞こえたかと思えば、この国の第1王子と第2王子、カノルとオルネースが部屋に飛び込んできた。
「殿下方、騒がしいっすよ」
「来るの早かったですね」
そう言えば、国王陛下が倒れた知らせは全然伝わってなかったな。
え、俺はまだ起きて5分しか経ってないぞ。
「すまない。ちょうどカノル兄さんと様子を見に行こうとしてたところだったんだ」
「なるほど」
近くにいたのなら、扉も開いていたことだし、ティオーの大きな声が外まで聞こえていたのだろう。
「全く、無茶しやがって!」
「あいたっ!」
そう言って、俺はカノルにデコピンをくらった。
「ごめんって。でも、あのままだと凄い大規模な山火事になってただろ?」
「まあ、被害を最小限に止められたのは良かったけど…シンまで最後、爆炎を使う必要はなかった」
「だって、俺だけ結果残せないの悲しいじゃん」
「じゃんって、今回の立役者は…はぁ、元気になったのならもう良いよ」
なんか、初めて俺が結界つくった時の魔法兵たちと同じ顔だな。
俺はこの国の勇者として、先輩の勇者方に倣い、国民を守っただけである。
「カノル殿下。宴はシンも参加させるって言ってましたけど、今日やります?」
「皆もシンと話したいだろう。シンの体調さえ大丈夫ならば今晩にするが…」
「俺は大丈夫」
「だそうだ」
1週間、俺が目覚めるまで宴は延期されていたようだった。
トート国にとって、ゲノン国に勝利したということは妙妙たることだ。
異世界人の俺に、延期してまで一緒に祝わせてくれることが嬉しかった。
そしてこの日の夜、1週間遅れの勝利の宴が開かれた。
戦争で怪我をしていた者もいたが、1週間も経てば治るような傷の者しかおらず、多くの人が参加していた。
「今回の主役、シンにかんぱーい!」
『かんぱーい!』
「俺たちの勇者、シンにかんぱーい!」
『かんぱーい!』
もう出来上がっているティオーが舞台の上に立ち、乾杯の音頭をとる。
宴が始まってから、すでに10回は皆グラスを合わせていた。
「シンー!酒飲んでるか?ほら、ほら」
「いや、俺まだ未成年だから」
このように酔っ払いに絡まれることもあったが、ワイワイしていて楽しかった。
「シン、1週間ぶりの食事、ちゃんと食べてるか?これも美味いぞ」
そう言ってカノルに渡されたのは、何種類かの葉っぱが炒められたと思われるものだった。
食べてみると、塩コショウなどの味付けは何もされていないようで、素材そのものの葉の苦味が口に残った。
他の料理も見てみると、おそらく素材の味そのままの炒め物やただ焼いただけの肉など、とても料理とは言えないものが並んでいた。
「カノル」
「ん?」
「食を改善しよう」
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