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狐ロリ神様はおいなりさんがたべたい。  作者: 凪狐
一章 狐ロリ神様、異世界へ
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野菜炒めとワンパンチ

滑り込みいぃぃぃ!←

なので見直せてないです

 それは、結果から言ってしまえば、イロハの圧勝でした。

 グラトニーが一直線にイロハに向かっていくと、イロハは即座に火傷をしない程度の狐火を拳に纏います。それは奇しくも、この世界におけるエンチャントと同じことでした。

 グラトニーは驚いた顔を見せつつも、無謀にイロハに飛び込みます。

 それをイロハが腰を入れた一撃。それはグラトニーの小太りのお腹にめり込み、狐火のエンチャントによって強化された拳は、外見からは到底思いもよらない力により、グラトニーの体は壁に叩きつけられました。


「ぐ、グラトニーさん!?」

「まさか……あの狐の幼女、やれる……!?」

「こんな、こんな事があるのか……!」

「でも、これはこれですっきりした!」


「なんじゃ、いきなりなんなのじゃ!?」


 体の無駄な部分が大きいグラトニーに対し、全体的に脂肪が無いイロハが一撃で倒した事で取り巻き達は歓声をあげ、イロハの周りを囲みます。

 それどころか胴上げをしてうわわ、うわわと狼狽えています。転移時に着ていたパジャマのままなのでスカートの中が見えることはありませんが、それでも中々に恥ずかしい事になっています。


「わっしょーい、わっしょーい!」


 胴上げをする中にはカノンも混ざっていました。

 相手が貴族とは言えどもグラトニーのやり口には相当頭に来ていたカノンが、貴族だろうがお構い無しに一撃で沈めたイロハを胴上げするのは、最早当たり前のようです。


「……ぐ、お前ら……この、俺様をぉぉ……!」


 一方殴られて吹っ飛ばされた事で壁に叩きつけられたグラトニーは、怨嗟を吐きつつ瓦礫をどけてのそりと立ち上がります。

 グラトニーがイロハを暗い瞳で見ているのをイロハ本人は気付いているものの、しかし胴上げをしている人々はカノンを含めて気付いていません。


「お待たせしましたー、こちら、野菜炒めが二つですねー!」


 胴上げをしている中に店員が、白いお皿にメニュー表に描かれていたような色とりどりの野菜が盛り付けられた野菜炒めを持ってきました。

 出来立てなので湯気がたっており、地球同様とはいかないものの、この世界にもあるソースで炒められた野菜は食欲をそそる香りを周囲に撒き散らします。


 イロハを胴上げしていた取り巻き達はそれに気付いて丁寧にイロハを席に座らせ、反対側の席にカノンが座ります。

 そして、いざ食べようとしたところで邪魔が入りました。


「小娘……お前は、お前だけは許さねぇ!」


 腰に差している装飾の凝ったきらびやかな剣を振り回し、イロハに向かって走っていきます。

 怒りによって頭に血が上っているせいなのか思考が正常ではないようで、食堂内の人々は悲鳴をあげて逃げ惑う中。理不尽な怒りの矛先となったイロハはやれやれと言った様子で一睨みします。


「お主、どうやら相当のバカらしいの?」


 喜怒哀楽の感情が表に出やすいイロハはグラトニーを冷たい目で見返すと、静かに席を立ちました。

 そしてもう一度、拳に狐火を纏って対峙しようとした時。


「さっきからアタシの店を壊すんじゃあ……ないよおぉぉぉ!」

「お、女将さん……」


 厨房から割烹着を着たこの食堂の女将さんが、包丁片手に怒鳴りながら出てきたのでした。


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