城だ
よくよく周りを見渡すと
赤髪のイケメンの他に
小さな子供に、杖をついたお爺さん
中年の女性や男性と
しめてギャラリーは15人ほどだろうか。
彩の普段着発言を聞いて
全員がまさか、、、と驚愕の反応をしている。
「それが、、お前の普段着なんだな、、」
赤髪はゆっくりと口を開くと
何かに向かって手を振る。
「は?なに?」
彩はなにがなんだか分からずにいると
「お前は、、、!!!」
赤髪が次の言葉を発する前に
兵隊が彩の視界に入った。
馬に乗った数名の兵隊のうちの1人が
彩の前で止まり
「兵長!!黒髪です!!」
兵長と呼ばれた少し偉そうな男が
静かに口を開く。
「今の状況を報告せよ。私が受けた報告と一致をさせたい」
すると赤髪が口を開いた。
「15分もしない前にこの町にいきなり現れました。そして、この着物は普段着だそうです。」
赤髪の言葉を聞き
兵長と呼ばれた男は
眉間にシワを寄せ
「この者を城へ連れていく」
そう言うと
彩は一人の兵隊に担がれ
馬に乗せられた。
まてまてまてまて
夢よね?え、夢よね?なにこれ
「ちょっと待ってよ!!!」
返事はせずに
兵長が彩をジロリと睨む。
うわあ、、もし二次元だったらその睨みかなりドキュンくるぞ☆イケメン兵長☆
じゃねーよ!!
こえーよ!!目で殺すってこれだよ!!!
「あ、、えと、、どこ行くんですか?」
兵長の気迫に思わず弱気になる。
「城だ。」
彩の顔を見ることなく返答をして
馬を走らせる。
城だって、、城って、、、
さっき聞いたし!!
そうじゃなくて
これどういう状況かって聞きたかったのにーーー!!!
、、あ、そうだ
自分の夢なら起きれば良いんじゃん
なぁーんだ簡単じゃーん
起きろ!!!私!!!!
空に向かって
目をかっぴらく彩。
、、、あれ?
もう一度、さっきよりももっとカッ!!!と!!!
、、、あれ???
あれれれ???
その瞬間、たまたまこちらを見た兵長と目が合う。
あ、、
何も見ていないと言わんばかりに
瞬間的に目を反らされる。
なんかもう色々と泣きたいよ。へへへ。