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10.魔鉱石の泉

 

「‥‥‥獲物がどうなったか見ておくか」


 薬品臭い保管庫を出て新鮮な空気を吸うため外に出た。

 そのついでにおれは水場に隠していた大黒狼の死体を見に行くことにした。


 水場に『転移』


「あ、あれ? ない!!」



 おれは周囲を見渡した。


「‥‥‥くそ、やられた!」


 大黒狼の残骸があった。

 他の魔獣に喰われたようだ。


「はぁ、踏んだり蹴ったりだな‥‥‥さすがに堪えるぜ」


 それにしても、何が食ったんだろう。

 この森にいた魔獣で一番厄介だったのは黒狼で次が赤猪、あとは青蛇か。


 ちなみにこれらの名前は適当だ。


 知識チートでは色んな呼び名があるが面倒だし、おれが呼ぶだけだからな。



「周囲に奴らの足跡はないな‥‥‥」



 ん?

 あれれぇ~おっかしいぞぉ~?


 黒狼×8

 大黒狼×1


 あれだけの肉を全部食ったのなら周囲は踏み荒らされているはずなのに。

 おれは安全のため周囲を散策した。


 ぬかるんだ土に足跡を見つけた。


 おれはすぐに保管庫に退避した。


「なんだあれ? あんなの森にいたのか!?」


 大きな爪が四つ。

 バカでかい足跡。黒狼なら一踏みでつぶせそうなデカさだ。


 森の木々に痕跡が無い。

 河を下って山の方から降りてきたのかもしれないな。


 ちょっと待て、コイツ、一匹であれだけの魔獣を食ったのか?

 運ぶのすごい大変で1トン以上はあったぞ。

 くそ、エサがあったからこの辺に執着しちまったかもしれない。

 不用意に音を立てたらこの場所が気づかれるぞ。



 今のおれの武器は槍だけだ。

 戦うべきではない。


 神様、このまま何事もなく済みますように!!


 あ、いや信じない訳じゃないけど祈るのはやめよう。


 おれは念のため、拠点であるこの保管庫の備蓄を半分よそに転移させておくことにした。


 薬草の生えている崖の中腹にあるくぼみ。

 そこに魔力回復薬、自然回復薬、水、塩、油、干し肉、香草、干した果物、火打石を保管した。


「やば、入らないかも。と奥に‥‥‥あ」


 おれはふと、くぼみの奥にある穴に気づいた。


 忘れてた。

 最初にここに来た時、安全のため入るのをやめたんだった。


 ここの空間、ギリギリ入れるかどうかだ。


 おれは這って中に進んだ。

 途中つっかえたところは『部分転移』で穴を広げた。


 やがて広い空間に出た。


 おお~!


 巨大な縦穴で、水が溜まっていてヒンヤリしている。

 中に強力な魔物がいるかもと思っていたが見当たらない。

 代わりにあったのは光る石だ。



「これって、魔鉱石か?」



 この世界の常識として頭の中に情報があった。

 ファンタジーでよく出てくる魔力を内包した特殊な鉱石。

 いい間接照明だ。

 家より目に良さそう。


「ふぅ、少し寒いがここなら安全だろう」


 あの隙間から入れるのはせいぜい小物の魔物。

 水が湧いているけど、澄んだ水の中には何もいない。

『転移』で出入りできるおれに打って付けの場所だ。


 ただここでは火が使えない。

 一酸化炭素中毒になるし、隙間から煙突を出したらバレる。


「生活拠点は別に探す必要があるな。こんな密閉した場所で火でもこしたら‥‥‥」




 ふと閃いた。




 おれは保管庫にあった備蓄や雑貨を全部こちらに移すことにした。


 半壊した家には黒狼の血の匂いが残っている。

 すぐに見つかるだろう。



 なら、最後にあの家には囮になってもらう。

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