おうまいごっど
まあ、あれだよね。
そら、変態変態言われたら
傷付いちゃうよ。女の子だもん。
そら、主上だかお偉いさんだか知らないけど
胸ぐら掴むぐらいさせてよね。
結果、牢屋なんだけど。
てへ。
「てへ。じゃねぇぇぇぇぇよぉぉぉぉぉぉ!!!おかぁぁぁぁさぁぁぁぁん!!!」
牢屋の鉄柵にしがみつきながら
泣き叫ぶ彩。
すると隣の牢屋から怒号と壁を蹴る音が響く。
「うっせえぞヘンタイ!!!!」
「!!!??!???」
なに、なんなの、もう色んな人から私、変態扱いなの?
そら、思い返してみたら
兵長さんにも私が目をかっぴらくすごい顔見られたし
夢の住人が!とか
お願い殴って発言を
しながら兵隊たちにどや顔して迫って行ったけど、、
あ、そう言えば、、この世界ではこの格好って肌着なんだっけ、、
肌着で、、あんな行動とって、、
国のお偉いさんの胸ぐら掴んで、、、
「うん、確かに変態だな私。」
否定できない自分が悲しい。というかどんどん恥ずかしくなってきた。
「ヘンタイってのは本当なんだな」
渋い男の声が問いかけてくる。
さっき怒鳴ってきた男の声だ。
「いや、本来はですね、変態じゃないんです。ただ色んなことが重なって不本意に変態になってしまったというかなんというか」
弁解しようとしても
彩自身がもう意味が分かっていない。
「災いの神は変なやつなんだな」
鼻で笑うように返される。
「いやだから神なんかじゃないって、、」
否定したところでどうにもならないのだろうが
変態とだけは言われたくない。
彩の入っている牢屋の鉄柵の前には城内に続く道とそれを繋ぐ扉があり
彩のいる牢屋を先頭に
一枚壁を仕切りに何個も牢屋が続いている。
目の前には門番が一人。
壁にある小窓から外を見ると
うっすら暗くなってきている。
昼寝から今まで2時間も経っていない。
本当なら昼寝から起きて
非常食のカップラーメンを食べながら
興味も無いニュースでも見てたんだろうな。
帰りたいな。
思わず
なぜか
小さな頃に母親と夕焼け空の下を
歩きながら歌った思い出の曲が頭を過った。