アンデッドと貴族達の会議
2時間ほど街道を進み、途中から道をはずれ草原を進み森の山道を進む
ちなみにこの道はマイヌスさんから名前を明かさないと言う事で教えてもらった道である、この先の広場が魔族との待ち合わせ場所だが
ん?小鳥や虫の音が聞こえなくなってきたな、なにか俺達以外のものがいるのか?しかも小動物の声がしないって事は敵意を持っているのか?
「・・・おい、みんな警戒しとけ」
すると黄がウェアラブルPCを見て
「?赤外線映像には何も写ってませんよ?」
「かもな、でも何か違和感があるんだ」
「隊長のカンですか?(苦笑)」
「あぁ何も無ければいいんだが・・・緑、見張り台に上ってM2重機関銃を何時でも撃てるようにしておいてくれ」
「了解」
そして緑が幌馬車の見張り台に登り、ガッチャンガッチャンと操作して何時でも発砲できるようにしている、すると草原の狼のリンが寄ってきて
「赤!警戒したほうがいいわよ」
「どうしたですか?」
「精霊がね、向こうの方から魂亡き者がこっちに向かってきてるって教えてくれたの」
「魂亡き者ですか?」
「うん、多分アンデットの類かゴーレムだと思うんですけど・・・・」
「それは確実に敵ですかね?」
「なんとも言えないわ、でもアンデットの場合、生あるものに引かれる習性があるから襲われるし、ゴーレムの場合使命によっては教われないかもしれないし」
「ちなみに襲われた場合の対処の方法はわかりますか?」
「わかるわよ、ゴーレムは一定の衝撃には耐えられないから動かなくなるまで攻撃するのが一番ね、アンデッドは頭を破壊するか、足を切り落として動けなくするのがセオリーですね」
「解りました、ありがとうございます」
よかった・・・コレが再生持ちの不死身だったらどうしようも無いからなぁ
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4日前
魔王領 王都ナシレ
公爵ロー・グリファルの屋敷の庭
ソコには豪華な衣服を着て浅青色の皮膚を身に着けた40~60歳の男達6名がいた、言わずとも魔族至上主義派の貴族達だ
「よし、最後の作戦会議だ。魔王城に潜り込ました間者からの情報で5日後人族領から人族の外務大使が魔族領との国交正常化の交渉のために来訪するらしい」
「それは本当ですか?グリファル殿!」
「あぁ複数の間者からの同じ情報だ、間違えないだろう」
「今までの人族商人とは訳が違いますぞ!」
「あぁ、今までは非公式で人族の平民、放かって置いても問題は無かった、だがこの外交が上手く行ってしまったら魔族の安住はなくなってしまう」
「ならば”事故”にあってもらうのが一番ですかな?」
「あぁそのつもりだ、だが前回の人族王都攻略戦で優秀な魔術師が何人も命を捧げたが失敗したせいで召喚や魔術による作戦は出来ないぞ」
「はい、そこで今回は精鋭の物理戦で叩きのめそうかと、幸い向こうは40人程度の護衛です、精鋭と元将軍のジジジ・レンダが居りますので」
「おぉ、突撃のジジジか・・・精鋭はどれくらい導入するのだ?」
「ハイ、私、ゲスティ・メイル辺境爵の私兵で元魔王領山岳機動歩兵30と元砂漠防衛隊30の計60名」
「それでは、私も元国境防衛隊槍兵の50名も参戦しましょう」
「それは負けてられませんな、ではコレも私兵ですが、奴隷突撃隊200を出しましょう」
「ふむ、全部で210名か・・・相手との兵力さは約5倍か・・・、よしジジジを隊長として人族を抹殺してしまえ」
「「「「すべては魔族の理想郷のために」」」」
ーーー
4日後、襲撃6時間前
「ふむ、人族の外交官はこの道を真っ直ぐ予定通りに向かってくるのだな?」
と、重厚な真っ黒な鎧に身を包み眼帯を付けた猪頭の大男(?)が偵察に出てた山岳機動歩兵からの報告を受けていた
ちなみにこの猪男が魔族領元将軍、迫撃の猪ことジジジ将軍である
魔王の勅命により軍縮小の余波を受け部下の首を切るぐらいなら自分が辞めると辞表をした義理堅い人物である
そして今回の人族襲撃任務に就いた奴隷隊以外は全て軍縮小で首になり、貴族に拾われた私兵たちである
「はい、人族どもは普通の冒険者が1グループ、見慣れぬ筒を持った奴らが1グループ、変な全身鎧を着たのが1グループ、騎士団と兵士が20人程度、合計40人ほどです」
「なるほどな・・・よし!まずは召喚士にアンデッドを呼び出させて突撃させろ!」
「ハッ!」
・・・
・・
・
伝令を受けた各部隊から集まった魔族の薄青い皮膚の魔術師達が言葉を合わせ魔法詠唱を開始する
「「「「我は契約者なり、我が血を媒介に来たれ、闇の住人達よ、来い!不死の軍団よ!」」」」
すると魔術師達の宝石の付いたネックレスの宝石が割れると同時に黒い魔方陣が広がり剣と盾を持ったスケルトンや人間(腐った)が百数体現れ、ゆっくり歩みながら赤達の方へと足を進めていく