魔王様の幼少期その4
水の上に浮かべられた丸太と推定ではあるがダムにためられた水、5000万トンがライサス城の城下町を飲み込んでいく
町にある家の建材は基本的にはレンガか木の家である、しかしある家は水の勢いで破壊され、水に耐えた家も丸太の突撃で軒並み破壊されていく
もちろんベリッハ軍の兵士や大型攻城兵器なども巻き込んでいる
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ベリッハ軍本陣 ガルマ司令官
「なんだ!なにが起きた!報告せよ!」
「報告します!水攻めです!上流から丸太を含めた水が流れてきてます!」
「そんなのは分かっている!兵の状況だ!バカモン!」
「・・・おそらくですが全滅です」
「残存兵力は?」
「本陣に居る騎士団員50と非戦闘員が100、あとは輸送兵200と言うところでしょうか・・・・」
そんなことを話してると
・・・・ぅぅぅううおおおををを!!!
と、言う声と共に地鳴りが聞こえてくる!
「今度はなんだ!」
と言うと早いか遅いかのタイミングで騎士団の一人が入ってくる
「緊急伝令!丘の尾根伝いにライトス軍が突撃を仕掛けてきました!敵は馬に乗った執事です!」
「執事?ライトス軍の執事近衛か!執事ごとき精鋭の騎士団が居るだろう迎撃させろ!」
「それが敵の勢いがすごくこちらの劣勢です」
どうしようか思案してると
「緊急伝令!」
「今度はなんだ!」
「ライオス城から新手です!」
「ライオス城の周りは水攻めで移動手段はないはずじゃないか?」
「そ、それが・・・
ーーー
ライオス城 会議室 ライトス家当主 ビット・R・ライトス辺境爵
「城の被害は?」
「まったく問題ありません、ただ町は壊滅状態です」
「避難してる民間人は?」
「元々ベリッハ軍に火を付けられ半壊状態なので多少の動揺はある物のパニックは起きておりません、が、早く混乱を収めたほうがよろしいかと」
(ライトの策略か?ふふふっ、たった数日の準備期間で劣勢だったわが軍を優勢とまでいかないが同等まで押し上げるとわな・・・)
そんなことを思ってるとドアが勢いよく開かれ
「緊急伝令!敵本陣の西側の尾根に軍勢!」
「王都からの増援か!?」
「違います!旗にはライトス領の紋章です!執事近衛です!」
「なに!?執事近衛だと?」
「はい!ただ数は約30、このままだと数で負けます!」
「これが好機だ!だれかあの濁流のなか本陣に突撃できる者はいないか!?」
「「「「無理です」」」」
「私たちが行きます」
「「「「え!?」」」」
そこにいたのは給仕だった
「私たちはどんな姿勢でもまっすぐ綺麗に立つ訓練を行っております、なので浮いてる丸太を足場にして本陣まで行くことが可能です、そして最低限ではありますが緊急時主人の盾になるために白兵戦の心得もあります」
「そ、そうか・・・・では今すぐ武装を整え出陣してくれ」
「大丈夫です、給仕たるものいつでも武の準備は出来ております」
とくるっと1回転すると何処からわからないがその手には短剣が握られていた
「そ、それはどこから取り出したんだ?」
給仕はにっこり笑いながら「給仕の秘密ですわ」
・・・
・・
・
メイド100人は駆ける、水の上に浮かぶ丸太の上を飛ぶように
主に仕える者を助けるために
あるものは短剣を、あるものは鞭を、あるものは大斧を、あるものはモーニングスターを持って
そして本陣につくと10名の騎士団員とつたない足取りの兵士が出てきたので兵士は問題なく討ち取っていくが、流石に騎士団は精鋭らしく一撃では沈められなかった
「精鋭だ!1対1で戦うな!複数で囲んで討ち取れ!」
「アイツらは給仕だ!恐れるな!一人一人確実に討ち取れ!」
そしてやはり数の暴力には勝てないのかゆっくりとだが確実に騎士団員を倒していく
そして騎士団員をすべて倒すと執事近衛も倒し終えたのか本陣に突入するのが見えるので私たちも本陣テントに入るとすでにベリッハ軍の指揮官を倒してる執事が居た