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狐ロリ神様はおいなりさんがたべたい。  作者: 凪狐
一章 狐ロリ神様、異世界へ
10/54

魔剣ブラッドネル

今回は文章量1・5倍です!

とは言えいつも1000文字なのが今日は1500文字ってだけですが←

「一撃で沈めてやるぅ……!」


 グラトニーはそう叫ぶと、さっきのように簡単にやられない為に体を沈ませながら走ります。

 狙いは勿論イロハ。

 イロハはカノンを自らの体の後ろにやると木造の食堂が燃えないように、足の裏ではなく足首から脛にかけて狐火を纏います。

 そして一閃。グラトニーの剣の刀身は、イロハの蹴りの脚力と狐火の魔力によって砕けます。


「もう終わりかの?」

「まだまだぁっ! 魔剣の力、見せてやる……!」


 グラトニーが歯を剥き出しにして殺意を放ちます。

 何を思ったのか折れた剣の先を、脂肪が厚めのお腹に突き刺します。そうして数分後。イロハ達が呆気にとられている間に地面には血溜まりが出来はじめました。


「くっ、くくく、くはははははは! この力だ……この力は俺様のものだ! さあ、ひれ伏すがいい。そうすればこの俺様に楯突いた事を水に流してやろう」


 そう言った直後。血溜まりは意思を持ったかのように形を変えて剣となりました。

 その剣は血で作られたからか、柄も鍔も刀身も真っ赤に染まり長さは一メートルを超える程度の大きさです。


「嘘……なにあれ……」


 カノンがグラトニーの持つ血の剣を見て呟きます。

 魔剣。それはこの世界では目にする事は稀と言われる程に稀少なもので、冒険者を長くしてない限りそれを目にする事は基本的にありません。

 ですがカノンが仮に冒険者と言えど、まだまだ新米なので話は聞いた事はあれ、目にするのは初めてだったのです。


「ほう……アンタ。とうとうそっち側に行っちまったのかい」


 女将さんが何かを知ってるような口振りでグラトニーに訊くと、それを一蹴して黒い笑みを見せます。


「お主、何故血が。いや、血だけじゃない。何故ケガまで治っておるのじゃ!?」


 黒い笑みを浮かべたグラトニーとは反対の。カノンと同じように驚きの顔を見せるイロハは、グラトニーに対して強く問い詰めます。

 ですが、その問いに答えたのはグラトニーではなく女将さんでした。

 女将さんはグラトニーを視界から外さないまま、ゆっくりイロハに近付きます。


「あれはアタシの旦那が持っていた魔剣ブラッドネルの解放状態。つい最近何者かに盗まれたとか言って怒ってたけど、まさかグラトニーが持っていたとはねぇ」

「と言う事はあれかの? あの魔剣とやらはもともとお主……女将さんの旦那の物じゃったと。そしてそれが今、あのエセ貴族が持ってると。なるほど。どうやってあやつの手に渡ったのかは知らぬが、これはまた倒す理由が一つ増えたの」

「まあ、そう言う事だね。あの魔剣ブラッドネルの特徴は所有者が自らの血を剣に注ぐ事で契約。力を解放って手順らしいけどそれをどうやら今行ったらしいね。ケガが全て治っているのが何よりもその証拠」


 イロハはグラトニーのお腹と、それから瓦礫の下じきになった際に出来た無数の傷があったところを見ます。

 そこには何もなかったかのように脂ぎった肌が見えているだけで、ケガはおろか。血が服に付着した跡すら見てとれません。


「のぅ、女将さんや」

「ん? なんだね?」

「私があやつをボッコボコにするから、お主はとびきりのご馳走を作ってはくれぬか?」


 女将さんはイロハの言葉を聞いて、クスッと笑います。


「勿論だ。それにしてもアンタ、気に入ったよ。名前は?」

「イロハじゃ。それにしてもここはカノンに紹介された場所じゃが、まさか女将さんに気に入られるとはな」

「ま、人生なんてそんなものさ。さて、イロハ。負けたら承知しないからね」


 そう言うと女将さんはイロハに背中を向けて食堂内を闊歩します。

 途中で店員にこそっと耳打ちすると、はい! と元気の良い返事が食堂に響きます。


 そして、それが勝負の開始の合図となりました。


ほのぼのでグルメ要素?

あともう少ししたら出てくるんじゃないかな?←

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