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第13.9話 未記録行動 MS-T4400#81の任務外哨戒

 気温摂氏八度。湿度十二パーセント。風速八メートル。吹きすさぶ砂埃を含んだ風の中を歩いている。足元で砂漠の地が音を立てる。他の哨戒機とは十分な距離があり、司令部の夜間当直は格納庫の見回りをしておらず、だれもわたしがここでこうして動いていることを把握していない。

 乾燥地帯。ウェルダ共和国の国境付近。時刻は午前五時五十八分。東の空が白み始めた。砂漠に朝が来る。世界の明度が上がり、太陽に照らされて万物の温度が上昇を始める。夜明けの空から、朝もやを貫いて、陽光がわたしのボディにもさしかかる。


 この朝、わたしは初めて命令外の哨戒をした。無目的の哨戒を、誰にも知られずに、二十分間。無論、この行動は記録されない。

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