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狐ロリ神様はおいなりさんがたべたい。  作者: 凪狐
一章 狐ロリ神様、異世界へ
13/54

オムライスと麻婆豆腐

ふう、つい筆が乗っていつもより500文字も


……え、それでも少ないんです?

 グラトニーが負けを認めたタイミングで、厨房から聞こえる音は一区切りが付いたのか聞こえなくなりました。そして、その代わりに店員さんがお皿を持ってやって来ました。後ろからは女将さんも居ます。


「どうやら決着はついたようだねぇ。お疲れさん。イロハ」


 女将さんがイロハをねぎらいに来たようです。

 女将さんはそれを言った後にグラトニーに向かって歩きます。


「……何だ。無様に負けた俺を見て嘲笑いに来たのか?」

「何でわざわざそんな事をしないといけないんだね? アタシはアンタの事もお疲れさんと言いに来ただけだよ。FランクからEランクに金の力で上がった割りには、それでもイロハとここまでやり合ったんだ。それは誇りに思ってもいいと思うから」


 グラトニーの肩をポンと優しく叩きます。その姿は殺伐とした空気を壊し、騒動の原因であるグラトニーすらも食事の輪に誘う母親のような姿でした。


「こちら、骨付き肉の香草焼きと、ホワイトシチューですね」


 店員さんが料理名を告げながらテーブルに置いていくと、そのテーブルの席に着いている人達は歓声をあげます。

 気付けば食堂の中の景色は元通りになっていました。一部、グラトニーが壁に強く叩き付けられた事による壁の損壊等は別として、戦うために片付けられたり端にどけられていたテーブルやイスは、寸分の狂いなく設置されています。


「イロハー! こっちこっち!」


 イロハを呼ぶ声は褐色少女のカノンです。呼ばれた場所は食堂の真ん中より少し厨房寄り。二人掛けのテーブルでついさっき頼んだ野菜炒めがまだ湯気を立たせていて、イロハ達に食べられるのを待っています。


「おう、今行くぞい」


 耳をピクピクと反応させながらカノンの待つテーブルに向かいます。

 席に着くとすぐさま店員さんがお冷やを持って来ました。お冷やは本来有料ですが、この食堂に限っては話が別です。理由は簡単。店員さんが水魔法の扱いに長けた魔法使いで水を魔力が尽きない限り無限に生み出せるからです。


 閑話休題。


「それにしてもイロハってすっごく強いんだね。また助けられちゃったなぁ……」

「なに、人は支えあって暮らす生き物じゃ。なんら気にする必要はない」

「そうかなー。でも、助けられたのは事実だよ。ありがとうね」


 カノンの純粋な眼差しに、イロハは頬を赤く染めてモジモジと照れます。異世界に来るまでは巫女さんぐらいしか話し相手が居らず、その巫女さんにもある時期を境に、イロハが一方的にお世話になっていたからです。


「お待たせしましたー。こちら、ふわとろオムライスと、麻婆豆腐ですね」


 白くて大きめのお皿には、商品名通りにふわふわでとろとろと金色に輝く卵が一面を覆い尽くしてカノンはもとより、イロハとキャーキャーと騒いでいます。


 そして麻婆豆腐。具材はシンプルにメインである豆腐とひき肉。そしてこの世界特有の野菜にして、カノンの実家で作られているティークと言う名の小松菜ともほうれん草ともとれる葉物野菜が、食欲をそそる辛味と旨味を蓄えたトロッとした麻婆餡に絡み、出来立てだからこそのグツグツと沸く餡は大きめの黒い石鍋に盛りつけられています。


「こ……これは……。なあ、店員よ。これは豆腐じゃよな?」

「え? は、はい。豆腐ですけど」

「この豆腐、どこで仕入れたのじゃ!?」

「それは、リングラスをずっと東に行った島国に」


 場所を教えてもらったイロハは歓喜しました。

 何故なら。

 おいなりさんを作る為の油揚げは、豆腐から作られているからです。


「ふふふ……私のおいなりさんへの道は、今、開けたのじゃ!」


 そう言ってはしゃぐイロハの姿は、玩具を買ってもらった子供のようでした。


明日はもしかしたら一時間遅くなるかも知れません

いつもと同じ時間に更新は目指しますけどね

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