お寝坊さん達
一気にほのぼのしました←
悠葵は寝苦しさを感じて目を覚ましました。時計の指す時刻は朝の八時。この世界では遅いお目覚めを余裕で通り越すレベルの遅さです。
「……ん」
もぞもぞと、悠葵のすぐ隣の毛布から出ているすべすべで、ちっちゃな手足が動きます。ごろんと寝返りをうって悠葵の左腕から離れ、毛布ごと畳まれたような寝相をするイロハでした。
「神様ー、起きてください。もう朝ですよー」
「んー……私はまだ眠くにゃいんら……」
「まだ眠くないもなにも、現在進行形で夢うつつじゃないですか。ほら、起きてくださいよー」
「うー、いやじゃー。私はまだ寝るんじゃー」
「神様、起きてますよね? もう目がパッチリですよね?」
「ギク……」
自分でギクって言ったよ、この神様。悠葵はため息混じりに抱き枕と化した毛布を引っ張り、イロハと別々に分けます。
「悠葵が鬼畜なのじゃ……」
ゴシックワンピースが皺になるとの理由で脱いで、そのせいで今現在絶賛下着姿のイロハ。すぐさま白いシーツで身を隠して悠葵を涙目で睨みます。
それをおよそ五分。膠着状態でした。
「のう、悠葵よ。一つ取引せぬか?」
「取引ですか?」
「うむ」
「内容によっては酷いことをしますよ?」
「む……まあ多分大丈夫じゃろ」
コホン、と咳払いを一つ。
悠葵の目をしっかり見据えてイロハは口を開きます。
「今日寝るときに、特別に時間制限ありでもふもふすることを許してやるとしよう」
イロハの言うもふもふ。それはイロハにとって自身が受け入れられる最上級のスキンシップです。ちなみに、それ以上の事をすると顔を真っ赤にし、頭から湯気が出て倒れます。
悠葵は、ビシッと手のひらをイロハに見せて即答します。
その答えは、イロハの顔を驚愕の色に染めるには容易な言葉でした。
「あ、それは神様が寝惚けてる時にやるんでいいです」
「まさかの私の断りなしにもふっておったのか!?」
閑話休題。
時計が九時を示してちょっとした頃、イロハはある事に気づきます。
「カノンはどうしたのじゃ……?」
イロハの呟きに対し、悠葵はカノンが寝ていたベッドの上に丸まっている毛布を剥がします。
そこに紙が一枚ありました。
『ルピアに会いに行ってくる。八時には戻れるとおもうから、ちょっと待ってて。ごめん』
二人は時計を見るや否や、すぐさま着替えると宿を飛び出しました。
そしてまたシリアスな予感←




