訓練とおやっさん
日本軍 領事館
現在ウィンディを呼び出し今後の事を話していた
「ウィンディ、お前を俺達のパーティに入れようと思う」
「本当か!」
顔を喜ばせるが
「ただ条件がある」
「なんだ?」
「10日後パエリア王国の外交担当を護衛をする依頼が入ってるんだが、ソレまでに日本軍の基礎訓練を受けてもらい、依頼に出発、依頼完了後もう一度日本軍・新人訓練プログラムを受けてもらいそれに合格したら正式にパーティメンバーにする」
「メリーはそんな事しなかったと聞いているぞ?」
「アイツは基本的な知識と戦闘能力があったからな、お前はこの世界の知識はあっても生き残る知識はないだろ?有ったとしても貴族としての知識だ」
そういわれると、顔を俯かせてしまいます
だって戦地を泥まみれになって匍匐前進したり待ち伏せのために1ヶ月間辛抱強く監視したり、森の中の少ない痕跡を頼りに敵を追いかけたりはしたこと無いでしょうからね
「まぁアレだ、仮メンバーとして扱うからちゃんと報酬も渡すぞ」
「本当か?」
「もちろんだ、あとコレを」
と、中銀貨が1枚と小銀貨15枚入った袋を渡します
「これは?」
「前回の商隊の護衛依頼の報酬だ」
「くれるのか?」
「あぁ・・・まぁ小額だがな」
まぁあの報酬からして25万ほどなら小額だろう、それに此方の勧めで手持ちの金額全てを使わせ防具を買わせて仕舞った手前少しは申し訳ないと思ってるのだ
「ありがとう、ソレとパーティの事なのだがぜひともお願いしたい」
「なら時間が惜しい、すぐにでもマルルクスス基地へ飛ぶぞ」
「飛ぶ?」
・・・・
・・・
・・
・
オスプレイ兵員輸送スペース
「赤!飛んでるぞ!!」
「そうだな」
と苦笑を浮かべながら見守ってると
「赤!何か大きな建物が見えてきたぞ!」
「あれが日本軍の拠点のひとつでマルルクスス基地です、着陸するので口を閉じてないと舌を噛みますよ・・・ん?」
外を見ると狐耳族の村が最初10件程度だったのが30件ほどに増えていて基地のメインゲートの前に商店が出来ています
「軍曹、どうかしたんですか?」
と緑
「いやな、保護した狐耳族の村なんだが・・・発展しててな、商店とかもできてるんだ」
その言葉を聴くと緑や黒達がオスプレイの窓を覗いています、するとウィンディが
「ヤマト村の事か?父上から聞いたのだが最近できた村で香辛料や野菜の販売で急激に発展してる村らしいぞ」
「「「「「?」」」」」
「日本軍は香辛料の輸出をヤマト村だけに輸出してるんだ、どうやら保護民の生活基盤を支えると言う事らしいんだ」
「あ~、解りました、現地民の救済プログラムの初期段階だな」
「きゅさいぷろぐらむ?」
「あぁ、自立できる為の作戦だ、第1段階は衣食住の提供、第2段階販売品の提供、第3段階自給自足の促進、簡単に言うとこんな感じで生活の基盤を作るんだ」
元々アフリカの貧民救済の為の部隊ですからそう言うプログラムを用意してたんですよね、なのでソレをそのまま流用したのでしょう
「国からの救援物資の準備はしていたぞ?」
「救援物資だけじゃダメなんですよ、始めはしょうがないでしょうけどね、タダの物を貰ってばっかりだとそれに頼り切って雇用がありません、雇用が無ければ国に依存してしまう」
「なるほど・・・」
「本当の救援は最終的に自立出来るようにしてやるんですよ」
ちなみにことわざの中に「働かざるもの食うべからず」と言うのがありますが、逆に言えば「働きたいものにはご飯と」と作者は思います
実際、大きな災害の後支援が進み衣食住やインフラが整っても雇用が無く県外に移住する人が多く居た事は有名です
作者は本当の支援は雇用場所を増やす事こそが本当の支援だと思ってます
「確かに働きたくても働く場所が無くて子供が奴隷に売られたりするからなぁ」
そんな会話をしてるとオスプレイが着陸態勢に移り基地の発着場に降ります、そしてウィンディの部屋に移動させ今日は休ませます
そして俺は山本大将のオフィスの手前の秘書室に移動すると
「reaat第2分隊、赤井軍曹出頭しました!」
「赤井軍曹ですね、少々お待ちください」
ショートカットの秘書さんが電話で大将とやり取りしてます
「お待たせしました、中へどうぞ」
「ありがとうござい居ます」
そしてオフィスの中に入ります
「お疲れ様、まぁ座ってくれ」
「了解」
「楽にしてくれ今日呼び出したのは、なにか特別な用事があった訳ではないからな」
「?それではなぜに呼び出したので?」
「いやな、現場の下仕官としての目線でどんな状況か知りたくてね」
「そうですね、現在パエリア王国の貴族、王族との関係は良好ですね、ただ・・・」
「ただ?」
「一般国民との関係が・・・なんと言うか・・・関係は悪くないんですが・・・」
「??」
「簡単に言うとべヒモスの件で寧ろいいのですが・・・アイドル的な感じで一歩引かれてる感じですね、もっと慕われた感じにしたいです」
「なるほど・・・」
「あと冒険者の中での話ですが今野料理長のカレーが人気ですね」
「確かにマルルクスス村の村民を「揚陸艦六所」に避難させた時は大変だったと聞いてるからなぁ」
「おかげでカレーライスが食べれなくて此方も部下から不満続出でしたよ」
「「っはっはっはっは」」
「そういえば村の名前とか決まったみたいですね」
「あぁ族長さんと話し合った結果だけどな、それに救済プログラムも丁度良かったから稼動させたぞ」
「パーティメンバーのウィンディから聞いてます」
「ちなみにそのウィンディと言うのは国王の娘さんと聞いてるが?」
「その通りです、一応建前だと思いますが縁切りされてますが」
「なるべくでいいが身の安全を守ってやれ」
「承知してます」
「ならいいが・・・・」
そして暫く雑談を交わし夕食の時間になったのでオフィスを出て行く
オフィスには独りになった山本大将が1口お茶をすすり、ソファに深く座り、考え込むとショートカットの秘書を呼び
「すまないが生活維持部の今野料理長を呼んでくれないか?」
「わかりました」
「あと2時間後に基地の各セクションの責任者と艦長をネットワーク会議室に呼び出せ、今後の事で会議を行なう」
「わかりました」
ーーー
次の日
野外射撃場
「ウィンディ、今から扱う武器は簡単に人の命を奪う武器、そして軍団日本軍の切り札だと思ってくれ」
「わかった」
そして机の上に置いてあるM1911HCを手に取る
「いいか、コレはM1911と言う武器、銃と言う」
「うむ」
「射程距離は50m、装弾数12発、主に中距離から近距離の戦闘で使う」
「なるほど・・・・」
少し考えている
「どうした?」
「そもそもの質問なんだが・・・銃とはなんなんだ?」
「・・・スマン、そこからか・・・簡単に言うと銃とは火薬と言う燃える砂を燃やした時のガスを利用して金属を飛ばす道具だな」
「ほう」
「まぁ実際に見てもらう」
そう言い7mの所に置いてある鉄板製の的に向かいガバメントを撃つ
銃声!銃声!カン!カン!
「ヒ!」
「こんな感じだ、よし!考えるより感じてみろだ、撃ってみろ」
「こんなかんじか?」
「・・・右手で握り、左手で右手を包み込む感じに握って・・・そうそう、トリガーは撃つ直前まで指をかけない」
「こうだな」
「そうそう、そしてアイアンサイトを標的にあわせて引き金を引く・・・やってみろ」
ちなみに安全のために銃の中には2発の弾が入ってるだけだ
銃声!
撃てた事は撃てたが標的の1m左に着弾してしまう
「まぁ始めはこんなもんだ、さぁもう1回」
「はぃ・・・」
そしてお昼までガバメントの射撃訓練を続け、使いこなす事が出来るようになり、動く的なら6m動かない的なら13mの地点で当てられるようになりました
「よし、ハンドガンは上手く扱えるようになったな」
「うむ、しかしこのM1911と言うのは凄い武器だな、魔法を使わずに弓矢以上の威力、射程しかも使い手も選ばずに3時間の訓練で使えるようになる・・・コレが国軍兵士に行き渡ったら」
とボソボソと独り言をつぶやいてます
「・・・日本軍以外に渡すつもりは無いからな、そもそもソレは日本軍以外には使えないようになってる」
「?私は使えるぞ」
「お前は既に日本軍として登録してある、ほらその首からかかってるドッグタグの中にお前のバイオIDが登録してあるからな」
「そ、そうなのか」
実はM1911のグリップの中にあるスイッチを消せば誰でも使えるんですけどね。まぁこの世界にまだドライバーなどの工具は無いので消せるのは日本軍だけですが
「まぁいいじゃないか・・・・ソレよりも昼飯の時間だ」
「昼か・・・」
「あぁ何が食べたい?」
「カレーライス!」
「(苦笑)よし、銃を保管庫にしまって行くぞ」
ーーー
山本大将オフィス
「おやっさん、ちょっと相談があるんだ」
「なんでしょ?」
「まだ決定ではないしまだ私の頭の中の計画案に過ぎないのだがパエリア王国の庶民街にレストランを出そうと思うのだがもし艦長会議で承認が取れればおやっさん、そこの料理責任者になってくれないか?」
「なんで私が?」
「1番はおやっさんのカレーが原住民に人気がある事、2番目におやっさんの面倒見がいい事、3番目にある程度の自衛が出来る事だな」
「まぁいいですけど・・・ね、ちなみに従業員は?」
「基本的にキッチンメンバーと店長は日本軍から出す、ホールスタッフは奴隷を購入かヤマト村で求人をだそうと思ってる」
「なるほど・・・ちなみに何でレストランを?」
「理由は日本軍製の香辛料や野菜や米の普及と現地民の人気取りだな」
「・・・ちなみにキッチンの人間に現地民を入れるのはだめですか?」
「許可を取れればだがそこら辺もおやっさんに任せようと思ってる」
「わかりました、前向きに考えときます」