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バス停・オブ・ザ・デッド ~ボクはゾンビゲームにTS転生した!  作者: どくどく
一章 犬塚洋子(ボク)はバス停使いのゾンビハンター!
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ボクのランクが12になった!

「ま、何はなくともハンターランクをあげないとね!」


オウガ』戦のドロップ品は既に生徒会に提出してある。後は手続きすればランクが上がるように福子ちゃんが手配してくれたのだ。


「あらあらぁ~。元気になったんですねぇ~。よかったですぅ」


 生徒会長の紀子ちゃんはにこにこ笑いながら洋子ボク等を出迎える。


 ちなみに福子ちゃんは学園が違うけど、ハンターランクは六学園共通となっている。なので別の学園でもランクアップは可能なのだ。うーん、ゲームとはいえ都合のいい設定だ。


「そういえばレアアイテム分配まだだったよね。ぶっちゃけ、『鬼の角』以外は全部提出してもいいけど」

「『鬼の牙』を使って『牙棍棒(テルビューチェ )』作った方が強くありません? 犬塚さんの近接スタイルに文句はありませんが、レアアイテム使った武器の方が……」 

「ヤダ。ボクはバス停とマフラーに拘るの。あと犬塚さんは他人行儀すぎない? 洋子でいいよ」

「…………ヨ……ヨーコ先輩で……っ! これ以上は勘弁してください!

 なんでそっちからガンガン来るんですか! 私いろいろ距離詰める為に考えてるのに!」


 ? 何を勘弁してほしいのだろうか? よく分からないけど、ツッコむのも野暮なのかな?


「あらあらぁ? 犬塚さん、どうしたんですか? かわいい子を連れて」

「うん、かわいいでしょ。『オウガ』退治の時に一緒になったんだ!」

「…………っ。その、かわいいとか、言わないで……!」

「あらあらまあまあ。ごちそうさまです」


 ? 何がご馳走様なのだろうか? ニヤニヤしている紀子ちゃん。あと手で顔を覆っている福子ちゃん。


 ちなみに紀子ちゃんに『名前でよんでー』的な事を言ったら、『生徒会長は全生徒と同じ距離を取らないといけないんですぅ』と返された。


「レアアイテムもいただきますね。

 では最終的に犬塚さんはランク12に。小守さんはランク11になりましたぁ」


 よしよし。とりあえず初心者の壁は突破したところかな。


「福子ちゃんもランク11か。ハンターになって間がないのに、早いねー」

「当然ですわ。この『吸血妃ヴァンピーア・アーデル』にかかれば、このようなこと、児戯アシュプピレン同然ですわ。

 もっとお褒めになってもよろしくてよ! さあ、私を誉め称えることを許しましょう!」


 口に手を当てて、ポーズを決める福子ちゃん。


「えらいえらい。撫でてあげるね」

「こ、子ども扱いは……っ、その、悪い気分ではありませんけどっ!」

「仲がいいんですねぇ」

「こ、これは違いますわ! あくまで私とヨーコ先輩との関係は好敵手リヴァーレ! 今は一時的に仲間になっているだけの――」

「仲がいいんですねぇ」

「なんで言い返すんですかぁ!」


 目に涙を込めて反論する福子ちゃん。それをにこにこ笑いながら返す紀子ちゃん。


「そうそう、仲がいいんだ。なのでクラン組むことにしたんだ。次はサファイア号でサメ狩りだよ」

「うーん、ランク12でクラン結成は早すぎるんじゃないかと思いますよぉ」


 洋子ボクの言葉に難色を示す紀子ちゃん。


 通常、『チェンソーザメ』はランク15を超えたあたりからがねらい目と言われている。ランクによって購買部から得られるアイテムはランク15毎に大きくグレードアップするからだ。


「そちらのテイマーさんもぉ、15になればDクラス眷属を使役出来ますしぃ」


 例えば福子ちゃんの場合、Dクラス眷属――今使っている眷属よりも攻撃力も耐久力も高い眷属が使えるようになる。なのでもう少しランクアップしてからの方がいい、という紀子ちゃんの意見は正しい。


「ダイジョブ! そんなのボクにかかれば些末な問題さ!」


 だけどそれはあくまで難易度が優しくなるというだけだ。知恵と技術(プレイヤースキル)があれば、対処できないレベルではない。ぶっちゃけ、データがあるなら勝てる。


「私も問題ありません。ええ、その程度の難関、乗り越えて見せますわ」

「と、言うわけでもーまんたい! サクッとサメ倒してクランを作るんだ!

 ついでに低ランクだからあれが出来ないこれが出来ない、っていう風習もぶっ潰してランク至上主義に風穴開けてやるんだから!」

「無理だと思ったらすぐに撤退してくださいねぇ。逃げることは恥じゃないですからぁ」

「むぅ。信頼ないなぁ」


 心配してくれているんだろうけど、逃げ帰る前提は少し傷つく。


「だってあの足場と環境だと、近接武器は不利ですよぉ?」

「だからこそ、『吸血妃ヴァンピーア・アーデル』であるこの私が手を貸すのです! ええ、あそこまで嘆願されたのなら、貴族として動くのは義務。いわゆる貴族の義務アーデル・プフリフトですわ!」

「わーい、ありがとう。福子ちゃん。助かるよ!」


 手放しで喜ぶ洋子ボク。実際、福子ちゃんの協力はありがたい。


「成程ぉ、天然たらしですね、犬塚さん」

「天然のたにし?」

「小守さん。犬塚さんはこういうヒトなんで、もっとガンガン振り回す覚悟でいかないと難しいですよぉ」

「別に私は……その……考慮します」


 ? よくわからないアドバイスが為されたようだ。どういうことなんだろ? 考えてもよくわからないので、聞き流すことにした。


「ま、いいや。

 チェンソーザメ相手するんで、服の防刃強化とかラジカセとかゲットしとかないとね」


 服の防刃強化。言葉の通り、服に刃物に対する耐性を持よう強化する事だ。チェンソーザメの攻撃はチェンソーによる斬撃なのでそれに対する防御力を増しておくのが基本になる。ただ重量が重くなるのが難点だ。


 まあ、洋子ボクはいらないけどね。全部避けきるし!


「ラジカセ……音楽ムズィークによるゾンビ集めですわね」


 福子ちゃんが頷きながら補足する。


 ゾンビは原則的に音と臭いを頼りに襲ってくる。なのでラジカセを離れた場所に置いてタイマーで作動させて、ゾンビを一ヶ所に集めることが出来るのだ。さすがに人間を見つけた時などはそちらを優先するが、何もなければゾンビを一ヶ所に集めることが出来る。


 ……今時ラジカセもないよなぁ、とは思うけど。


 音出すならスマホでいいんだろうけど軽量でゾンビの動きをコントロールできるアイテムを出すのは運営もまずいと思ったんだろうね。


 メタいメタい。まあ学校内に余ってたとか、スマホを使い捨てるだけ数がないとか、そんな理由でラジカセなのだろう。そう納得した。


「それに、犬塚さ……ヨーコ先輩の訓練ですわね。私、楽しみですわ」


 なんだか嬉しそうに福子ちゃんが頷く。今の福子ちゃんのままでも通用はするだろうけど、知っておくとより効率的なので今のうちに教えておこう。あって損な知識ではないし。


「そのぉ……やっぱり拳銃系のお仲間を入れた方がいいと思いますよぉ。近接オンリーと眷属操作のお二人ではぁ、チェンソーザメ相手には心許ないというかぁ……」


 やる気に水を差すようでさしでがましいですけど、と前置きして紀子ちゃんが口を挟む。近中距離に対応できる火力の高い拳銃使いは、どんな戦場でも鉄板だ。


「ダイジョブジョブ! ボクに不可能はないんだから!」


 言ってVサインを出す洋子ボク。だけど紀子ちゃんは何か言いたげに肩をすくめた。うーん、解せぬ。


 ともあれ、生徒会室を出てそのまま食堂に向かう洋子ボク達。


「お腹すいたんで、お昼ご飯食べてからにしよう!」


 という洋子ボクの提案に頷く福子ちゃん。天ぷらソバと稲荷寿司の食券を買い、列に並ぶ。


「そう言えば福子ちゃんは何を買ったの?」

「わたくしはトマトパスタですわ。ニンニク抜きで」

「吸血鬼ネタ引っ張るなぁ」

「お、乙女として口臭は気になるんですっ! 察してください!」


 あー、そっか。はいはいと頷く洋子ボク。オンナノコは大変だー。


 ……って、忘れそうになるけど洋子ボクもオンナノコ。そういう所は気にした方がいいのかな?


「……おい、あいつが……?」

「マジかよ。そこまでして……」


 そんな洋子ボクを指差すようにして囁く声。なんなんだろうね?


 そう思っていると、一人の男子生徒がこっちに近づいてきた。ハンターの証明書が胸にあるところを見ると、同じハンターなのだろう。


「おい、犬塚。

 お前、後藤さんが攻撃していた『オウガ』を横殴りして倒したんだってな」


 彼は洋子ボクを威圧するように、そう言い放った。


拙作を読んでいただき、ありがとうございます。

気にいっていただけたのなら、評価をいただければ幸いです。


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