悠葵がイロハのところに来たワケ
遅れるって言ったな
あれはうそだ!(雨で仕事が休みになったから)
と言う事で二十話です。どぞどぞ
「神様、それは私からの方がいいのでは」
「そうじゃな。なら私は、悠葵が知らない裏側を、私が知る限りの事で話すとしよう」
カノンに対して説明してる中。悠葵が何故巫女になったのかを話すところで、自ら語り手を希望しました。
「では僭越ながら私が。私が巫女になったのは、私が捨て子だったからです」
「……っ!」
開口一番。悠葵の口から飛んできたのは、カノンにとって想像し得ない言葉でした。たとえどれだけ貧しかろうと、産まれた子供は見捨てない。そんな心優しい両親の元に産まれたからです。
イロハはカノンが衝撃を受けた事に対し、やっぱりかと心の中で嘆息しますが、その事に口を出すことなく悠葵の言葉の続きを待ちます。
「私が捨てられていたのは神様が住んでいる神社の前でした。当時の捨てられた時の記憶はありませんけど、神様曰く、ぐだるような真夏の夜を散歩しようと外に出たときに私を見つけたみたいです」
若干とは言え芝居がかった口調は、この件が悠葵にとっては人生を一変させた出来事だからです。
悠葵はオタクです。主従関係。又は服従関係にもある悠葵が、その信仰対象であるイロハにサブカルチャーであるラノベ等を薦めるのも、ネット等に上がっているネタを教えるのも、好きな相手と同じ話題を共有したい。全てその一心なのです。
そして、そんなオタクである悠葵が物語の登場人物のような生い立ち。だからこそ、自らが捨てられ、そして神様であるイロハに拾ってもらった事は運命だと思っているのです。
「私は生後数ヵ月と言ったところで捨てられていて、神様が拾わなければ死んでいた命です。私はその事を小学校を卒業するまで知りませんでした」
小学校と言う言葉に、恐らく魔法学園の縮小版だろうとカノンは自己完結させ、滔々と語る悠葵の言葉に耳を澄ませます。
「きっかけは、卒業式の日に、神様が自ら打ち明けてくれました――いえ、本当のところは、私も察してはいました。だって尻尾とか耳とか、普通の人にはないものがあるんですから」
イロハのもふもふした耳がピクッと反応します。
「でも、神様が神様だって言うことは、確信が持てないでいました。だって私の大切な人が神様だなんて、誰も思わないですからね。私も、その内の一人でしたし。そうして神様に、神様だって事を知らされて私は漸く確信が持てたのです。これが、私が神様を神様だと知るまでの話ですね」
カノンはうーん、と唸っていました。
自分が捨てられた子だと知っていて。それでもそんな事はお構いなしに生きている。そんな悠葵がにわかに信じがたかったのです。
まえがきでも分かるように、あくまで今日の仕事が休みになったと言うだけで、作業内容(生コン打ち)が無くなったわけではないです。
なので、また後日遅れるかもって日がやって来ますので悪しからず←




