魔王様の幼少期その5
ライトス城 ビット・ライトス
「なぁ司令官・・・メイドと執事ってあんなに強かったのか?」
「私たちも知りませんでした・・・これからはメイドと執事を怒らせないようにしないといけませんな」
「そうですな・・・我々もさぼれませんな」
と私と一緒にため息をだす司令官や文官たち、思わぬところで内政の手が早まるのであった
「それよりも息子の帰還だ、出迎えようじゃないか?」
「「「はい」」」
とその場にいた司令官や文官たちはいい笑顔でうなずいてくれた
ちなみにこのメイドたちが戦乙女部隊の先駆けになったのはまた別の話
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数時間後 ライト率いる工兵部隊が到着し町からの排水作業に入り・・・まぁ元々川より土地がある程度高いのでそんなに難しい作業ではないのだが・・・
そして城内に入ると避難してた市民や兵士などから歓迎ムードで出迎えてくれたので工兵隊、執事近衛、母上、給仕と手を振りながら入ると父上が城の正門の前で出迎えてくれた
「ライト!」と言いつつこちらに駆け寄り抱きしめてくれた
「ち、父上・・・」
「私たちを助けてくれてありがとう、でも今後こんな危険なことはしないでおくれ」
「はい・・・」
そして、その後ベリッハ領との領境に兵士を派遣させ守りを固めたり懇意にしてる辺境爵と連合軍を作り王都へ援軍をだしたりして魔王様から収束宣言が出されたのは2か月後だった
収束宣言がされてから1か月後 魔王城
以外にも初めて来た王城はRPGに出てくるような、おどろおどろしい雰囲気では無く、適度に温度、湿度を管理されているのか快適であり、明るさも城の内部とは思えないほど適度に明るかった
「父上?わたくしは何で魔王城に呼び出されたんでしょうか?」
それに普段着ではなく、余所行きでちゃんとした服装で決めている
そして父上正装で辺境爵だけがつけることを許された腕章をつけ、ニヤニヤした顔で答える
「ん?そうだな・・・それは着いたら判るぞ、まぁおじいさまに会うと思えばいいぞ」
「おじいさまっていうと現魔王様ですよね?」
「そうだな、まだあったことなかったか?」
「ないですね」
そんな話をしていると謁見の間の入り口に着くと門番が
「お待ちしておりました、ライト・ライトス様とビット・ライトス辺境爵様ですね、確認ですが腕章はお持ちですか?」
「あぁこれだ」
と腕章をみせると
「ありがとうございます。では、『ライトス辺境領、ライトス家当主、ビット・ライトス辺境爵様およびライト・ライトス様ご到着』」
するとバカデカい門が開けられ騒然と並んだ王都騎士団と王都に居る貴族が左右に並び正面の5段ほど高いところには祖父と祖母である魔王様と魔王妃様が居ます
なんじゃこれは?とか思ってると父上が片膝をつき頭を下げるので俺も習って同じことをするのだが初めに言っておけよぶっつけ本番でこんな重要な式をするとは思ってなかったよ
と言うかそもそも俺はまだ10歳の見た目なんだぞ、普通だったら小学校で走り回ってるころだ、まぁアレだけのことをしたのだからしょうがないとはいえ・・・あとで父上に厳重抗議をしておこう
そして式は進み最後に魔王様が
「ここにライトス領奪還作戦、王都奪還作戦の功績を評して当主ビット・ライトス辺境爵の長男であるライト・ライトスに男爵の名を与え、王都軍務部戦略立案科第2席の席をあたえる!」
「ハッ!謹んで承ります」
「そして反乱を起こしたベリッハ家直系および第2子孫は死刑、第3子孫は王都騎士団の監視下において死するまで軟禁とする」
「「「「「「ハッ!」」」」」」
・・・
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式が終わり謁見の間から離れたところにある応接室に通され今は父上と二人っきりだ
「父上・・・あんな式があるなら先に言ってもらわないと困るのですが・・・」
「ん?いいじゃないかこれこそドッk・・・サプライズと言うものだ」
「ですがね・・・僕にはああいう場での儀礼などわかりませんよ・・・事前に知らせてもらえれば勉強もできたのですが・・・」
「まぁそういうな、上手くやれてたじゃないか、それに10歳の子供が粗相しても誰も文句は言わないさ」
「まぁいいですけど・・・その代わりお土産は買ってもらいますよ、ダメだったら母上にチクりますからね」
「それは卑怯じゃないか?」
そんな話をしてると応接室のドアが開き魔王様と魔王妃様が入ってくるので立ち上がり
「初めまして、ライト・ライトスと言いま・・ごふ!」
言い終わる前に魔王妃様に抱き着かれ
「あ~私のかわいい孫~」
と頬ずりしてくる、魔王様はと言うと苦笑しつつニコニコしてる
「メリリ、そこまでにしておきなさい」
「は~い」
「まぁここにいるのは身内だけだ楽にしてくれ、ビット、元気そうでなによりだ」
「親父とお袋も元気そうだな、そろそろお迎えが来ると思ったのにな」
「まだまだ若い者には負けんよ、でだ本題に入るのだがな、今回の作戦立案はライトが行ったというのだが本当なのか?報告は聞いてるが信じられなくてな10歳と言うと|お前≪ビット≫なんて女の尻を追いかけまわして勉強もせずにやんちゃししてたからな」
じとーと軽蔑の目でみてると慌てて
「今はそんな話はいいだろ?作戦立案はライトがやった、王都奪還作戦もライトだ細かい所は各将軍、司令官だが大まかな作戦はライトだ」
「ふむ・・・」
そして手を4回叩き、全員この部屋から居なくなれ」
と言うと天井裏や絵の後ろから「ハッ」と声がしてガタガタと誰かが居なくなる
「ここからは私ら四人しか居ない秘密の話だ、ライト、お前はもしかして異世界のチキュウと言う所の記憶はないかね?」
とこちらを見る
「・・・・」
「黙秘は肯定と取るよ」
「ちょっとまて!親父!なんだそれは?異世界?チキュウ?ライトは間違えなく俺の息子だぞ?」
「これは魔王だけに口伝される話の一つだ、異世界人は魔族の姿をしてたり人族の姿、獣人、長耳族の姿をしていたと聞く、そしてその者たちは全員が特別な能力、あるものは一振りで山を割り、あるものは魔法を使えば1人で一国の軍隊を相手にしても引けを取らずあるものは癒してとして重傷者をいやしたと聞く、ライトはどうなんだい?」
「・・・正直に言いましょう、僕には地球の記憶があります、しかし僕には山を割る剣術も魔法も使えません」
それで驚いてるのは父上だ、まぁそりゃそうだろう自分の息子が異世界人だったとは
「父上、今まで黙っててごめんなさい、でも安心してください僕は正真正銘父上の息子です」
「・・・ライトよ、今後父に隠し事はしないでくれるか?隠し事は父として一番悲しいことなのだよ?」
「わかりました、ごめんなさい」
「でだな、ライトよお前にはどんな能力があるんだ?」
少し悩みながら頭を刺しつつ
「・・・知識です、チキュウの知識を僕は貰ったんです、ただ知識だけなのでこちらの世界で再現できるかどうかは判りませんが・・」
「息子よ、どう思う?」
「そうですね、ライトス領奪還作戦の水攻めは今まで立案できなかった事です、だけれども「チキュウの知識」と聞いてそれならば立案できたと思います」
「ふむ、ライト・・・いや、孫よこの事はこの場にいる3人以外にはいってはならぬ」
「親父、なんでだ?公表すれば国力があがるぞ」
「今までの異世界人は最後戦争の道具にされたり捉えられ実験材料にされたりしたのだよ」
げぇまじか・・・最悪じゃねぇか
「そうなのかライト・・・絶対に言うんじゃないぞ」
「わかりました。父上」
・・・
・・
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そしてライトは人魔戦争で多大な功績を残したり、地揺れ復興計画や衛生観念の植え付けなどの功績を残し8年後に15代目魔王に就任し就任前よりも多大な功績を残し名君と呼ばれたのであった
これで幼少期編は終了です